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中小企業経営者が知っておきたい決算書の読み方〜日本政策金融公庫利用の注意点も〜

中小企業の経営者の皆さまに質問です。決算書を読み、節税対策を行っていますか?決算作業は税理士に任せて、過去の決算を顧みることを怠っていないでしょうか?過去の決算を参考として節税に繋がることがありますが、税理士と節税対策に取り組んでいるでしょうか?

 

決算書には会社の経営状況に関する大事な情報が記載されています。決算書を読み解けば、自分の会社だけではなく、同業他社の経営状況も知ることができます。

 

ここでは中小企業経営者の皆さまに向けた決算書の読み方の説明と節税対策を取り上げます。ぜひ最後まで読んで、今後の経営の参考としてください。

 

 

1 決算書の読み方

決算とは、年度末時点の会社の資産や負債の残高状況を整理し、また1年間の会社の収支をまとめる作業です。そして決算書とは、決算作業の内容を項目ごとにまとめた書類群の総称で、1年間の会社の成績表とも言えるものです。

 

日々の業務に追われて、税理士や会計事務所に決算作業と決算書の作成を一任していた方もいるかもしれませんが、決算作業を通して、また決算書を読み込むことで会社の色々な情報を知ることができます。この章では決算書の概要を見ていきましょう。

 

 

1-1 決算書の内訳

決算書は、決算に関する様々な書類で構成されています。書類には、会社の資産や負債の期末残高を表すものや、1年間の売上や利益を表すものがあります。

 

なお、決算書は決算のときに作成する書類ですので、中間決算を行う会社は、中間決算書を作成することになります。日本では、官公庁の開始月に合わせるなどの理由から、多くの会社が3月を決算月、9月を中間決算月としています。

 

一般的に中間決算は、期末の決算よりも簡略化して行いますが、会社の前半期の概要を知り後半期の経営指針とすることができますので、期末の決算のペースを掴むことができたら中間決算にも取り組むことをお勧めします。

 

中小企業の決算書には、代表的なものとして次の書類があります。

 

  1. 貸借対照表
  2. 損益計算書
  3. 株主資本等変動計算書
  4. 個別注記表
  5. キャッシュフロー計算書

一つずつ順番に説明していきます。

 

1-1-1 貸借対照表とは

貸借対照表は会社の期末時点の資産や負債の残高を記載する書類です。「バランスシート」(= Balance Seat)とも呼び、略して「B/S」と表記されます。

 

貸借対照表は大きく左右の2つに分割された形状となっており、左側には資産群を、右側には負債群や資本金などの純資産の期末残高を記載します。

 

左側の資産群は「資産の部」と呼ばれ、上から「流動資産」、「固定資産」、「繰延資産」という3つのカテゴリーに分けられます。資産に該当する科目は、現金化する時期や種類(内容)によって、その3つのカテゴリーの何れかに収まります。

 

「流動資産」には1年以内に現金化できる科目が収まります。このカテゴリーの科目には「現金」や「普通預金」といった現預金の他に、「未収入金」などの1年以内に現金化される(自社に入金予定である)ものがあります。

 

流動資産の合計額が大きいほど、現金が潤沢にあることになり、会社の安定性の指針となります。

 

次の「固定資産」には1年より先に現金化を予定しているもの、あるいは容易には現金化できない科目が収まります。

 

具体的な固定資産科目には「建物」や「機械装置」などがあり、これらの科目は長期に渡って事業の用に供するとして、貸借対照表上に長く留まることになります。

 

建物や機械装置といった不動産や設備は、その年度内に経年劣化した額を見積もって「減価償却費」という経費の科目で計上します。したがって、固定資産科目は年度中に減価償却費分のみしか経費化できないことになります。また、「土地」に関しては減価償却することはできません。

 

最後の資産の部のカテゴリーである「繰延資産」は、長く会社に影響力を持つという点では固定資産と同様ですが、固定資産とは異なり実体がない費用のことを指します。

 

具体的な科目には「創設費」や「株式交付費」などがあります。創設費は会社の設立費用として長期間に渡って会社の存続に効果や影響があります。株式交付費は新規に発行する株式のことを表し、こちらも長く会社に影響力を持ち続けることから繰延資産となります。

