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【インバウンドに影響?】人気の公道カート規制で外国人観光客減少か

(出展:hisgo Japan)
(出展:hisgo Japan)

政府肝いりの訪日客誘致政策を進める最中、人気の公道カートが警視庁より安全対策の強化が要請されていることがわかりました。

 

要請を受けたのは都内でレンタルカート業を営む株式会社マリカー含め計5社です。同社らは外国人の観光客に対して公道で走行可能なカートや、人気ゲームの衣装を貸し出す業務を営んでいました。

 

しかし、3月末よりカートによる交通事故が急増、5月時点で計13件におよび、そのうち10件が外国人によるものでした。信号無視や追い抜きといった交通違反をはじめ、カートではヘルメットなし・シートベルトなしで走行することができるため安全面での指摘されていました。

 

警視庁による要請は外国人観光客の減少につながりかねないのでなとの指摘もあり、訪日客4000万人を目指す政府にとってはまさに水を差す事態となっています。

 

 

目次

  1. 1 そもそも話題の公道カートってなに?
  2. 1-1 公道カート事故の急増
  3. 1-2 国交相、対策を明言
  4. 2 ついに任天堂から訴えられた!?
  5. 2-1 マリオを許諾なしで営業に利用
  6. 2-2 ディズニーのキャラクターも無断使用?

 

1 そもそも話題の公道カートってなに?

問題となっている公道で走行可能なカートは、普通運転免許を所有していれば誰でも利用することができます。排気量は50ccと原動機付き自転車と同じで、最高時速60kmとなります。1時間2000円〜3000円で利用できます。

 

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(▲公道走行可能なカート 写真参照:GAZOO

 

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(▲公道で走行するにはナンバーの設置が義務)

 

旅行者らによって人気ゲームキャラクターのマリオに扮したコスプレ衣装などで走行する姿がSNSで公開されると、外国人の間でたちまち話題となりました。来日した観光客らはコスプレした衣装で走行する様子をつぎつぎにSNSにアップ。訪日客増加を背景に、カートの集団が都内で走り回る様子は、東京観光における定番の人気コンテンツとなりました。

 

また、レンタルカートは1リットル20km前後と燃費がよく、保守管理にかかる費用も普通乗用車に比べれば安価のため、貸し出し業者からは新たなビジネスチャンスとして注目され、大阪、名古屋などの大都市を中心にレンタルカードをはじめる事業が増加しました。

 

 

1-1 公道カート事故の急増

今年3月、港区・東京タワー前の交差点で、外国人旅行者が集団走行中に交番の外壁に接触する事故が発生しました。運転していた女性や通行人に幸い怪我はありませんでしたが、乗用車と違って馴れないカートでは車間距離や制動距離などを見誤る可能性が高いと指摘されます。

 

このほか、信号無視や追い抜き禁止車線での追い抜き行為なども多数目撃されています。また、走行中の写真撮影、動画撮影など危険な運転行為も問題となりました。

 

一方、車高が低いカートはバスやトラックから発見しずらいとの指摘もされており、さらに集団走行は危険性がさらに高まるとされています。

 

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(▲集団で走る様子 / CondeNastTraveler )

 

 

1-2 国交相、対策を明言

道路交通法上では、カートは普通乗用車に区分されるため、シートベルトやヘルメットの着用義務はありません。しかし、度重なる外国人旅行者による運転マナー違反や危険走行に対して、国土交通省は安全対策の議論をはじめたことを発表しました。

 

石井啓一国交省は5月、閣僚会議後に開かれた記者会見で訪日外国人の観光の振興を図るためにも、適切な安全対策を講じることが必要だと強調したうえで、

 

「シートベルトの設置や他の車両からの視認性向上などの対策について、来月中に検討をスタートし、できるだけ早く結論を得たい」(参照:時事ドットコム5月23日付)

 

