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国民医療費42兆円で過去最高を更新

厚生労働省は9月、病院など医療機関における保険診療の対象となった病気や怪我の治療にかかった費用である最新(平成27年度)の国民医療費が42兆3644億円で過去最高を更新したと発表しました。

 

前年度に比べ1兆5,573億円(3.8%)の増加となり、人口1人当たりに換算すると33万3,300円となりました。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は、前年度より0.8ポイント上昇して7.96%となりました

 

また、都道府県別に見ると、東京都が4兆1433億円で最も高く、次いで大阪3兆2193億円、神奈川2兆7186億円と続きました。

 

健康づくりについては、生活習慣病が死亡原因の6割を占め、国民の健康に対する大きな脅威となっています。
高齢化や高齢者の増加を背景に国民医療費は増加の一途を辿っています。

 

 

1 国民医療費9年連続増加

国民医療費は、医療のために支出される費用のことであり、通常の妊娠・出産にかかる費用、健康診断、予防接種等にかかる費用、身体障害のために必要とする義足などの費用も含まれません。

 

 

 

1-1 前年度比1.5兆円増える

平成27年度の国民医療費は9年連続増加で42兆3,644億円となり、過去最高を更新しました。国民医療費は平成18年度以降、毎年1兆円規模で増加し続けており、対前年度比では1兆5,573億円の増加でした。

 

・ 国民医療費の推移

国民医療費 増減率
平成18年度 33兆1276億円 0.0%
平成19年度 34兆1360億円 3.0%
平成20年度 34兆8084億円 2.0%
平成21年度 36兆0067億円 3.4%
平成22年度 37兆4202億円 3.9%
平成23年度 38兆5850億円 3.1%
平成24年度 39兆2117億円 1.6%
平成25年度 40兆0610億円 2.2%
平成26年度 40兆8071億円 1.9%
平成27年度 42兆3644億円 3.8%

(厚生労働省発表資料より作成)

 

 

 

1-2 対GDP比10%も近い

国内総生産(GDP)に対する国民医療費の割合は7.96%となり、過去最高を更新しました。対GDP比は、平成5年に5%を突破してから微増し続け、平成14年に6%を突破、平成21年に7%を超えました。

 

少子高齢化を背景に国民医療費は膨らみ続ける一方、生産年齢人口の減少とともに労働力が縮小しており、次年度には8%超えも確実視されています。

 

また、国民所得(GNP)に対する国民医療費の割合は10.91%となり、過去最高となりました。対GNP比では、平成21年に10%を突破し今後も高まることが予想されます。

 

・ 国民医療費の対GDP、GNP

国民医療費 対GDP比 対GNP比
平成18年度 33兆1276億円 6.26% 8.44%
平成19年度 34兆1360億円 6.43% 8.70%
平成20年度 34兆8084億円 6.83% 9.56%
平成21年度 36兆0067億円 7.32% 10.19%
平成22年度 37兆4202億円 7.50% 10.34%
平成23年度 38兆5850億円 7.81% 10.77%
平成24年度 39兆2117億円 7.93% 10.90%
平成25年度 40兆0610億円 7.90% 10.71%
平成26年度 40兆8071億円 7.88% 10.79%
平成27年度 42兆3644億円 7.96% 10.91%

(厚生労働省発表資料より作成)

 

推移

(出展:医療法人社団 健育会グループ)

 

 

2 後期高齢者医療給付分は14兆255億円

国民医療費は制度区分上、「公費」「保険料」「その他」の3つに分けることができます。

 

公費 公費負担医療制度、医療保険制度、後期高齢者医療制度等への国庫負担金及び地方公共団体の負担金
保険料 医療保険制度後期高齢者医療制度、労働者災害補償保険制度等の給付費のうち、事業主と被保険者が負担すべき額
その他 患者負担及び原因者負担(公害健康被害の補償等に関する法律及び健康被害救済制度による救済給付等)

(参照:厚労省)

 

 

2-1 後期高齢者医療給付分の増加が最大

制度区分別では、医療保険等給付分19兆8284億円が最も多く、全体の46.8%を占めました。次いで、75歳以上が対象となる後期高齢者医療給付分が14兆255億円(同33.1%)、患者等負担分5兆2042億円(12.3%)、公費負担医療給付分3兆1,498億円(7.4%)となりました。

 

前年度との比較では後期高齢者医療給付分の増加率が4.7%と最も大きくなりました。次いで医療保険等給付分3.7%、公費負担医療給付分3.6%、患者等負担分2.7%と続きました。

 