 

続いて、貸借対照表の右側に目を向けると、右側上部は「負債の部」、右側下部「純資産の部」という構成となっています。

 

負債の部は更に「流動負債」と「固定負債」という2つのカテゴリーに分かれます。こちらは資産の部と同様に、1年以内で現金となるかどうかによって区別されます。

 

流動負債には、「未払金」や「買掛金」などの1年以内に現金化される(自社から出金予定である)科目や、1年以内に返済を予定している借入金である「短期借入金」などの科目があります。

 

流動負債の下方の固定負債の科目には「長期借入金」や、不動産などを賃貸した際に預かる敷金などの「預り保証金」などがあります。

 

長期借入金は、1年以上の長期に渡って返済予定のある借入金のことです。なお、ある借入金のうち、1年以内に返済する額と1年以上後に返済する額とを選り分けて、短期借入金と長期借入金に振り分ける会計方式を取る会社もあります。

 

負債の部の下方には純資産の部があります。純資産とは、自己の(=株主の)資産や利益の繰越・積立(内部留保)を表します。

 

純資産の部は更に「株主資本の部」と「株主資本以外の部」の2つのカテゴリーに分けられます。1つ目の株主資本の部には、株主による「資本金」や利益を積み立てたものである「利益剰余金」といった科目が収まります。

 

2つ目の株主資本以外の部には、合同会社による持ち合い株などを時価評価した際の「含み損益評価換算差額金」などの科目があります。

 

純資産の部は別名を「自己資本」と呼びます。これは、負債の部を「他人資本」と呼ぶことと対になるものです。資本とは資産の元になるものという意味を持ち、貸借対照表の左側の資産の部は、右側の負債の部または純資産の部という2つの資本のいずれかを元としていることになります。

 

自己資本とは自己の資本であることから返済の義務はありませんが、他人資本は他人の資本ですので返済の義務があります。そして、資産は必ず、自己資本あるいは他人資本のどちらかを元にしたものとなることから、資産の部の合計額と、負債の部および純資産の部の合計額とは必ず一致することになります。

 

貸借対照表の説明の最後に、貸借対照表を読む上でのポイントを紹介しましょう。自社の貸借対照表の資産の部の現預金の合計額と、負債の部の借入金の合計額とを比べてみてください。現預金のほうが上回っている場合は、借入金を直ぐにでも返済できる優良会社ということになります。

 

また、この2つを見比べた場合の比率のことを現金預金対借入金比率と呼び、当比率が30%を超えると倒産する可能性が低い会社であるとされています。

 

貸借対照表からは会社の安定性を求めることもできます。流動資産を流動負債で割って算出する「流動比率」が100%以上である場合は、1年以内の倒産の可能性は僅かであることになります。

 

 

1-1-2 損益計算書とは

貸借対照表は期末の会社の資産や負債の残高を表す書類でした。損益計算書には会社の1年間の売上や原価、そして利益を表す成績表としての役割があります。

 

損益計算書は「P/L(=Profit&Loss Statemen。読み方:ピー・エル)」とも呼びます。損益計算書も、貸借対照表と同じようにカテゴリーで分けられており、上中下段の3つで区分されています。

 

上段は本業の損益(収支)を表し、中段には本業外、そして下段には臨時的な損益の合計額を記載します。それらの損益を加算減算した後に最終的な会社の利益額が導かれます。

 

カテゴリーを上から順に見ていきましょう。上段のカテゴリーには本業の「売上高」と「売上原価」を記載します。そして、その差額が「売上総利益」として表示されます。

 

売上総利益は「粗利益」という別名を持っています。この売上総利益から、事務職の給料や消耗品、会社の広告宣伝費といった間接費である「販売費及び一般管理費」を差し引いたものが「営業利益」として表示されます。営業利益は本業の営業成績として評価される項目となります。

 

損益計算書の中段は、本業外の損益を記載します。本業外で例年発生する収入を「営業外収益」に記載し、本業外で毎年発生する支出を「営業外費用」に記載します。

 

