今年の10月30日の日曜日、東京・渋谷の街はさまざまなキャラクターの仮装をまとった若者であふれかえりました。 ハロウィン関連の経済規模は1,300億円を超え、バレンタインデーを超えるイベントに成長。ハロウィン市場は今後も拡大すると予測されており、クリスマス市場を超える可能性もあると見られています。
(参照:FAST JAPAN)
目次
- 1 市場規模でバレンタインを抜く
- 2 渋谷のハロウィン見たさに外国人が来日!?
- 3 ハロウィンイベントをビジネスチャンスと捉えた会社の例
- 3-1 東急ハンズやドン・キホーテの場合
- 3-2 株式会社ジェイ・ビーの場合
- 3-3 アキバカートの場合
1 市場規模でバレンタインを抜く
日本記念日協会によれば、イベントは毎年その市場規模を拡大させ、2016年に約1345億円となり、バレンタインデーの約1080億円をはじめて抜きました。
各年のハロウィンとバレンタインデーの市場規模/p>
ハロウィン | バレンタインデー | |
---|---|---|
2012年 | 約805億円 | 約1380億円 |
2013年 | 約1005億円 | 約1310億円 |
2014年 | 約1100億円 | 不明(当初は1080億円としていたが、大雪などの異常天候を理由に比較対象から外された) |
2015年 | 約1220億円 | 約1250億円 |
2016年 | 約1345億円 | 約1340億円 |
(参照:日本記念日協会)
2011年の時点では、ハロウィンは560億円ほどの市場規模だったにもかかわらず、4年で2倍以上にまで膨れあがったことになります。
博報堂行動デザイン研究所は、市場規模が拡大した理由について、ハロウィンの祝い事を楽しむ習慣は2008年頃から定着してきたとし、そこに、映画「アナと雪の女王」や日本独自のコスプレ文化、フェイスブックやツイッターを始めとするSNSがうまくハマり、相乗効果を発揮したのではないかと見ています。
(参照:Kabutan)
2 渋谷のハロウィン見たさに外国人が来日!?
(参照:観光庁HP)
外国人旅行者数が年間2000万人に迫るなか、大人が楽しめる日本独自のハロウィンに、外国人も興味を示しています。
欧米でのハロウィンはかぼちゃの飾り物を作ったり、子どもがお化けや魔女の仮装をし、家々を回ってお菓子をもらったりするのが一般的です。 一方、日本のハロウィンは10代後半から20代後半までの若者が仮装パーディーを楽しむものとなっており、これがSNS上で独特で面白いと海外にまで拡散。今や「渋谷のハロウィン」を目当てに外国人観光客が訪れるようになりました。
以下は渋谷のハロウィンを見た外国人のコメントです。
どうして私は日本に住んでないんだー!!ハロウィン向けのコスチュームの準備だけは万端なのに!(アメリカ)
チャンスがあるなら絶対この時期の日本に行くべき。世界最高のハロウィンを体験できるから……。(オランダ)
日本に戻りたい。戻りたすぎて涙がちょちょぎれそう(ベトナム)
去年行ってきたけど、盛り上がりがすごかった!台湾も日本みたいになってほしいなぁ T_T来年か再来年にでもまたハロウィンの季節に行きたい!(台湾)
ハロウィンの時期のトウキョウは、魔法をかけられたかのような雰囲気になるね!(ブラジル)
とりあえずオーストラリアのハロウィンとは違って、日本人は楽しい時間を送れているようね?(オーストラリア)
日本のハロウィンは楽しさとお金を生む。……良いことだらけだと思うけどね。(フィリピン)
オーマイガーッ!!ああいう雰囲気は日本でしかあり得ないと思う。(メキシコ)
日本でしか見られない光景が続々誕生しやがる……。(イギリス)
(引用元:海外の反応)
3 ハロウィンイベントをビジネスチャンスと捉えた会社の例
ハロウィンの市場拡大とともに、関連業界・企業は、商品販売戦略に力を注いでいるようです。また、ハロウィンならではの変わったサービスを提供する会社も登場しました。
3-1 東急ハンズやドン・キホーテの場合
各アパレルや小物系の小売店はハロウィンに備えて、仮装用の衣装や小物、メーク用品などハロウィングッズを大量に発注。東急ハンズやドン・キホーテなどの有名店も独自にイベントを開くなど、万全の体制を整えます。
3-2 株式会社ジェイ・ビーの場合
株式会社ジェイ・ビーは数量限定でハロウィン専用シューズを販売。ウェブ上では専用の販売ページを開設するなど力を入れています。
(参照:PRTIMES)
3-3 アキバカートの場合
アキバカートは、2012年に日本で初めてレンタルカートの専門店を秋葉原に出した会社です。道路交通法では、カートはミニカー扱いのため、ヘルメット・シートベルト不要で行動を走ることができます。(参照:アキバカート)
アキバカートは色とりどりのカートを取り揃えており、コスプレをして運転すれば、人気ゲーム「マリオカート」さながらの世界観を演出することができます。これが外国人に大ウケで、ハロウィン当日には利用者が殺到。外国人旅行者の団体がカートで走る光景は、渋谷ハロウィンの名物となりました。
ハロウィンは、クリスマスとは違って日本にはなじまないと言われてきましたが、見事にローカライズされて定着しました。ただ、全国的に定着したとは言えません。コスプレをして街を練り歩く現象は、渋谷、吉祥寺、川崎などの繁華街に限られます。そういう意味では、市場拡大の余地が残されているため、さらなるビジネスチャンスにも期待ができそうです。