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話題の「地方で起業」その実態は?

 

都会での生活に疲れ、スローライフに憧れる若者が急増しています。若者の憧れといえば、流行の中心地である東京でバリバリ働くことでしたが、それも今や昔のこと。会社の歯車としてあくせく働くことよりも、精神的にゆとりを持って働くことが重視される時代になりました。

 

「地方で起業しよう」と謳うメディアが増えてきたのも、そういった背景があるからでしょうか。確かに地方は東京と比べて生活費が安く、自然環境も豊かで人もやさしいかもしれません。のんびりと仕事をしたい人には向いている気もします。

 

しかし、うまい話には必ず裏がありますよね。自然はあるかもしれないけど、肝心の仕事は? 地方で起業するメリットはよく聞くけどホントのところはどうなの? など、気になる地方での仕事と起業の実態を検証してみました。

 

目次

  1. 1 地方に仕事はない!?
  2. 2 よくある「地方での起業のメリット・デメリット」は本当か
  3. 3 実際に地方で起業した人の本音
  4. 4 決して簡単にはいかない、地方での起業
  5. 5 現地の人とのふれあいを楽しめるかどうか

 

1 地方に仕事はない!?

首都圏や大阪・名古屋・福岡などの大都市と比較すれば、地方の仕事の数や種類は少ないです。東京には外資系、コンサル系、IT系の会社は無数にありますが、地方はほぼ皆無でしょう。

 

しかし、地方には都会にはない仕事があります。代表的なのが農業、林業、漁業などの第一次産業です。 政府も地方創生プロジェクトの一環として、若者と第一次産業をマッチングさせようとしています。後継者不足に悩んでいる農家も若者の移住・定住を望んでおり、政府がそれを支援している形です。

 

第一次産業以外にも地方には地方独特の需要があります。

 

たとえば北陸地方はもともと有効求人倍率が高い地域であり、全国3位の福井県は眼鏡や繊維など労働集約型の製造業が盛んで、男女を問わず安定的に求人があります。(参照:農林中金総合研究所「地域別にみた求人倍率の最新動向」

 

求人倍率

 

一方、東海地方は介護など医療・福祉系の求人が増えているほか、宿泊・ 飲食サービス業の需要が高まっています。世界遺産である岐阜県・白川郷が外国人観光客の間で人気となっているためです。

 

このほか、各地方とも少子高齢化の進行で医療・福祉の求人が増えています。東京を除く首都圏の求人倍率よりも、地方のほうが高いことも多いようです。

 

地方には、テレビドラマに出てくるようなおしゃれな仕事はないかもしれませんが、雇用のポテンシャルは低くないことがわかりました。

 

2 よくある「地方での起業のメリット・デメリット」は本当か

地方にも十分仕事があることがわかりましたが、起業するのに向いているかどうかを検証してみました。以下は、地方で起業するメリットによく挙げられるものです。

 

・家賃や人件費など固定費が安い

 

・会社が有名になりやすい

 

・通勤時、満員電車に乗らなくてすむ

 

オフィスのレンタル料などは、都心に比べたら断然安いでしょう。 また田舎地域になるほど、そこでの起業は地元住民にとってめずらしいので、有名になりやすいようです。

 

満員電車とも無縁の関係ですし、そもそも列車本数が少ないので田舎ではマイカー通勤が当たり前です。

 

一方、地方での起業のデメリットはこのようになります。

 

・物を売るのには向いてない

 

・新しいモノを受けいれづらい

 

・地元住民との人付き合い

 

地方や田舎の最大のデメリットはその人口の少なさです。人口が少なければ消費も少ないので、物が売れません。

 

また田舎の特性として新しいモノを好まず、保守的であることもデメリットの要因となります。東京では毎日のように新しいモノが生まれては消費されますが、地方は違います。地方では衣・食・住の基本的な生活スタイルが重視されるため、新しい変化を望まない傾向にあるからです。

 

さらに、地元住民、とりわけご近所付き合いが悩みの種になるかもしれません。田舎の人はどのような人が来てもウェルカムだと思われがちですが、そうでもありません。京都人が排他的なのは昔から有名ですし、日本全体を見ても移民など外から来る人を警戒なしには受け入れない体質があります。