営業外収益には、金融機関への預金の利息や、所有している株式の配当金などがあります。営業外費用には、借入金の利息や、所有している株式を売却した際の損失(株式の売却額が取得した当時の購入額を下回る際に生じる差額)などがあります。

 

売上総利益に営業外収益を加算し、営業外費用を減算したものを「経常利益」という項目名で表示します。経常利益までは毎年発生する収益から構成されますので、経常利益額は損益計算書を見る上で会社の収益力や安定力を評価される項目となります。

 

下段には「特別利益」、「特別損失」に該当する科目が並びます。ここでいう「特別」という言葉には「臨時的な」という意味合いが含まれています。

 

特別利益には固定資産の売却益などがあり、特別損失には固定資産の売却損や、天変地異に起因する設備の故障を修繕した費用などがあります。

 

経常利益に特別利益を加算して特別損失を減算したものを「税引前当期純利益」として表します。これは法人税などを引く前の会社の利益額です。ここから法人税などの税金を引いて残った額のことを一般的に「純利益」と言います。

 

損益計算書は以上のように会社の収益の種類に応じた損益額を表示しますので、どのガテゴリーの損益額であるかによって会社の経営状態が分かります。

 

例えば、税引前当期純利益が前年度比増となっているにも関わらず、営業利益が前年度比減となっている場合には注意が必要です。この場合は、本業の儲けの減少分を、固定資産の売却などにより埋め合わせをしたことが考えられます。

 

また、損益計算書から読み取る数値によって会社の収益性や成長性も推し量ることができます。

 

会社の収益性は「売上高利益率」を求めることで推し量ることができます。売上高利益率とは、損益計算書の利益を売上高で割って出す割合です。

 

このとき用いる利益は、売上総利益とする場合もあれば、経常利益とする場合もあります。または、利益ごとに順に求めていく場合もあります。この割合は高ければ高いほど優秀な収益性を示していることになります。

 

会社の成長性は「経常利益成長率」によって求めます。求め方は、今期の経常利益から前期の経常利益を引いて、そこから前期経常利益を割って求めることになります。この値がプラスの数値となり、その率が高い場合には、利益が前年度比増となります。マイナスとなった場合は成長していないことになります。

 

1-1-3 株主資本等変動計算書とは

損益計算書の次の書類は「株主資本等変動計算書」です。資本金や利益剰余金といった貸借対照表の純資産の部の各項目(科目)の期中の変動額を抜き出し、その変動の理由を表示するために用意された書類です。

 

株主資本等変動計算書からは、会社の利益の処分先と、利益の処分方法による経営者や株主の考えを読み取ることができます。一般的には、投資家が株主への配当の手厚さを測るために参考とする書類ですので、中小企業にとっては馴染みの薄い書類となります。

 

1-1-4 個別注記表とは

個別注記表は貸借対照表や損益計算書、そして株主資本等変動計算書に関しての補足事項・注記事項を記載する書類です。

 

法人税法により作成を義務付けられていますが、減価償却の償却方法や1株あたりの配当金を記載する会計上の書類といえますので、株主資本等変動計算書と同様に、中小企業にとっては馴染みの薄い書類といえます。

 

1-1-5 キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書は会社の現金の流れをカテゴリーごとに表す書類です。

 

個別注記表とは異なり、キャッシュフロー計算書は中小企業にとって作成を義務付けられている書類ではありませんが、書類の重要性としては株主資本等変動計算書や個別注記表よりも中小企業経営者にとって上であると言えるでしょう。

 

中小企業が作成する場合には「資金繰り表」を代用することもありますが、正式なキャッシュフロー計算書は「営業キャッシュフロー」と「投資キャッシュフロー」、そして「財務キャッシュフロー」の3つのカテゴリーで構成されます。

 

営業キャッシュフローは本業の現金の増減を表すカテゴリーです。営業キャッシュフローの最終的な数値が正であれば、本業が利益を上げている(損失を上げていない)ことになります。

 

投資キャッシュフローは投資の、すなわち固定資産や投資有価証券の売買による現金の増減です。このカテゴリーの最終的な数値がマイナスとなっていても悲観することはありません。それだけ将来を見据えて設備投資を行なっていることになるからです。

