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遅配問題が顕在化してきたアマゾン、打つ手はあるのか

配送大手のヤマト運輸がアマゾンとの取引量を制限してから数ヶ月、利用者からは「荷物が時間通りに届かない」「家にいたのに不在票を入れられた」といった苦情がよく寄せられるようになりました。

 

アマゾンは現在、多くの中堅配送業者等と提携して商品を配送。なかでも地域限定の配送業者は「デリバリープロバイダ」と呼ばれており、大手のヤマトや佐川と違って配達前の日時変更について電話のみで受け付けていたり、そもそも変更不可だったりする業者もあります。

 

利便性の点で大手業者に劣る面は致し方ないとしても、遅配や商品未着といった問題は見過ごすことはできず、アマゾンジャパンも商品の遅配が一部発生していることをメディアの取材で明らかにしています。

 

「やはりヤマトはすごかった…」そんな声も聞こえてくるアマゾンの遅配問題。業者ごとのサービスの質の違いを解消することはできるのでしょうか。

 

 

目次

  1. 1 指定日時に届かない!〜クレーム急増のワケ
  2. 1-1 アマゾンが委託している配送業者ってどんな人たち?
  3. 1-2 今までが便利すぎたのか
  4. 2 自社配送システムの構築を着々と進めるアマゾン
  5. 2-1 貨物輸送機を自社で用意
  6. 2-2 米国内でドローンのテスト飛行を初成功させる

 

1 指定日時に届かない!〜クレーム急増のワケ

「商品が未着なのに配達完了になっている」「荷物が指定日を過ぎても届かない」「不在票が入っていない」「業者に電話しても繋がらない」など、アマゾンに対するクレームが今年5月頃より急増しています。

 

ヤマト運輸が経営状況悪化を理由にアマゾンとの取引量の見直しを表明したのが今年4月。以降、アマゾンは日本郵便やその他中堅配送業者、個人事業主などへの切り替えを進めていました。

 

ところが、個人事業主や中小業者の間で宅配の質にばらつきがあり、利用者からは上記のようなクレームが後を絶たないといいます。

 

 

1-1 アマゾンが委託している配送業者ってどんな人たち?

これまでアマゾンと大口契約を結んでいた佐川急便・ヤマト運輸が撤退したあと、商品の多くは日本郵便ほか地元中堅配送業者、個人配送事業者が担当しています。また、デリバリープロバイダとよばれる地域限定の配送業者が請け負うこともあります。

 

現在アマゾンホームページに掲載されている配送業者は全部で14。ヤマト、佐川、日本郵便を除けば11の中堅配送業者がそれぞれの商品を担当しています。

 

・ 配送業者一覧

業者名 サービス内容
ヤマト運輸 追跡サイト、再配達の依頼、配達前の日時変更
佐川急便 追跡サイト
日本郵便 追跡サイト、再配達の依頼
カトーレック 追跡サイト
摂津倉庫 追跡サイト、再配達の依頼
ヤマトホームコンビニエンス 追跡サイト
SGムービング 追跡サイト
DHL 追跡サイト
ECMS 追跡サイト
デリバリープロバイダ TMG 追跡サイト、再配達の依頼、配達前の日時変更
SBS即配サポート 追跡サイト、再配達の依頼、配達前の日時変更
札幌通運 追跡サイト、再配達の依頼、配達前の日時変更
ファイズ 電話受付のみ
丸和運輸機関 電話受付のみ

 

連絡先

(参照:アマゾン「配達業者の連絡先」)

 

 

1-2 今までが便利すぎたのか

2時間ごとの時間指定や確実な配達、そして質の高いアフターサービスなどを実現していたヤマト運輸。宅配便の平均単価が578円とされるなか、ヤマトは半額程度でアマゾンの荷物を届けさせられていたと言われます。その結果、経営状況は悪化し、人手不足も相まって、ヤマトはアマゾンとの取引からの撤退を余儀なくされました。

