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発行可能株式総数について

発行可能株式総数は、将来に渡り、株主総会の決議によらず、取締役会の決議のみで発行可能な株式総数の上限数のことで、会社の設立時の定款に、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」の1つです。

 

発行可能株式総数を決めておくことは、株主の利益と機動的な会社資金調達の2つの側面を考慮した会社法上の知恵の産物で、発行可能株式総数の意義や趣旨について理解することは、株式会社の本質を知るためは欠かせないことと言えます。

 

 

目次

  1. 発行可能株式総数とは
  2. 発行可能株式数の増加と減少について
  3. 何故、発行可能株式総数を決定する必要があるのか
  4. 発行可能株式総数はどう決めるのか
  5. 発行可能株式総数変更のプロセス

 

発行可能株式総数とは

発行可能株式総数とは、会社設立時の株式会社が実際に発行する株式数と異なる、将来に向かって、定款を変更することなく発行が可能な株式数の総数のことです。

 

発行可能株式総数は、発起人は株式会社が成立する時までに、会社設立発起人全員の同意を得て、定款にその株式数の定めを記載する必要がある事項です(会社法37条)。

 

発行可能株式総数は、授権株式数とも言われ、株式会社の定款に定める株式数の範囲内であれば、その株式発行について取締役会が株式発行権限の授権されているとする「授権株式制度」の中核要素として機能しています。迅速な資金調達を行うためには欠くことのできない制度と言えます。

 

発行可能株式数の増加と減少について

発行可能株式総数について_2発行可能株式総数は定款に記載する事項ですが、定款を変更してその数を減少させることが可能ですが、定変更後の発行可能株式総数は、定款変更の効力が発生した時点における発行済株式の総数を下回ることができません。

 

また、定款変更により、発行可能株式数を増加させる場合の定款変更後の発行可能株式総数の上限は、原則として、定款変更の効力が発生した時点における発行済株式数総数の4倍を超えることはできません。

 

ただ例外として、当該株式会社が、公開会社(自社株の全部またはその一部について譲渡制限を設けていない会社)でない場合は、4倍を超えて発行可能株式総数を定めても構いません。

 

何故、発行可能株式総数を決定する必要があるのか

株式会社における資金調達の基本的な方法は、株主からの出資の募集と金融機関等からの借り入れです。

 

株式会社が出資を募り、実際に出資者がお金を会社に出資した際に、株式会社はそのお金と引き換えに、出資者に対して株主たる地位(株式)を与えます。

 

この株主の地位は、株式配当等の経済的な利益を受ける権利である「自益権」と株主総会等に参加して議決権を行使するといった、会社の経営に参加出来る権利である「共有権」(但しこの権利がない株式もある)の2種類で、株式会社はこの権利を証明するものとして株式名簿に登録します(かつてはいわゆる株券を発行していましたが、現在では電子化が進んでいます)。

 

出資者に出資額に比例した株式数を渡すことができる上限を「発行可能株式総数」と呼んでおり、株式発行は原則として、取締役や取締役会の決議で決定されます。ただ、「発行可能株式総数」の上限を決めておかないと、取締役会等が、会社の実質的所有者である株主の了解なく無制限に株式を発行するおそれが生じます。これは株主にとって大きな損失を被るリスクを生じさせます。

 

例えば、出資者であり会社の実質的所有者の株主甲が、当該株式会社の通常の議決権株の51%を所有していた場合、この会社では、株主甲の賛成がないと決議案は成立しません。

 

ところが、勝手に取締役会等が大量の株式を発行すると、発行株式総数が増加して、株主甲の議決権過半数の地位は失われることもあります。(株式総数に対する持ち分率が下落する)。

 

一方、株式会社は、激動する社会において日々戦っており、その血液とも言えるのが会社の資金です。迅速で機動的な資金調達は、会社の生命線とも言えます。

 

この点、会社が資金調達のためにいちいち定款変更のための株主総会特別決議が必要とされれば、会社の需要に大きな障害となり、事業展開成功への芽を摘むことにもつながりかねません。

