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減少するラジオ聴取数、曜日によっては聴取率0%の時間も

若者のテレビ離れが嘆かれる昨今。インターネットメディアの発達のスマートフォンの普及により家族と一緒にテレビ見て過ごす時間が少なくなったと度々話題にあがります。

 

しかし、本当に嘆かれるべきは“テレビ離れ”ではなく“ラジオ離れ”かもしれません。

 

NHKの国民生活時間調査報告書によれば、1日の中でラジオを聴いている人の割合は1995年から減少がつづき、2015年では12%、土日に限ると10%となります。
さらに10代女子に限れば土曜日の聴取率が0%になるなど、若者のラジオ離れは加速しています。

 

災害時には情報インフラとして重宝されるラジオ。このままラジオを聴く人はいなくなってしまうのでしょうか。

 

 

目次

  1. 1 若者のラジオ離れ加速
  2. 1-1 ラジオを聴く10代、わずか2%
  3. 1-2 10代女性の土曜日の聴取率0%
  4. 2 ラジオのメインリスナーは高齢者!?
  5. 2-1 若者と高齢者のラジオ行為率逆転
  6. 2-2 高齢化が進むラジオ聴取層
  7. 3 職業別では農林漁業者がトップ、ついで無職
  8. 3-1 農林漁業者の平均聴取時間53分
  9. 3-2 ラジオが欠かせないメディアであるために

 

1 若者のラジオ離れ加速

NHK放送文化研究所がまとめる「国民生活時間調査」は日本人の日常生活の実態を「時間」で分析、1960年から5年ごとに調査・発表を行っています。
2015年版の報告書によると、1日の中でラジオを聴いている人(以下、ラジオ行為者と呼ぶ)の割合は、平日12%、土曜日・日曜10%となります。

 

また、1日のうちラジオを聴く平均時間は、平日2時間44分、土曜日2時間30分、日曜日2時間37分となります。
ラジオ行為者数は1995年から減少しており、聴取時間も減少傾向にあります。

 

 

1-1 ラジオを聴く10代、わずか2%

男性のラジオ行為者を年齢別に見ると、2015年の平日における10代の行為者率(聴取率)はわずか2%にとどまりました。このほか20代は4%、30代は7%、40代は10%、50代は11%、60代は17%、70代以上20%とつづきました。

 

年齢層があがるにつれて行為者率はあがりますが、70代以上を除くすべての世代で行為率は過去最低を更新しています。

 

・ 男性の年齢別ラジオ行為率と推移(平日)

  1995年 2000年 2005年 2010年 2015年
10代 9% 6% 4% 3% 2%
20代 15% 13% 11% 4% 4%
30代 18% 12% 10% 10% 7%
40代 19% 18% 14% 14% 10%
50代 23% 20% 16% 14% 11%
60代 22% 19% 24% 20% 17%
70代以上 16% 18% 21% 23% 20%

 

行為時間は60代と70代以上が32分と最も長く、ついで40代19分、30代および50代13分、20代6分、10代1分となります(いずれも平日)。ほとんどの世代で行為時間が年々短くなるなか、70代以上では1995年時よりも10分長くなったのが特徴的といえます。

 

 

1-2 10代女性の土曜日の聴取率0%

一方、女性のラジオ行為率も減少しています。平日における10代女性では2%、20代では3%にとどまります。このほか30代6%、40代8%、50代14%、60代20%、70代以上22%となりました。

 

・ 女性の年齢別ラジオ行為率と推移(平日)

  1995年 2000年 2005年 2010年 2015年
10代 12% 7% 6% 1% 2%
20代 12% 11% 7% 4% 3%
30代 13% 12% 10% 5% 6%
40代 22% 16% 14% 7% 8%
50代 24% 22% 21% 14% 14%
60代 19% 23% 25% 25% 20%
70代以上 14% 13% 18% 23% 22%

 

また、男女ともに土曜日・日曜日になるとラジオ行為率はさらに下がる傾向です。とくに10代女性では土曜日の行為率は、前年比3ポイント減の0%となりました。20代女性でも1%と厳しい数字です。一方、10代男性の土曜日の2015年行為率は2%ですが、2010年時では0%でした。

