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会計監査人とは

会社法は、会計監査の専門性を考慮し、会計監査をより充実させるために、株式会社の計算書類について、会社との契約により、会計監査の委任を受ける会計監査人制度を設けています。

 

会計監査人制度は、一般的に、社会的影響が大きく、会社の会計が高度化・複雑化している大会社については、会社法上設置が必要な機関で、かつては、大会社のみにその設置認められていました。ただ会社法の施行により、中小企業や創業まもない会社でも、将来の株式上場を見据え、会社会計の確実性を早くから担保するため、会計監査人制度の導入が進んでいます。

 

そこで、このページでは、会監査人制度趣旨やその意義等の基本的な知識を解説します。

 

 

目次

  1. 会計監査人の制度趣旨と資格要件
  2. 会計監査人の欠格事由
  3. 会計監査人の選任・解任
  4. 会計監査人の解任事由
  5. 選任・解任手続きにおける取締役と会計監査人
  6. 会計監査人の任期
  7. 会計監査人の調査権と報告請求権
  8. 会計監査人の監査役等への報告義務
  9. 会計監査人の会計報告と株主総会で意見陳述権
  10. 会計監査人の会社との関係と報酬
  11. 会計監査人設置のメリット

 

会計監査人の制度趣旨と資格要件

会計監査人は、株式会社の計算書類およびその付属明細書、臨時計算書類、連結計算書類の監査を行い、会計監査報告の作成職務を行う、株式会社の外部機関です(会社396条1項)。

 

会計監査人に就任可能な資格要件は、公認会計士又は監査法人であることです(法337条1項)。これは、外部の会計の専門家を株式会社の会計に深く関与させることで、株式会社の計算に関連する事項の健全化を図る目的としています。

 

大会社(会社法上の規定では、資本金5億円以上または負債200億円以上の会社)及び委員会設置会社では、会計監査人の設置が義務付けられています(327条5項、328条)。また、大会社以外の株式会社においても、定款に定めることにより、会計監査人を設置することができます(326条2項)。

 

会計監査人の欠格事由

会計監査人は、会計監査人制度の趣旨を実現するため、その独立性が確保され、職務執行の公正が保たれる必要があります。

 

そこで、①公認会計士法の規定により、当該株式会社の計算書類の監査ができない者、②当該株式会社の子会社もしくはその取締役、会計参与、監査役もしくはその執行役から公認会計士もしくは監査法人業務以外の業務により継続的な報酬を受けて者またはその配偶者、③監査法人で、その社員の半数以上が②に掲げる者であるものは、会計監査人になれないとする厳格な欠格事由が規定さています(法337条3項)。

 

会計監査人の選任・解任

会計監査人とは

会計監査人は、株主総会の普通決議で選任・解任することができます(法329条1項、339条1項)。また会計監査人に選任された者が、監査法人である場合は、選任された当該監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを会社の株主総会に通知する必要があります(法337条2項)。

 

会計監査人の解任事由

会計監査人が、①職務上の義務に反し、または、その職務を怠ったとき、②会計監査人としてふさわしくない非行があたっとき、③心身の故障のため、職務執行に支障があり、職務執行に耐えきれない時は、監査役、監査役会は、会計監査人を解任することができます(240条1項、4項)。

 

選任・解任手続きにおける取締役と会計監査人

取締役が、①会計監査人の選任に関する議題を株主総会に提出する場合、②会計監査人の解任を株主総会の目的とする場合、③会計監査人の不再任を株主総会の目的とする、以上3つの場合は、監査役設置会社においては、監査役(複数の監査役が存在する時はその過半数)の同意が、また、監査役会設置会社においては、監査役会の同意が必要です(法344条1項)。

 

何故なら、会計監査人設置のい趣旨に深くかかわる会計監査人の独立性を維持のためには、取締役の恣意的な意図を排除する必要があるからです。

 

また、監査役や監査役会側からも、会計監査人に関する選任議案の株主総会への提出や解任、不再任を株主総会の目的とすることを取締役に請求することもできます(法344条2項)。尚、委員会設置会社では、会計監査人の選任、解任、不再任の議案は、監査委員会で決定されます(404条2項2号)。

 