 

株主総会開催には、株主全員への通知を総会期限の2週間前に発送するなど、開催にはかなりの期間と手続きが必要です。これも会社にとって大きな負担と言えます。

 

そこで、前述した株式会社の実質的所有者の株主の利益と会社の迅速かつ機動的な資金需要に応えることの双方を考慮して、発行可能株式の上限を予め決定しておき、その範囲内で取締役会等が自由に株式を発行してもよいとしているのです(授権資本制度)。

 

そして、会社の事業拡大や会社債権者のリスク不安等を解消ために、当初設定した発行可能株式総数を定款変更して増やすには、株主総会の特別決議を行う要件として、株式会社の発行可能株式総数問題の均衡を図っているのです。

 

発行可能株式総数はどう決めるのか

発行可能株式総数について_3株式会社の発行可能株式総数は、公開会社(株式譲渡制限規定を設けていない会社)における設立時の発行株式数は、発行可能株式総数の4分の1を下回ることができませんが、自株式譲渡制限規定を設けている非公開会社ではこのような制限はありません。

 

具体的には、公開会社が設立時に発行する株式数が1000株であった場合は、当該会社の発行可能株式総数はその4倍の4000株以下にすることが必要です。

 

2001年の商法が改正される前には、非公開会社でも公開会社同様の発行可能株式総数の上限があったので、現在でも定款に発行可能株式総数を設立時の発行株式数の4倍以下で記載している中小企業もあります。

 

この点について新たに株式会社を設立する方の他、以前から会社を経営している方も定款の株式規定について再検討することをお薦めします。

 

会社経営における資金需要がこのまま現状・将来とも十分であり、増資の必要性がない場合は定款の発行可能株式総数を変更することもないと言えますが、例えば、設立時に発行した株式が1000株で、4000株の発行可能株式総数を会社が必要とした場合(4000万円の新規資金需要がある)で、増資分の1株を1万円のとした場合は、3000万円を超える増資はできないことになります。

 

ただ、このような場合でも定款を変更して発行可能株式総数を増加させれば良いのですが、株式数を変更するには、定款の変更が必要で、定款変更には、株主総会で3分の2以上の賛成を得ることが必要な特別議決の対象になり、非常に面倒で迅速で機動的な資金供給ができません。また、定款変更には、登録免許税も3万円かかります。

 

そこで、発行可能株式総数の決定は、将来に事業拡大を視野に入れた増資の可能性を考慮し、なるべく頻繁な定款変更の必要がない程度になるように定めることが肝要です。

 

この点、初めて起業する方は、どれ位に設定して良いのか分かりにくいと思われるので、会社設立に十分経験を持ち、その後の会社経営にも関与する専門家のアドバイスを受けることが必要と言えます。

 

発行可能株式総数変更のプロセス

ここでは、発行可能株式総数変更手順を簡単に説明します。

 

まず、 ①発行可能株式総数の変更には、定款変更が必要であるため、株主総会を招集します。

 

次に、 ②株主総会の開催において発行可能株式総数の変更決議を特別決議で行います。

 

最後に、 ③本店の所在地を管轄する法務局で、変更登記申請を行います。

 

変更登記に必要は書類は、変更登記申請書、上記定款変更を議決した株主総会議事録、OCR用紙登記すべき事項を記入するOCR用紙です。

 

以上に示した通り、発行株式可能総数を決定するには、今後の経営方針や資金需要の予測も十分の考慮する必要があります。

 

上記のように、発行可能株式総数を変更するには定款の変更は必要なこともあり、会社設立時に、単に、法定の会社手続き作業をさえ迅速にはかどれば良いとばかりは考えられません。

 

会社は、「ゴーイング・コンサーン」であり、未来に向かって継続する組織なので、会社設立時には、将来のことについても十分考えて、会社の設立業務の他、経営に専門的な知識と経験を持つ良きアドバイザーを得ることが重要です。

 


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