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起業に役立つ資金調達法

新しく事業を始めるときに必要となる資金は大きく分けて2つあります。それが開業資金と運転資金です。
開業資金とは店舗や事務所借りるさいの敷金・礼金や、パソコン・コピー機・机・椅子などの事務機器費用などになります。設備資金ともいいます。

 

運転資金は事業を運営するのにかかるお金のことで、家賃・水道光熱費・人件費や商品の仕入れ費、宣伝費などが該当します。

 

業種によって異なりますが、開業したその日からお金が入ることは通常ありません。起業をするさいには、しっかりとした資金調達計画を立てるようにしましょう。

 

 

目次

  1. 1 まずは資金調達のプランを立てる
  2. 1-1 開業資金を用意する
  3. 1-2 運転資金を用意する
  4. 2 資金調達にはどんな方法がある?
  5. 2-1 自己資金を使う
  6. 2-2 民間の金融機関を利用する
  7. 2-3 公共の融資制度を利用する
  8. 2-4 他者からの出資を受ける
  9. 3 お金を借りるには細心の注意を!

 

1 まずは資金調達のプランを立てる

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資金調達は開業してからも続きます。起業時と通常の資金調達と違うのは、設備投資に必要なお金を集めなければならない点です。
つまり開業資金をどれだけ用意できるかによって、起こせる業種も変わってきます。

 

 

1-1 開業資金を用意する

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開業に必要な設備・機器は業種によってさまざまです。ノマドワークが定番化した近年はパソコンが一台あれば起業できる業種が増えました。ライター、Webショップ経営、Webエンジニア、コンサルタント、ユーチューバーなど自宅を会社にすれば比較的初期投資をかけずに始めることができます。

 

一方、飲食店や美容院など店舗を借りて行う業種は、内装工事費、施設利用料(保証金など)のほか、キッチンやテーブル、薬剤・衛生器材などの設備機器が必要です。他の業種と違って開業前に準備する設備機器が多く、必要最低限のモノを揃えないと事業を始めることができません。

 

また、タクシー会社やトラックなどの運送業は、開業時に営業車を何台用意できるかによって売上が変わります。軽トラックを1台しか用意できなかった場合と2台用意した場合とでは、単純に同じ時間で運ぶ荷物の量は2倍になりますし、売上も2倍です。

 

初期投資は多ければ多いほどいいというわけではないですが、開業時の設備投資にかける金額によって、自ずと業種や事業の幅は決まるものです。だからといって自己資金の全額を設備投資につぎ込むのは危険です。病気や怪我などいざというときに必要な最低限のお金は手元に残しておくべきです。

 

開業資金は、業種と事業の幅、そして自分の生活の3つのバランスをよく考えて準備しましょう。

 

・ 開業資金として準備しておきたい費用

費用 用途
店舗·事務所費用 敷金·礼金·共益費
仲介手数料
各種保険料(火災保険など)
前家賃(翌月分の家賃)
設備工事費用 建築工事
内装工事(空調·電気·水道など)
備品費用 車両
パソコン
コピー機·プリンター
電話機·FAX
レジ
仕入費用 商品の仕入
広告·宣伝費用 看板施工
広告制作料·広告掲載料
雑費 その他

 

 

1-2 運転資金を用意する

たとえば現金商売※と言われる飲食業の場合、オープン初日から満席になることもありますがまれです。一般的には固定客が定着し、事業が軌道に乗り始めるまでに半年はかかると言われています。

 

つまり運転資金は、十分な売上を確保するまでに必要な資金となります。会社同士の取引において売上を月末で締めて翌月に支払うことはよくあります。商品を売ったとしても現金化されるまで約2ヶ月のタイムラグが生じる場合もあります。

 

その間も仕入れ代金、家賃、水道光熱費、人件費などの固定費は発生するので、十分な運転資金を用意しておく必要があるのです。

 

※毎日、現金が入ってくる商売のこと。日銭商売とも言われる。

 

・ 運転資金として準備しておきたい費用

費用 用途
店舗·事務所維持費 家賃
水道光熱費
駐車場代
前家賃(翌月分の家賃)
通信費 回線使用料
プロバイダー料
人件費 給料
交通費
教育·研修日
仕入費 商品の仕入
広告·宣伝費 広告制作料·広告掲載料
雑費 その他

 

 

2 資金調達にはどんな方法がある?