 

3 実際に地方で起業した人の本音

 

琉球インタラクティブ

 

2009年に設立されたITベンチャー企業「琉球インタラクティブ」は、東京ではなく地方で起業した理由についてこう語っています。

 

「東京での起業は、資金さえあれば選択肢も人材も数多く手に入れられますが、私たちITスタートアップは資金力もなく、競合にすぐ埋もれてしまう。そのため起業は最初から地方と決めていました」

(参照:沖縄の「IT人材不足」を解消 地方起業成功のモデルケース

 

起業当時はリーマン・ショック後のため、支援してくれる投資会社がなく、東京で資金調達するのが困難だったようです。競合が少なく、固定費も安い沖縄で企業したのは賢い選択だったかもしれません。

 

また、沖縄ではないですが、積極的にITベンチャーを誘致している地域があります。

 

地方再生

 

徳島県の神山町では、東京、大阪に本社を置く9つのIT関連企業が古民家をサテライト・オフィスとして活用しています。サテライト・オフィスとは、本社と離れた場所に設置されたオフィスです。 徳島県は全国でも屈指のブロードバンド環境を整えていることが有名で、県内のほぼ全域で光回線を利用できます。

 

IT企業はインターネットを利用して仕事のほとんどを行えるため、オフィスが物理的に離れていても大きな問題にはならないようです。(参照:地方創生プロジェクト「田舎でも起業できる!IT系の仕事の魅力って?」

 

4 決して簡単にはいかない、地方での起業

 

仕事をするにも起業をするにも、移住先で地元の人と打ち解けられるかは重要な問題となります Uターン起業者のなかには、自分の出身地であっても再び溶け込むのに時間がかかったという声がよく聞かれます。自分と何のゆかりもない場所で起業するとなればなおさらです。

 

だからもし地方で起業するのなら、都会で起業するよりも、時間をかけて準備しなければなりません。一般的に、起業するまでの準備期間は最低でも2年間といわれます。成功している起業家の多くが、準備期間として平均して約2年かかっているからだそうです。

 

では、準備期間で何をすればよいかというと

 

・起業の勉強

 

・ビジネスモデルの構築

 

・現地調査

 

最低でもこの3つは必要でしょう。とくに3現地調査が重要です。起業前に現地に赴き、さまざまな情報収集に加えて、現地の人と実際の交流を深めておかなければなりません。

 

5 現地の人とふれあいを楽しめるかどうか

 

農家

 

もちろん、地方の人がみんながみんな排他的ではありません。先に挙げた沖縄のITベンチャー「琉球インタラクティブ」代表取締役の白井隆秀氏はこう語っています。

 

「県外から移住してきた自分を快く受け入れて支援してくれた自治体や公的支援機関、そして地域の人々との共生こそが、今の成長の原動力です」

(参照:沖縄の「IT人材不足」を解消 地方起業成功のモデルケース

 

また、都会から東北地方に移住した元技術者は、田舎の人の県民性について次のように語っています。

 

「僕は社会人になるまで、東京、大阪と都会で育ってきました。田舎に移住して感じたのが、すげぇ僕のこと助けてくるじゃん!っていうことです。世話好きと言うか、おせっかいと言うか。地方に住んでいる人はこういう人、都会に住んでいる人はこういう人…というカテゴライズが無意味なのはわかっています。ただ、明らかに都会よりも人との距離が近いと感じました。お互いがさらけ出すプライベートな部分の割合が多いのです。」

(参照:Recommend Tank「田舎の起業に転職して」

 

地方での起業は成功が約束されているわけでもなく、いいことばかりでもないことがわかりました。むしろ都会よりも苦労することが多そうです。 しかし、同時に、地方で起業している人の多くが高いモチベーションと突き抜けた行動力を持っていることが分かりました。

 

最近はテレビ番組や映画、またはアニメの影響で農業を志願する若者も多いと聞きます。

都会の喧騒から離れて田舎でのんびりと起業したい??その気持ちも分かりますが、地方で起業し、かつ経営を成功させたいのなら、消極的な動機だと長くは続かないかもしれないですね。

 


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