 

また、行為時間は70代以上が37分と最も多く、ついで60代32分、50代24分、40代11分、30代9分、20代4分、10代2分となりました。70歳以上では、男性のケースと同様、1995年時よりも行為時間が10分以上伸びています。

 

報告書は、ラジオ聴取時間について、

 

「国民全体の平日のラジオ聴取時間(全員平均時間20分)のうち、ほかのことをしながら聴いている「ながら」聴取は14分、ラジオ聴取だけをしている「専念」聴取は6分で、全聴取時間 の7割が「ながら」聴取である。メディアの中で「ながら」聴取が多いことがラジオの大きな特徴で、今回も傾向は変わっていない」(参照:NHK放送文化研究所「国民生活時間調査」より)

 

と述べました。

 

 

2 ラジオのメインリスナーは高齢者!?

若者の聴取率が減少するにつれて、メインリスナー層は次第に60代以上に移り変わっていきました。

 

 

2-1 若者と高齢者のラジオ行為率逆転

1975年、16~19歳で約40%あったラジオ行為率は、20年で13%にまで減少し、2015年には2%となりました。
一方、60代、70代は1975年の約15%から大きく変化はなく、2015年現在では15~20%におさまります。

 

1995年にはすでに60代以上の行為率が若者を上回っており、右肩下がりだったグラフの形状も完全に逆となりました。

 

・1975年~1985年のラジオ行為率

1976

 

・1995年~2015年のラジオ行為率

1995年

(参照:NHK放送文化研究所「国民生活時間調査」より)

 

 

2-2 高齢化が進むラジオ聴取層

ラジオのメインリスナー層の年齢の移り変わりについて、報告書では、

 

「1975年から10年ごとの年層別の行為者率をみると、1975年は16~19歳が突出して高く、1985年 になると16~19歳が低下して、40代までが同程度でよく聴いていた。1995年には50代の行為者率が最も高く、2005年は60代、今回は70歳以上と、調査年の経過とともにラジオを聴く人が多い層は徐々に高い年層へと推移し、高齢化が進んでいる」(参照:NHK放送文化研究所「国民生活時間調査」より)

 

と述べられました。

 

 

3 職業別では農林漁業者がトップ、ついで無職

行為者を職業別にみると、平日では農林漁業者が24%と最も高く、ついで無職20%、主婦16%、自営業者15%、会社員等15%、学生2%となります。

 

・ 職業別ラジオ行為率と推移(平日)

  1995年 2000年 2005年 2010年 2015年
農林漁業者 18% 16% 21% 34% 24%
自営業者 24% 16% 21% 14% 15%
会社員等 18% 16% 14% 11% 10%
主婦 18% 18% 18% 16% 16%
無職 18% 18% 20% 22% 20%

学生

11% 7% 6% 3% 2%

 

 

3-1 農林漁業者の平均聴取時間53分

学生の平均行為時間が1分であるのに対して、農林漁業者は53分と最長です。ついで、自営業者36分、無職34分、主婦25分、会社員等14分とつづきます(いずれも平日)。

 

男女の50代以下では別の作業をしながらラジオ聴く「ながら」聴取のスタイルが8割を超えており、報告書は、

 

「職業別では、農林漁業者、自営業者、主婦の「ながら」聴取時間が長い。農林漁業者と自営業者は仕事をしながら、主婦は家事をしながら聴いている」

 

と述べました。

 

 

3-2 ラジオが欠かせないメディアであるために

この通り、ラジオを聴く人は減少し、おもなリスナー層は高齢者へと移り変わりましたが、その存在意義は依然として大きいとの見方が強くあります。
東日本大震災時には改めて非常時における情報入手手段として評価されました。その後の世論調査でも災害時における備えとして携帯ラジオを準備している人は約6割にのぼります。

 

まだまだ国民に必要とされているラジオ。災害時だけではなく、娯楽を提供するツールとして再び盛り返しを期待するファンも少なくありません。

 

 


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