開業にかかるお金を自己資金でまかなうのには限界があると思います。そこで、民間の金融機関や公共の融資制度などを利用するのが現実的な方法です。または投資会社から出資を受けたり、家族・友人からお金を借り入れたりする方法もあります。

 

・現実的な資金調達手段

 

手段 内容 メリット·デメリット
自己資金 ·自分の貯金、資産など ・ 借金をしなくて済む
・ 限度がある
民間の金融機関 ・ 地方銀行、信用金庫からの借り入れ
・ ノンバンクの利用
・ 審査が厳しい
・ 高金利
公共の融資制度 ・ 新規開業資金
・ 新創業融資制度
・ 女性、若者/シニア起業家資金の利用
・ 低金利
・ 融資機関が長い
・ 審査が優しい
他者からの出資 ・ 投資会社、個人投資家から投資を受ける
・ 社債の発行
・ 直接金融である
・ 低金利
・ 償還機関が長期

 

2-1 自己資金を使う

自己資金から開業資金を捻出する場合、まずは限度額を把握します。口座残高や退職金など現金はいくらまで用意できるのかを計算します。クルマやバイクなど現金に換えられるものも含めて結構です。

 

「開業資金の半分」を現預金でまかなえるのが理想と言われます。仮に500万円の開業資金が必要となる場合、250万円までを自己資金だけで用意します。ただし、前述した通り生活に必要な最低限のお金は残しておくべきでしょう。

 

自己資金が足りない場合、すぐに金融機関を頼るのではなくまずは開業に必要な資金を再度確認して節約できる項目はないかを見直しましょう。

 

 

2-2 民間の金融機関を利用する

大手銀行をはじめとする民間の金融機関からの借り入れは、取引をしたことがない小さな会社や個人事業主の場合、どうしても審査は厳しくなる傾向があります。
一方、地方銀行や、信用金庫、信用組合は借り入れやすい部類になります。

 

銀行から融資を受けるには、まず事業計画書を作成して担当者に事業の内容や今後の売上の見込みを説明します。担当者は事業計画の将来性や担保・保証人などの保全状況を総合的に判断します。審査を通ることができれば晴れて融資を受けることができます。

 

一般的に起業に必要な資金の3分の2までを限度として融資を受けることができます。

 

 

2-3 公共の融資制度を利用する

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小さな会社や個人事業主の起業にとって強い味方となるのが、公共の金融機関である日本政策金融公庫です。

 

金利が低く融資期間が長いことから中小企業を営む経営者の利用頻度が最も高い融資先となります。

 

また、女性や若者の起業を支援しようと新たに事業を始める人や事業開始後7年以内の人を対象に最高7200万円を融資する制度があります。このほかにも日本金融政策公庫では農業、林業、食品など業種別にさまざまな融資支援を行っています。

 

・日本政策金融公庫の融資制度の例

融資制度 融資対象 融資期間
普通貸付 事業を営む人(ほとんどの業種の人)を対象に最大4,800万円まで(特定設備資金は7,200万円まで) 設備資金:10年以内(2年以内)
特定設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金:7年以内(1年以内)
新規開業資金 新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人を対象に最大7,200万円まで 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金:7年以内(2年以内)
女性、若者/
シニア起業家支援資金
女性または30歳未満か55歳以上の人であって、新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人を対象に最大7,200万円まで 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金:7年以内(2年以内)
新創業融資制度 新たに事業を始める人または事業開始後で税務申告を2期終えていない人を対象に最大3,000万円まで 各融資制度に定めるご返済期間以内
青年等就農資金 新たに農業経営を開始する人を対象に最大3,700万円(特認は1億円)まで 12年以内(無利子)
食品貸付 食品関係の小売業·製造小売業を営む人で、店舗の新築·増改築、機械設備の導入、フランチャイズチェーンへの加盟などを行う人を対象に最大7,200万円まで 設備資金:20年以内(2年以内)

