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拡大する電動アシスト自転車市場〜一家に一台となる日までそう遠くはない?

ヤマハ発動機によると2016年の電動アシスト自転車市場が12%の伸びを見せるとしており、市場は成長産業だと見方を示しました。
ヤマハの電動自転車「PAS(パス)」は市場全体の3割を占め、シニアや主婦層を中心に人気となっています。価格は12万円前後と安くはないですが、豊富なカラーバリエーションとサイズを取りそろえます。

 

現在国内の自転車の保有台数は自動車と同程度の7200万台で、緩やかに増加しています。健康志向を背景に一時は自転車ブームとなり、最近は人気が落ち着いたかに見える自転車業界。その現状を分析します。

 

 

目次

  1. 1 国内自転車の利用環境
  2. 1-1 日本は世界6位の自転車保有国
  3. 1-2 自転車分担率は世界でも高水準
  4. 2 ママチャリを除く自転車販売台数の急増
  5. 2-1 スポーツ車と電動アシスト車の売り行きが好調
  6. 2-2 日常的に利用する理由は「運動不足の解消」
  7. 3 EUで売れる電動アシスト自転車

 

1 国内自転車の利用環境

ヤマハ発動機のSPV事業部マーケティング部は、2016年の電動アシスト自転車※の販売台数は前年比112%の見通しであることを発表するなど、いまなお成長産業であることを強調しています。

 

国土交通省も、近年、ファッション性を重視した自転車や、同乗者(幼児など)を保護する製品が充実し、関連市場規模は拡大傾向にあるとします。

 

 

1-1 日本は世界6位の自転車保有国

警察庁資料によると、日本の自転車の保有台数は約7億6000万台で、自動車7億1500万台とほぼ同程度であることがわかります。
自転車を保有する人は1970年以降、右肩上がりに増え続け2010年以降も緩やかな伸びを見せます。

 

・ 自転車保有台数の推移

推移

(参照:警察庁「自転車施策をとりまく環境」)

 

また、人口当たりの保有台数を世界と比較すると、日本は1人当たり0.67台で世界で5番目となります。このほか1位はオランダの1.11台で、続いて2位ドイツで0.83台、3位デンマークで0.77台、4位スウェーデンで0.71台、6位フィンランドおよびイタリアで0.67台、8位フランスで0.45台、9位イギリスで0.38台、10位アメリカで0.38台となっています。

 

順位 国名 1人当たり保有台数
1 オランダ 1.11台
2 ドイツ 0.83台
3 デンマーク 0.77台
4 ノルウェー 0.71台
5 日本 0.71台
6 フィンランド 0.67台
7 イタリア 0.67台
8 フランス 0.45台
9 イギリス 0.38台
10 アメリカ 0.38台
11 中国 0.37台
12 韓国 0.36台

 

 

1-2 自転車分担率は世界でも高水準

また、通勤・通学のみに自転車を利用する人をあらわす自転車分担率は、世界と比較しても高い水準であることがわかります。1位オランダの27%、2位デンマーク19%に続いて、日本は3位で13%となります。

順位 国名 自転車分担率
1 オランダ 27%
2 デンマーク 19%
3 日本 13%
4 ドイツ 10%
5 オーストリア 9%
6 スイス 8%
7 ベルギー 7%
8 スウェーデン 7%
9 イタリア 5%
10 フランス 5%
11 イギリス 2%
12 アメリカ 1%

※ 電動アシスト自転車は、道路交通法上は自転車の一種と位置付けられ、指定のアシスト比率によって原動機付自転車とは明確に区別されている。道路交通法施行規則(昭和35年総理府令第60号)第1条の3によると、電動アシスト自転車のアシスト比率とは、「人がペダルを踏む力とモーターによる補助力の比(アシスト比率)が、走行速度時速10km未満では最大で1:2、時速10km以上時速24km未満では走行速度が上がるほどアシスト比率が徐々に減少、時速24km以上では補助力が0」と定められる。警察庁は当基準に適合しない製品は、道路交通法上の自転車ではなく原動機付自転車等に該当するとして、当該製品の使用を控えるよう促している。

 

 

2 ママチャリを除く自転車販売台数の急増

警察庁発表資料によると、ママチャリと呼ばれるシティ車・軽快車が緩やかな減少傾向にあるなか、スポーツ車、電動アシスト車の販売台数は近年急増していました。

 

 

2-1 スポーツ車と電動アシスト車の売り行きが好調

2003年と比較すると、電動アシスト自転車は約1.8倍、スポーツ車は約3.5倍に伸びています。

 

・自転車販売台数の推移

販売台数

(参照:警察庁「自転車施策をとりまく環境」)

 

電動アシスト自転車が急増した背景についてJETROは、「2009年に『幼児二人同乗用自転車』の基準に適合した自転車であれば、三人乗りが合法となったこと」が大きいとし、「この後各社から、電動アシスト3人乗り自転車が発売され、大きな売り上げとなっている」と述べました。(参照:JETRO「拡大が期待される欧州の電動アシスト自転車市場」)

 

 

2-2 日常的に利用する理由は「運動不足の解消」

国土技術政策総合研究所が自転車を日常的に利用する理由をアンケート調査したところ、「所要時間が短いまたは一番早く目的地にいける」が71%で最も多くなりました。ついで「運動不足解消になり健康に良い」が72%、「交通費・ガソリン代が節約できるから」が41%となりました。

 

理由内容 割合
所要時間が短いまたは一番早く目的地に行ける 71%
運動不足解消になり健康によい 42%
交通費・ガソリン代が節約できるから 41%
移動中の立ち寄り等に便利 40%
目的地が自転車で行きやすい 39%
自転車に乗るのが好き 21%
クルマを持っていない 20%
移動経路が自転車で走りやすい 19%
気分転換・ストレス解消になる 17%
災害等で公共交通が止まっても移動できる 10%
エコ活動に取り組みたいから 9%
目的地から帰る際、天気が悪いとき代わりの交通手段が確保されている 5%
その他 6%

 

都内を中心にロードバイクやクロスバイクといったスポーツ自転車が人気となっている理由としては、若者がファッションアイテムとして取り入れるほか、人気アニメの影響なども指摘されました。

 

 

3 EUで売れる電動アシスト自転車

電動アシスト自転車が好調なのは日本だけではありません。日本貿易振興機構のJETROによればEU内で売れ行きが最も多いドイツでは20万台から31万台と販売台数を伸ばし、2位のオランダでも前年比7000台増となりました

 

・EUにおける電動アシスト自転車(EPAC※)の売り上げ台数

  2010年 2011年
ドイツ 20.0万台 31.0万台
オランダ 17.1万台 17.8万台
イタリア 5.0万台 5.0万台
フランス 4.0万台 4.0万台
オーストリア 2.0万台 3.5万台
デンマーク 3.0万台 3.0万台
イギリス 3.0万台 2.0万台
スペイン 1.5万台 2.0万台
スウェーデン 1.5万台 1.5万台
ボルトガル 5千台 5千台
ベルギー 5千台 5千台
フィンランド 5千台 5千台

(参照:JETRO「拡大が期待される欧州の電動アシスト自転車市場」)

 

急成長した理由については、消費者に電動アシスト自転車の質の高さが伝わったこと、バッテリー技術や車体性能が向上したこと、斬新なデザインが受け入れられたことなどが挙げられました。

 

北欧や先進諸国を中心に広がりを見せる電動アシスト自転車。一家に一台まで普及する日も遠くないかもしれません。

 

※ EPACはElectronically Power Assisted Cyclesの略。

 

 


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