会計監査人の任期

会計監査人とは

監査法人に任期は、会社法上の正確な任期の規定によると、原則として、「選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会終結時まで」ですが(法338条1項)、任期満了を迎える定時株主総会において、再選しない旨の別段の決議が行われなかった場合は、当該定時株主総会において自動的に再任されたものとみなされます(338条2項)。

 

ただ、当該株式会社において、会計監査人を廃止する旨の定款変更を行った場合は、会計監査人の任期は、当該定款変更の効力が生じた時点で満了となります。

 

会計監査人の調査権と報告請求権

会計監査人の職務は、株式会社の計算書類およびその付属明細書、臨時計算書類、連結計算書類の監査を行い、会計監査報告の作成を行うことが会社法上規定されています(法396条1項)が、会計監査人のこの職務の遂行のために、以下に掲げる職務権限が付与されています。

 

①会計帳簿等の閲覧等並びに会計報告請求権

会計監査人は、いつでも、会計帳簿並びに、これらに関する資料の閲覧・謄写を行う事ができます。また、取締役、会計参与、執行役、支配人その他の使用人に対しても、会計に関する報告を請求することができます(396条2項)。

 

②業務財産状況調査権、子会社調査権

会計監査人は、その職務を行うために必要がある時は、当該株式会社および子会社の業務およびその財産内容の調査権を有しています。また、子会社に対して、会計に関する報告を求めることもできます(法396j条3項)。ただ、子会社は、この請求に対して、正当な事由がある場合は、この報告と調査を拒否することが可能です(法396条4項)。

 

会計監査人の監査役等への報告義務

会計監査人は、その職務を行うに際して、取締役または執行役の職務執行に関して不正行為や法令・定款に反する重大な事実を発見した場合は、これを遅滞なく、監査役や監査役会、監査委員会に報告する義務があります(397条1,3,4項)。何故なら、会計監査人は、会社の会計を健全化するための制度であることから、よりその機能をの実効性を高めるため、監査役と連携して会社の不正を未然に防止し、また、不正防止のための是正措置を講じる必要があるからです。

 

会計監査人の会計報告と株主総会で意見陳述権

会計監査人は、法務省令会社則110条で定めるところにより、会社監査報告を作成しなければなりません(法396条1項)。また会計報告書は、定時株主総会の招集通知を発送する際に、株主に提供されます(法437条)。更に、会計報告書は、会社の本店、支店に据え置くことにより、株主や会社債権者等の閲覧に供される必要があります(法442条)。

 

また、会計監査人は、株主総会における一般的な説明義務は会社法上ありませんが、定時株主総会において、会計監査人の出席を求める議決がなされた場合は、会計監査人は、定時株主総会に出席して、意見を述べる必要があります(398条2項)。

 

更に、計算書類およびその付属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類が、法令や定款規定に適合するか否かについて、会計監査人と監査役・監査役会の意見と異なるときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して、意見を述べる権利があります(法398条1,3,4項)。

 

会計監査人の会社との関係と報酬

会計監査人と会社の関係は、委任に関する規定に従います(法330条)。そこ結果、会計監査人は、会社に対して善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)を負います。

 

会計監査人の報酬に関しては、取締役・執行役が、会計監査人との交渉で決定しますが、報酬額の決定は、会計監査人制度の根本的な理念となる「独立性」に大きな影響を与える可能性が高いので、会社法では、会計監査人の報酬を決定する際には、監査役、監査役会または監査委員会の承認を得る必要があると規定しています(399条)。

 

会計監査人設置のメリット

会計監査人を設置する第1のメリットは、会社は会計監査人を設置することで、決算書類の適正さを確保することができることです。

 

会社法上の設置義務は、大会社に限定されていますが、会社法の施行により、大会社や委員会設置会社以外の会社も、任意に会計監査人を設置できるようになりました。

 

将来の株式上場を計画する企業は、会社設立時から会計監査人を設けて、上場に必要な会社会計の適正さと正確性を図っています。将来の上場を目指す企業にとって、設立段階から会社会計の専門家である公認会計士が就任要件となっている会計監査人の会計指導や指摘を受けることで、会社全体の会計に対する実務力の向上と会計知識の習得が進むと言う大きなメリットもあると考えられます。

 


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