 

財務キャッシュフローは借入金に関する現金の増減です。借入金を調達した場合にはプラスとなり、返済した場合にはマイナスとなりますので、最終数値がマイナスとなっている場合は堅実に返済を行っていることになります。

 

営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを合わせた額のことを「フリーキャッシュフロー」といいます。このフリーキャッシュフロー額が、会社が自由に使用できるお金ということになります。

 

 

1-2 決算書を読み解くポイント

決算書は会社の成績書です。そのため、金融機関の融資担当者や税金を担当する税務署の職員がそれぞれの視点を以て参照しています。ここでは金融機関と税務署がチェックする決算書のポイントを説明します。

 

1-2-1 金融機関の視点

金融機関は決算書を融資可否の判断を行う際に用います。融資が焦げ付かないように、決算書を用いて会社の将来性や安定性をチェックします。

 

金融機関は、貸借対照表の現預金残高や借入残額、固定資産などをチェックしますが、貸借対照表を用いて算出する「自己資本比率」も重要なチェック項目としています。

 

自己資本比率とは、総資本(負債の部と純資産の部の合算額)を自己資本(純資産の部の合計額)で割って求める割合のことで、一般的に自己資本比率が40%以上ある場合には安定性があり健全な会社であると判断しています。

 

損益計算書においては、幾つかある利益のうちでも、営業利益を特に重要視しています。営業利益が前年度比増であるほど、安定性があり将来性があると判断できるからです。

 

1-2-2 税務署の視点

次に税務署のチェックポイントを見ていきましょう。税務署では決算書を、会社が適正に税金を算出しているかという視点で見ています。税金は利益に比例して増減しますので、売上と原価の計上額や計上時期、そして利益の算出方法については厳密に調査します。

 

具体的には、今期の売上として計上すべきものを来期の売上として計上していないか、あるいは来期の原価を今期の原価として計上していないかなどを見ています。なぜなら、売上や利益の計上時期を恣意的に操作できるとしたら、すなわち利益と税金を操作できることに繋がるからです。

 

もし、税務調査の際に売上や原価の計上時期を間違っていると判断された場合には、加算税や延滞税を支払うことになります。ですが、税法に則った方法で売上を減らし原価を増やすことで利益を減らし、引いては税金も減らすことに繋がる節税対策があります。次章ではその節税対策を紹介しましょう。

 

 

2 節税対策の紹介

この章では中小企業による節税対策を説明します。まずは、家族で会社を経営している場合の節税対策を取り上げましょう。

 

 

2-1 法人税と所得税及び住民税からの節税

社長や役員、従業員が家族同士である中小企業の場合には、会社に掛かる法人税等と、社長を含めた家族との所得税及び住民税を見極めることが重要となります。 なお、ここでは「法人税等」を、法人税、地方法人税、法人事業税、地方法人特別税、法人住民税の総称として用います。

 

社長や役員の給料である「役員報酬」と、従業員への「給与」は経費とすることができます。税金は売上から経費(原価)を差し引くことで求まる「利益」を基準に算出されますので、経費が多ければ多いほど税金も減額することになります。

 

このとき注意することは、役員の報酬が定額となっているか、ということです。役員の報酬を月ごとに任意に決めることができるのだとしたら、利益も(=税額も)恣意的に決めることができることになってしまいますので、役員が月ごとの固定給になっていない場合は経費とは認められません。

 

役員報酬は株主総会によって決定することになります。株主総会を開いた際には、総会を開いた証となる議事録を用意しておくようにしましょう。

 

役員報酬や従業員の給与は「所得税」及び「住民税」の対象となります。給与にかかる所得税の税率は、給与が高額になればなるほど高くなる「累進課税」制度となっています。

 

給与所得とは、給与から扶養控除などの各種控除額を差し引いた額のことですので、まず最初の節税ポイントはこの各種控除を最大限活用することです。

 

各種控除には、配偶者などの扶養親族がいる場合の扶養控除や、診療費などの医療費が10万円を超える場合に適用できる医療費控除などがあります。

 