平成27年度 平成26年度 対前年度比
公費負担医療給付分 31498 30390 3.6%
医療保険等給付分 198284 6.43% 3.7%
後期高齢者医療給付分 140255 6.83% 4.7%
患者等負担分 52042 7.32% 2.7%
軽減特例措置 1565 7.50% △16.3%
 計 423644 7.81% 3.8%

(厚生労働省発表資料より作成)

 

 

2-2 財源は保険料が半分近くに

財源別では「公費」が16兆4715億円で前年度より3.9%増加しました。このほか、「保険料」は20兆6746億円で前年度より4.0%増加、「その他」は5兆2183億円で2.7%の増加でした。

 

平成27年度 平成26年度 対前年度比
公費 164715 158525 3.9%
 国庫 108699 105369 3.2%
 地方 56016 53157 5.4%
保険料 206746 198740 4.0%
その他 52183 50806 2.7%
 計 423644 408071 3.8%

 

また、「公費」のうち「国庫」は10兆8699億円で前年比3.9%増加、「地方」は5兆6016億円で、前年比5.4%の増加は最大でした。

 

 

3 65歳以上の医療費が全体の約6割

国民医療費を年齢階級別に見ると、65歳以上が25兆1276億円で、全体の59.3%を占めて最も多くなります。ついで45〜64歳で9兆3810億円(同22.1%)、15〜44歳で5兆3231億円(12.6%)、0〜14歳で2兆5327億円(6.0%)と続きました。

 

 

 

3-1 65歳以上の一人当たり医療費74万円

人口一人あたりの医療費では、65歳以上が74万1900円、65歳未満が18万4900円となっており、4倍以上の差があることがわかります。なお、45〜64歳は28万4800円、15〜44歳は12万100円、0〜14歳は15万8800円となります。

 

平成27年度 平成26年度
65歳未満 184900 179600
 0〜14歳 158800 153000
 15〜44歳 120100 116600
 45〜64歳 284800 278300
65歳以上 741900 724400
 70歳以上 840000 816800
 75歳以上 929000 907300

(厚生労働省発表資料より作成)

 

 

3-2 東京都ダントツ1位の4兆円

都道府県別に国民医療費を見ると、東京が4兆1433億円で最も高くなります。次いで、大阪(3兆2193億円)、神奈川(2兆7816億円)、愛知(2兆2468億円)、北海道(2兆1184億円)、埼玉(2兆1139億円)、福岡(1兆9353億円)、
兵庫(1兆9114億円)、千葉(1兆8118億円)、静岡(1兆1414億円)と続きます。

 

都市部ほど総額の国民医療費が高くなる傾向にあることがわかります。また、最も少なかったのは鳥取県で2000億円、次いで島根(2628億円)、福井(2635億円)、山梨(2772億円)、徳島(2968億円)、高知(3233億円)、佐賀(3269億円)、富山(3557億円)、和歌山(3607億円)、香川(3727億円)となりました。

 

・ 都道府県別 高額国民医療費トップ10

順位 都道府県名 国民医療費
1 東京都 4兆1433億円
2 大阪府 3兆2193億円
3 神奈川県 2兆7816億円
4 愛知県 2兆2468億円
5 北海道 2兆1184億円
6 埼玉県 2兆1139億円
7 福岡県 2兆1139億円
8 兵庫県 1兆9114億円
9 千葉県 1兆8118億円
10 静岡県 1兆1414億円

(厚生労働省発表資料より作成)

 

 

3-3 都道府県別1人あたりでは高齢化が進む地域ほど高額

一方、一人あたりの国民医療費を都道府県別に見ると、高齢化率が高まっている地方ほど、高額であることが分かります。

 

最も高かったのは高知県で、一人当たり44万4000円でした。次いで、長崎(41万1100円)、鹿児島(40万6900円)、山口(39万9200円)、大分(39万6200円)、北海道(39万3600円)、徳島および佐賀(39万2500円)、熊本(38万9300円)、香川(38万1800円)となりました。

 

・ 都道府県別 一人当たり国民医療費トップ10

順位 都道府県名 国民医療費
1 高知県 44万4000円
2 長崎県 41万1100円
3 鹿児島県 40万6900円
4 山口県 39万9200円
5 大分県 39万6200円
6 北海道 39万3600円
7 徳島県 39万2500円
8 佐賀県 39万2500円
9 熊本県 38万9300円
10 香川県 38万1800円

(厚生労働省発表資料より作成)

 

進む少子高齢化。厚労省は8月、2018年度の社会保障費予算の概算要求について、過去最大となる31兆4298億円におよんだことを発表。総額では4年連続となる101兆超えとなりました。
膨らむ医療費に歯止めをかけることはできないのか。今後、政府動向に注目です。

 

 


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