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ホンダ、インド逆輸入の110ccバイクを9万円で販売

「バイクが売れない−−」
こう嘆かれて久しい二輪業界に激震が走りました。世界のバイク市場をリードする本田技研工業(ホンダ)のバイクが9万円以下で販売されはじめたと話題となっています。

 

 

 

 

目次

  1. 1 9万円で買える日本製バイク登場
  2. 1-1 ミニバイク「NAVI」のスペックを検証
  3. 1-2 取扱販売店も続々登場
  4. 2 バイク人気は復活するか
  5. 2-1 人気低迷の最初のきっかけは「三ない運動」
  6. 2-2 海外向けのバイク輸出は増加傾向
  7. 2-3 普通自動車免許で125ccバイクが乗れる!?

 

1 9万円で買える日本製バイク登場

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(出典:RushLane

 

今バイク好きの間で注目の的となっているのが110ccのホンダ製ミニバイク「NAVI」。もともとはホンダのインド法人であるホンダインディアプライベート・リミテッド(HMSI)が一貫して開発から生産までを行った初のモデルで、それを日本の輸入バイク店が取り扱いを開始したことで一躍話題となりました。

 

世界で1600万台以上の自動二輪車を売り上げるホンダは近年インドを中心とする新興国での生産・販売に注力しています。昨年2月にインド・ニューデリーで開催されたバイクショーでNAVIを発表。そのときの価格は39500ルピー(日本円で6万9125円)でした。

 

同社人気車種のGROM同様、若者向けのデザインとなっており、かつ低価格、カスタムパーツも豊富に取り揃えているため売れ行きは好調とのこと。日本でも販売してほしいとの要望も多く、国内外から高い関心が寄せられていました。

 

 

1-1 ミニバイク「NAVI」のスペックを検証

NAVIは排気量110ccのため、いわゆる原付2種※(道交法上では普通自動二輪車《小型》)にあたります。トランスミッションはスクーターと同様のオートマティック(Vチック)が採用されています。サイズは長さ1,805mm×幅748mm×高さ1,039mmで、車重は101kg、排気量は110cc、最大出力5.84kW/7,000rpm/8hpとなっています。

 

・NAVI110の詳細スペック

エンジンタイプ 空冷4ストローク
総排気量 109.19cc
ミッション Vマチック(オートマチック)
最高速度 81km/h
最大出力 5.84kW/7000rpm
最大トルク 8.96Nm/5500rpm
車両重量 101kg
サイズ 長さ1,805mm×幅748mm×高さ1,039mm
シート高 765mm
タイヤサイズ 前90/90-12 54J、後90/100/10 53J
タンク容量 3.8l
ブレーキタイプ 前後ドラムブレーキ
価格※ 39500ルピー(日本円で6万9125円)

(参照:HONDA

※ 原付2種とは排気量50cc超〜125cc以下のバイクを対象とした免許。排気量50cc以下の原付(原動機付自転車)と違って自動車扱いとなる。ただ法定速度60kmのため、自動車専用道路や高速自動国道(高速)は走行することができない。

※ 価格はインドでの小売販売価格

 

 

1-2 取扱販売店も続々登場

 

グーバイク

(出典:グーバイク

 

NAVIの取り扱いは大手バイク販売サイトのグーバイク(Goobike)やバイクブロス(BikeBros)などで確認することができ、車両価格8万8000円から販売しています(2月7日時点)。

 

 

2 バイク人気は復活するか

軽自動車や自転車の売り上げが伸びる一方で、バイクの減少傾向が止まりません。最盛期には全国で年間320万台が売れましたが、2015年度は40万台を割り、1/8以下に落ち込みました。

 

・バイク販売台数

原付一種(50cc以下) 原付二種以上(51cc以上) 合計
1980 1,978,426台 391,610台 2,370,036台
1990 1,213,512台 405,421台 1,618,933台
2000 558,459台 221,418台 779,877台
2005 470,922台 235,591台 706,513台
2010 231,247台 148,995台 380,242台
2015 193,842台 178,854台 372,696台

(参照:日本自動車工業会「二輪車販売台数」を元に作成)

 

 

2-1 人気低迷の最初のきっかけは「三ない運動」

バイクブームだった1980年代頃から暴走族などによるバイクの危険運転が問題視されはじめ、若者に「免許をとらせない」「バイクを買わせない」「バイクを運転させたない」という三ない運動の風潮が強まりました。

 

ホンダやヤマハをはじめとする各オートバイメーカーは当初、三ない運動に批判的でしたが社会的な流れには逆らうことはできず、バイク業界に冬の時代が訪れることになりました。

 

 

2-2 海外向けのバイク輸出は増加傾向

国内でのバイク販売が低迷する一方で、東南アジアや中東をはじめとする輸出は増加傾向にあります。2015年の二輪車輸出台数を仕向地別に見ると、中近東向け(39.4%増)、アフリカ向け(21.7%増)、アジア向け(12.2%増)、中南米向け(2.3%増)は増加しました。

 

・2015年の国別バイク輸出台数と構成比

構成比

(参照:日本自動車工業会

 

特にインドではホンダが好調です。インドは世界最大の二輪市場とも呼ばれ、バイクの4台に1台はインドで売られている計算です。
ホンダのインド法人HMSIによれば、昨年2月、180万台の生産能力をもつ第四工場の開所式典を行ったと発表。これにより、ホンダのインドにおける二輪車年間総生産能力は580万台へと拡大し、新たに約3,000人の雇用を創出することができるとしています。

 

HMSI社長の村松慶太氏は「スクーターが急激に増加する、いわゆる“スクータライゼーション”は、かつて先進国で見られたトレンドであり、今日のインド二輪業界の促進力です。Hondaはインドのスクーターセグメントで56%のシェアを有するリーダーであり、さらに成長していきます」とコメントしました。(参照:ホンダニュースリリース

 

 

2-3 普通自動車免許で125ccバイクが乗れる!?

バイク人気を復活させようと経済産業省も乗り出しました。同省の川野大志自動車課長は、神戸市内で開催されたバイクフォーラムで、「排気量125ccの免許取得を今までより簡単にする」と発表しました。

 

現在の免許制度では125ccのバイクに乗るには、原付2種(普通自動二輪免許《小型》)が必要で、免許を取得するには費用と時間がかかることが売上低迷の原因とも指摘されています。日本は50ccまでなら普通自動車の免許で乗れる付帯免許となっていますが、国際的には125ccまで乗れる国が大半です。

 

経産省は運転免許の規制緩和に向けて検討中のことですが、実現すれば再びバイクブームの復活となるのでしょうか。今後の動きに注目です。

 

 


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