(参照:日本政策金融公庫

 

このほか、東京都をはじめとする地方自治体も起業支援を行っています。各自治体は民間の金融機関と連携して融資。制度融資を受けるには、民間金融機関同様、事業計画書を提出して審査を受ける必要があります。

 

・ 東京都の起業融資・助成制度

融資制度 融資対象 融資期間
女性·若者·シニア創業サポート事業 女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)で、都内における創業の計画がある方又は創業後5年未満の人を対象に最大1,500万円まで 返済期間10年以内
東京都中小企業制度融資『創業』 都内に事業所(個人事業者は事業所又は住所)があり、東京信用保証協会の保証対象業種を営む中小企業者※を対象に最大2500万円まで

設備資金:10年以内

運転資金:7年以内

創業助成金 創業を具体的に計画している方や創業後5年未満の中小企業者を対象に最大300万円まで 助成制度のため返済の必要はなし

(参照::東京都創業NET

 

※さらに次に要件に該当する者が対象となる。①現在事業を営んでいない個人で、創業しようとする具体的な計画を有している、②創業した日から5年未満である中小企業者等、③分社化しようとする会社又は分社化により設立された日から5年未満の会社。

 

 

2-4 他者からの出資を受ける

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ベンチャーキャピタルなど投資会社や個人投資家から出資を受ける方法になります。

 

投資では、投資家は企業に資金を提供して株式を取得し、企業の成長にあわせて配当金や株式売却によって利益を得ることができます。事業が成功しなければ配当もなく、株価も下がるため株式売却時に損をすることになります。

 

投資家※は、投資対象の事業に興味をもてるか、企業の成長プロセスを楽しめるか、社会貢献ができるかなどを判断基準に投資を行います。

 

そのため、投資を受ける際の審査のハードルは、民間金融機関から融資をうけるものとは比較できないほど高いといえます。将来的な株式上場が見込めるなど相当程度の成長性がある企業と判断されない限り、出資を受けることは難しくなります。

 

ベンチャーキャピタルによる投資は、直接金融であること自体がメリットですが、資本の充実方策や株式上場に関する相談、また、経営全般に関する相談などさまざまな情報提供を受けることができます。(参照:信金キャピタル株式会社

 

また、社債を発行して資金調達をする方法もあります。社債とは、債券の一種で会社が発行する国債と例えることができます。企業が個人向けの社債を発行して買ってもらうことでお金を集めることができます。少ない額を多数人から広く調達できることが特徴です。

 

社債は、期間中は購入者に対して利息を払い、一定期間後に現金で戻します。つまり会社の借金であり、社債を買った人は企業の債権者になります。従来、有限会社などは社債の発行ができなかったのですが、2006年の会社法改正により、株式会社だけでなく、合同会社、合名会社、合資会社なども社債を発行できるようになっています。

 

※起業家のスタートアップを助ける個人投資家のことをエンジェル投資家と言う。また、エンジェル投資を行う投資家は、投資額を課税対象となる所得または株式譲渡益から控除できるエンジェル税制を受けることができる。

 

 

3 お金を借りるには細心の注意を!

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これまで述べてきたとおり、開業資金を自己資金で賄えない場合、他者から借り入れるケースがほとんどです。

 

仮に民間の金融機関、公共の金融機関から借り入れることができなかった場合、消費者金融を利用することも考えられます。

 

消費者金融とは一般消費者向けの小口の融資を無担保で行っている金融機関になり、銀行などと比べて借りやすく、融資のスピードも速いのが特徴です。

 

しかし、消費者金融は基本的には小口融資が中心で、通常、事業性がある目的の個人事業主や中小企業には融資はしません。

 

通常の借り入れの場合、総量規制により個人の借り入れ総額は年収の3分の1までと定められています。さらに信用重視の観点から、初回に高額の借り入れはできないでしょう。

 

だからといって違法高利貸しのヤミ金に手を出してはいけません。会社経営以前の問題ですし、自己破産のきっかけにもなりかねないからです。

 

せっかく夢をもって起業するのですから、人を納得させるだけの事業計画書を作成し、正しい借り入れで会社を作るようにしましょう。

 

 


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