と述べ、安全対策の具体的な検討に入ることを明言しました。
一方、警視庁はカートの都内レンタル業者5社に対して、事故に備えたヘルメットの着用を求めるなど安全対策を実施するよう要請しました。

 

レンタル業者の1つである株式会社マリカーは、警視庁より要請を受けたことについて5月22日付のプレスリリースにて

 

「(当社といたしましては)関係官公庁の協力のもと、法的な保安水準を超えて業界としての安全基準をつくっていくことに関しまして、より多くの方々に安全に楽しんでいただける環境が整うものと考えている」

 

と安全強化の措置を歓迎。また、ヘルメット及びシートベルトの着用義務に関しては、

 

「ミニカー登録車両は「ヘルメット」及び「シートベルト」の着用義務がないから危険だという声もございますが、国土交通省超小型モビリティ第1回車両安全対策会議等でも取り上げられているように、ミニカーにおいてはシートベルトに効果が顕著でなかったり、逆に死亡重傷率を上げる結果となったりしているデータさえあります。また、ヘルメットに関しても、首にかかる負担が増えるうえ、自動車運転時におけるヘルメット着用は道路交通法上問題になるケースもございます」

 

と述べ、ヘルメットおよびシートベルトの着用は走行における安全性の向上に寄与しないと主張しつつも、同社カートの「MariCAR用シートベルト」は、既に開発が完了しており、関係官公庁より正規の要請を待っている段階だと説明しました。

 

 

2 ついに任天堂から訴えられた!?

このたびカートが問題となっているのは訪日旅行者らによる危険運転行為だけではありません。
任天堂は2月、レンタル業者の株式会社マリカーに対して著作権侵害を理由に1000万円の損害賠償を求める裁判を起こしました。

 

マリオカート

(▲任天堂の人気キャラクターのマリオとルイージ / 参照:任天堂HP

 

 

2-1 マリオを許諾なしで営業に利用

訴えを起こした任天堂は、株式会社マリカーが無断でマリオ等の衣装を貸し出し宣伝・営業に利用した行為は不正競争行為および著作権侵害にあたり、さらに社名である「マリカー」は商標権の侵害に当たるとメディアの取材に対して説明しました。

 

一方、株式会社マリカーは訴えられたことについて

 

「複数の弁護士・弁理士の専門家に相談をし、私たちのサービスが、任天堂様に対する不正競争行為及び著作権侵害行為には該当しないと判断した上で、サービスを提供してきました」(参照:弁護士ドットコム 2月25日付

 

と弁解する声明を出しました。

 

 

2-2 ディズニーのキャラクターも無断使用?

弁護士ドットコムによれば、株式会社マリカーは任天堂の衣装のほか

 

「ディズニーのキャラクター「グーフィー」のコスチュームのほか、ドラゴンボール(オレンジの道着)、スーパーマン、スパイダーマン、クッキーモンスター、ヨッシー、ルイージ、ピカチュウ、クッパなどのコスチューム」(参照:弁護士ドットコム 2月28日付

 

を各著作権者に無断で貸し出したとされており、権利侵害をめぐって国境を越えた裁判沙汰になる可能性が出てきました。

 

なお、株式会社マリカーは現在ホームページ上での営業活動は行っておらず、プレスリリースと取引先情報の配信のみを行っており、個別での取材を受け付けていません。
4月18日に東京地裁で開かれた第一回口頭弁論でマリカー社側は「公道を走らせる事業は別企業が担当しており、当社が行っているのはカートのメンテナンスだけ」と述べ、請求の棄却を求めました。株式会社マリカーは果たして営業停止となってしまうのか。続報が待たれます。

 

マリカー

(▲株式会社マリカーのホームページ

 

公道カートは外国人旅行者向けの新たな観光商品となっていただけに、裁判や警視庁の要請を機にサービスが縮小してしまうのではないかと不安視する意見も多く見られます。十分な安全性と権利問題をクリアしたうえで、利用者が楽しく、安全に乗れる環境構築が求められています。

 

 


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