 

一方、アマゾンは宅配単価を上げることなく、中小配送業者とも契約。大手と比べてアフターサービスの質や従業員を十分に確保することができず、遅延や商品未着などの問題が発生していると指摘されています。

 

デリバリープロバイダの一つであり、都内の当日配送を担当している丸和運輸は、今後、個人運送事業者を組織化して対象地域の拡大を狙っているとされます。すでに軽貨物自動車を数百台用意しており、年内には1000台まで拡大し、ドライバーは1000人確保する方針です。

 

 

1-3 不在時置き配サービスも利用可能

デリバリープロバイダのファイズでは、利用者が不在だった場合に、あらかじめ指定した場所に荷物を届ける「不在時置き配サービス」を利用することができます。

 

アマゾンによると、不在時置き配とは、購入者が配達時に不在だった場合に、指定の場所に商品を届けることで配達を完了するサービスです。Amazon.co.jpが発送し、ファイズが届ける商品が対象となります。

 

対象商品を注文する際、注文履歴に「不在時置き配」というボタンが表示され、クリックすると、希望の届け場所を指定することができるようになっています。

 

ファイズ

(参照:アマゾン「配送業者の連絡先」

 

また、不在時置き配を指定した場合でも、配達業者による在宅確認は行われるとのことです。

 

このほか、配達員が指定した場所を特定できなかったり、安全でない場所に指定されていると判断した場合には荷物を置くことなく持ち帰るようです。

 

 

2 自社配送システムの構築を着々と進めるアマゾン

米国アマゾンでは、配達業者との契約を打ち切り、自社配送に切り替える計画を進めています。

 

 

2-1 貨物輸送機を自社で用意

ドローン配達サービスである「アマゾンプライムエアー」に先駆けて、昨年、自社専用のボーイング製貨物輸送機20機のリース契約を締結。プレス向けに公開された機体には「プライムエアー」の文字が塗装されており、昨年4月より運用が開始されています。

 

飛行機

(▲「Prime Air」の文字が塗装された機体 / 出展:amazon)

 

 

2-2 米国内でドローンのテスト飛行を初成功させる

また、アマゾンは、今年3月、アメリカ国内にて無人航空機ドローンによる公共の場所での配達実験を初めて成功させました。

 

ドローン

(▲公共敷地内を飛行するドローン / 出展:amazon)

 

これまでは米連邦航空局(FAA)の規則によりドローンの飛行は私有地に限られていましたが、規則を一部変更することで限定的に飛行させることが可能となっていました。

 

実験では約2kg以内の荷物(日焼け止めなど)を届けることに成功したといいます。アマゾンは、昨年12月にもイギリス・ケンブリッジにてドローンでの商品配送に成功させていました※。

 

このほか、新鮮な食料品を自社配送により注文から最短4時間で届けるアマゾンフレッシュサービス※をアメリカ、日本、イギリスの3カ国で展開。アマゾン独自の配送網の構築は着実に拡大しています。

 

フレッシュ

(▲ニューヨークの街を走るアマゾンフレッシュのトラック / 出展:amazon)

 

これまで質の高い配達サービスに支えられていたことがわかったアマゾンの配送事情。自社配送網が完成するまで利用者が負担を強いられるのか、それともアマゾンが新たな配達サービスを打ち出すのでしょうか。

 

※ドローンで2kgの商品を配達する運用試験を実施。4km離れた顧客の家までわずか13分で配達を完了させた。現時点では、専用に建設されたドローン配送センターから3km〜5km圏内がドローン配送エリアになるとしている。

※肉、魚、卵、乳製品などの生鮮食品を注文から最短4時間で届けるとサービスで、午前8時から深夜0時までの間、2時間ごとの時間帯から指定可能。注文額が税込み6,000円以上の場合、配送料は発生しない。税込み6,000円未満の場合は、1回の注文あたり500円の配送料が発生するという仕組み。

 

 


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