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タクシー初乗り運賃値下げで利用者36%増加 〜日本のタクシー料金を世界と比べてみた〜

国土交通省は、5月、タクシーの初乗り運賃を410円に引き下げた効果についてサンプル調査を行ったところ、初乗り利用回数が36%増加したことを発表しました。

 

国交相は今年1月末に、短い距離を利用したいとのいわゆる「ちょい乗り」需要に応える目的で、初乗り2キロメートルあたり730円だった料金を1キロメートルあたり410円に引き下げていました。

 

近年、タクシーの利用者が減少しており、国際的にみても日本の初乗り運賃は高いとの指摘があったことが背景です。
新たなターゲット層として若者や主婦、高齢者などを取り込むことに成功したと言えるのでしょうか?

 

 

目次

  1. 1 410円以下の利用回数、36%増加
  2. 1-1 運送収入は全体で3%の増加
  3. 1-2 現運賃と旧運賃の比較
  4. 2 世界タクシー料金比較〜1000円でどこまでいける?〜
  5. 2-1 首位のインドでは注意が必要
  6. 2-2 最下位オランダでは相乗りサービスで料金値下げ

 

1 410円以下の利用回数、36%増加

調査は、都内のタクシー事業主19社、1193両を対象に行われました。1月末の導入後14日間(1月30日〜2月12日)の調査では、新初乗り運賃である410円以下の利用回数は約29%の増加でしたが、導入後2か月間(1月末〜3月末)では約36%増加しました。

 

  走行距離2km以下
410円 490円 570円 650円 730円 小計
昨年同時期 1.4回 1.2回 1.5回 1.7回 1.7回 5.9%
導入後2カ月間 1.9回 1.5回 1.8回 1.9回 1.8回 8.9回
増減率 35.7% 25.0% 20.0% 11.8% 5.9% 18.7%

(参照:国土交通省 報道資料5月19日付

 

 

1-1 運送収入は全体で3%の増加

導入後2ヶ月間の運送収入については、走行距離2km以下で5260円となり、昨年同時期との比較で7.3%減少しました。
しかし、走行距離2.0km〜6.5kmでは、20129円で3.3%増加し、走行距離6.5kmでは24197円で4.7%増加しました。
また、走行距離6.5km以上を含めた全体の運送収入では4956円となり、2.8%増加しました。

 

走行距離 導入後2ヶ月間の収入 昨年同時期 増減
0〜2km 5,260円 5,672円 −7.3%
2.0km~6.5km 20,129円 19,481円 +3.3%
6.5km〜 24,197円 23,104円 +4.7%
全体 49,586円 48,257円 +2.8%

(参照:国土交通省 報道資料5月19日付

 

 

1-2 現運賃と旧運賃の比較

現運賃では、約2kmまでの利用なら従来より値下げになります。しかし、約2kmから約6.5kmまでの運賃は引き下げになる部分と引上げになる部分に分かれ、6.5km以上になると値上げとなります。つまり、現運賃システムは利用者にとって長距離利用には向いておらず、短い距離を多頻度で利用するお客にとってトクな料金体系となります。

 

  1km 1.5km 2km 4km 9km 15km 30km
現運賃 410円 570円 730円 1,450円 3,130円 5,130円 10,250円
旧運賃 730円 730円 730円 1,450円 2,980円 4,960円 9,730円
増減 -320円 -160円 ±0円 ±0円 +150円 +170円 +520円

 

 

2 世界タクシー料金比較〜1000円でどこまでいける?〜

旅行に関する統計データを専門に扱うウェブサイトのトリップアドバイザーによると、世界の26主要都市で1000円で何キロメートル移動できるかを調査した結果、最も移動距離が大きかったのはインド・デリーで87.0kmでした。
また、日本は下から2番目で2.9km、最下位はオランダ・アムステルダムで2.7kmでした。

 

タクシー

 

・ 1000円あたりの移動距離 上位13カ国

順位 都市名 距離
1 インド・デリー 86.960 km
2 タイ・バンコク 55.399 km
3 ベトナム・ホーチミン 45.729 km
4 メキシコ・メキシコシティ 46.564 km
5 フィリピン・マニラ 43.277 km
6 中国・北京 35.410 km
7 シンガポール・シンガポール 26.538 km
8 韓国・ソウル 18.159 km
9 台湾・台北 16.411 km
10 トルコ・イスタンブール 13.871 km
11 ロシア・モスクワ 10.000 km
12 南アフリカ共和国・ヨハネスブルグ 9.650 km
13 アメリカ・ニューヨーク 8.403 km

(参照:トリップアドバイザー「世界主要都市のタクシー料金比較」)

 

 

2-1 首位のインドでは注意が必要

東京から栃木県栃木市が約90kmなので、栃木まで1000円で移動できると考えると破格の安さといえるのではないでしょうか。ちなみに日本のタクシーで同じ距離を移動した場合、約3万5千円となります。