近年では、10万円未満の医療費の場合にも適用できるセルフメディケーション税制が定められました。この制度では、制度にて規定する薬を購入した場合に控除が適用されます。まず、自身や家族にどの控除を適用できるか調べましょう。

 

そして、次の節税ポイントは、役員報酬や給与と会社の利益とをしっかり把握することです。

 

役員報酬や給与には利益を減らす効果がありますが、ある額を境に、役員報酬や給与にかかる所得税の税率と、会社の利益にかかる法人税等の税率が逆転してしまいます。

 

法人税等の税率は、会社の利益に対して以下のようになります。(東京都の中小法人の平成30年度の場合)

 

利益が400万円以下の場合 約21.4% 利益が400万円超800万円以下の場合 約23.2% 利益が800万円を超えたもの 約33.6%

 

会社の利益が2000万円である場合は、800万円まで約23.2%の法人税等がかかり、残りの1200万円は約33.6%の法人税等がかかります。

 

対して、給与所得額が700万円の場合、所得税及び住民税の合計額は約170万円弱となり、このとき給与所得に対する所得税及び住民税の割合は約24%となります。給与所得額とは、控除額が差し引かれた後の額ですので、このとき仮に控除額を100万円とすると、給与(役員報酬)は800万円となります。

 

上記のように控除額が幾らであるかによって給与所得額が変わってきますが、概算としては役員報酬及び給与が800万円を超えると法人税の税率を超えて節税対策とならないことになります。

 

役員報酬及び給与によって法人税を(利益を)減らし、役員報酬及び給与にかかる税金を抑えるためには、役員報酬及び給与を700万円台とするのが目安ラインと言えそうです。

 

 

2-2 固定資産を整理する

固定資産を数多く所有しているものの、実情その管理を行えていない、という会社は多いのではないでしょうか。

 

固定資産は前章でも説明したように、購入した年度中に経費化することはできません。年度ごとの経年劣化分だけを減価償却費として費用化することになります。

 

そして更に、固定資産は地方税となる「償却資産税」の対象となります。建物や土地に固定資産税がかかるように、機械装置や什器備品も税金の対象となるのです。

 

この償却資産税は、当該税制に定められた減価償却の割合に基づいた額によって税額を決定しますが、一定の年数で減価償却がストップします。つまり、一度固定資産として申告すると、廃棄や売却をしたとしても、その廃棄・売却処理の報告(申告)を行わないと税金がかかり続けることになります。

 

これを避けるためには、固定資産台帳を作成し、現物状況をチェックすることが第一歩です。中には、数年前に既に廃棄していたという設備も判明するかもしれません。

 

廃棄をしていないとしても、これ以上使用することができない設備は「有姿除却」という、廃棄処理と同等の扱いをすることができます。ただし、有姿除却をする場合には、二度と使用できないことを証明するために重要な部品を取り除いたり、定期的に使用していないことを表すように廃棄状況を写真に収めたりするようにしましょう。

 

除却をした固定資産は、その時点の固定資産の簿価(減価償却されていない残額)を一時に「固定資産廃棄損」として経費処理することができます。そして、毎年1月末の自治体への償却資産の申告の際に、廃棄をしたことの届けを忘れずに行うようにしましょう。

 

また、中小企業では固定資産にもう1つ節税対策を取ることができます。

 

「少額資産の損金算入」と呼ばれる特例が中小企業向けには設けられています。固定資産は本来、単品で10万円を超える機器設備などのことを指しますが、少額資産とは30万円までの固定資産のことをいいます。

 

固定資産について、事業用のパソコンを購入した場合を例に考えてみます。10万円未満のパソコンは消耗品となり経費処理できますが、10万円以上のパソコンは科目「什器備品」となるため、即座に経費として処理することはできません。

 

現金の出金(支払い)を保留している状態を「未払金」や「買掛金」といった科目で表すように、「什器備品」といった固定資産科目は、経費処理を保留している状態を表します。

 

固定資産科目も経費にすることはできますが、その年のうちに経年劣化した分のみが経費となります。この経費のことを「減価償却費」と呼びます。したがって、固定資産では通常、減価償却費分のみしか利益を減らすことができません。