 

インドでは日本と違い、流しのタクシーが少ないため基本的に電話などによる予約制が採用されています。空港や駅を降りると利用客を待っているタクシーも多いですが、原則利用しないように注意が必要だと在日インド大使館は呼びかけています。

 

「空港からタクシーやバスを利用する邦人旅行者が色々な被害にあっています。空港で声をかけてくるタクシーには絶対乗らないようにして下さい。空港からタクシーで直接悪質な旅行会社に連れていかれ強引に法外な値段で劣悪なホテルを留保され、更に無理矢理法外なインド国内ツアーを組まれ、渡航延期勧告が出されている危険地域のカシミール地方へ送られるケースもあります」(参照:在日インド大使館ホームページ

 

インドでは、タクシー利用に関するトラブルが非常に多く、事件に発展することも少なくないため、タクシーはプリペイド・タクシーのナンバーを指定されたタクシーに乗るなどの対策が必要です。

 

このほか、

 

「タクシー運転手は旅行者が事前にホテルを留保していても『あなたが予約したホテルは満室だ』など色々な理由を述べ悪質な旅行会社に強引に連れて行くことがありますので、その場合は断固として断り、取り合えず予約を入れているホテルまで送ってもらうことです。駅前などには、インド観光局の者と言って近寄ってくる者もいますが、インド政府職員が声をかけてくることは絶対ありません」

 

といった注意も呼びかけています。

 

また、大使館ホームページではプリペイド・タクシー※の乗り方も案内されています。インドでのタクシー利用を考えている人は一度チェックしておいたほうがいいでしょう。

 

・ プリペイド・タクシーの乗り方

プリペイド

 

プリペイド・タクシーでは、空港に待機しているプリペイド・タクシーも悪徳旅行者と組んでいる場合もあるが、タクシーの番号が記録されているという点で多少は安全だが番号は記憶しておくと良いと在日大使館はコメントしている。プリペイド・タクシー利用の際は、屋外プリペイドタクシーチケット売場でのチケット購入を勧めている。屋内プリペイドタクシーチケット売場にてチケットを購入した場合でも、必ず屋外プリペイドタクシーチケット売場にて乗車するタクシーの車両番号(ナンバー)を記入させ、タクシー乗り場に向かい、タクシー乗車時には、必ずチケットに記入してある車両番号と、乗車するタクシーの車両番号が同一か確認する。番号が違う場合は面倒でも再度チケット売場にて確認する。(参照:在日インド大使館ホームページ

 

 

2-2 最下位オランダでは相乗りサービスで料金値下げ

1000円あたりの移動距離下位13カ国は次のようになりました。

 

・ 1000円あたりの移動距離 下位13カ国

順位 都市名 距離
14 フランス・パリ 7.505km
15 アメリカ・ハワイ 7.313km
16 チェコ・プラハ 6.385km
17 スペイン・マドリッド 5.939km
18 エジプト・カイロ 5.000km
19 カナダ・トロント 4.748km
20 イギリス・ロンドン 4.741km
21 スウェーデン・ストックホルム 4.380km
22 オーストラリア・シドニー 4.271km
23 ドイツ・ベルリン 3.816km
24 イタリア・ローマ 3.510km
25 日本・東京 2.896km
26 オランダ・アムステルダム 2.695km

(参照:トリップアドバイザー「世界主要都市のタクシー料金比較」)

 

世界一タクシー料金が高いことで知られるオランダのアムステルダムでは、利用回数を増やすため、Transdev社が相乗り可能なタクシー「Abel」専用のアプリを開発しました。

 

CnetJapanの記事によると、Abelでは同じ方向へ向かう利用者を相乗り可能することで料金の値下げを可能にしています。料金は急いでいるかどうかで変動し、急いでいない場合に安くなります。たとえば、目的地に向かう途中に他の予約利用者がいた場合、その利用者をピックアップにかかる余分なルートの料金は清算されません。また、急いでいるとき、料金は上がりますが、相乗りを拒否することもできます。

 

abel

( ▲ Transdev社が相乗り可能なタクシー「Abel」 / 出展:NOS)

 

2020年の東京オリンピックに備えて、国内のタクシー業界もアプリの活用や英語を話せるドライバーの育成に取り組むなど着々と準備を進めています。

 

日本交通の川鍋会長は今後のタクシー業界の展望について

 

「アプリでクルマを呼べることも大事だが、もっと重要なのは外国人でも行き先をしっかり乗務員に伝えられるか、決済ができるかということ。そこで、タブレット端末を車に積む。端末で自動翻訳を使えるようにして、行き先などの意思疎通を容易にできるようにする」(参照:産経ニュース 2016年12月24日付

 

タクシー業界もまた時代に合わせて変革を求められているようです。

 

 


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