 

しかし、この「少額資産の損金算入」制度を活用することで、固定資産の場合でも、固定資産の購入費用を即時に経費化することが可能となります。

 

この制度の活用には青色申告を選択していることの他に、2つの条件があります。1つは字句の通り少額資産であること、すなわち購入費用が単価あたり30万円未満であること、もう1つは1年間の少額資産の購入合計額が300万円までとなりますので、その点は注意してください。

 

 

2-3 法人保険を活用する

「法人保険」とは法人が契約する保険のことです。法人保険は従業員の怪我や病気など、万一に備えて福利厚生を充実することを意義としていますが、福利厚生以外にも、保険の種類によっては掛け金を全額、または一部損金処理(経費処理)することが認められています。

 

経費処理できるということは利益を減らすことにつながるということです。税務においては、貯蓄性の高いものは資産とみなされ、低いものについては損金処理が認められています。

 

しかし、この損金処理は実は一時的なものです。この損金処理した分は、解約時点で利益として戻ってきてしまいます。つまり、この損金処理は利益を先送りすることを意味しますので、いずれ利益が戻って来るときを見据えて対策を講じることが重要な節税ポイントとなります。

 

対策の前に、法人保険には幾つかの種類がありますので、その保険の種類を見ていきましょう。保険の種類には「全額損金タイプ」、「1/2損金タイプ」、そして「損金非対象タイプ」の3つがあります。

 

全額損金タイプの保険には「生活障害保障型定期保険」があります。こちらは解約時の返戻金を全額利益として計上する保険です。

 

次の1/2損金タイプの保険には「長期平準定期保険」、「逓増定期保険」、「解約返戻金ありのがん保険」の3種類があります。この保険では、掛け金の1/2を損金処理し、残りの1/2を資産とします。解約時の返戻金は、資産計上した分を除いて利益として計上します。

 

最後の損金非対象タイプの保険は「終身保険」、「養老保険」、「年金保険」となります。掛け金の全額が資産扱いとなります。解約時の返戻金は、資産計上した分を除いて利益となります。

 

解約時には利益が増額することになりますので対策を講じましょう。対策の1つには、役員や従業員の退職をぶつけることがあります。定年退職の場合は退職年度を予想することができますので、退職金の支払いと保険解約のタイミングを合わせることで、利益の増額を相殺することができます。

 

また、保険の解約金は保険の種類によって額が異なります。大きなイベントが予定されている年度と、解約金が最大になる年度の2点を考えることが、節税効果を一層高めるために重要なポイントとなります。

 

損金計上しなかった掛け金に関しては資産扱いとなります。このときの資産化する掛け金は「保険料積立金」や「前払保険料」などの科目に計上します。資産化された掛け金は、保険期間の後半期間に、均等割りした額を取り崩して費用計上することになります。

 

なお、損金計上した額が後日返ってくることはマイナス面ばかりではありません。この損金処理したお金は「帳簿上にはない貯蓄」という風に捉えることができますので、緊急時の備えとすることが可能です。

 

また、保険の種類によっては、想定以上に利益が出た年度の決算直前に保険を掛けて損金処理をすることができるタイプもあります。ただし、保険の種類を理解していなかったり、計画を立てていなかったりする場合には、思わぬ損を被ることになりかねませんので、保険を活用する場合には保険会社の担当者や税理士に相談するようにしましょう。

 

上記以外にも節税方法はあり、また、税理士によって得意とする節税対策があります。節税を考えるにあたっては、信頼のおける顧問税理士と相談の上進めることで、税務調査に対しての備えも同時に進めることができ、より一層の節税効果を得ることができます。

 

 

3 中小企業の強い味方「日本政策金融公庫」

日本政策金融公庫(以後 公庫と称します)は100%政府出資の政府系金融機関で、営利を追求する民間金融機関では融資しにくい分野・対象にも融資を行うため中小事業者の強い味方です。
しかし政府系といえども融資である以上、返済の見込みなどさまざまな要因を総合に分析して審査を行います。その結果融資が断られることも数多くあります。

 

そこで次章からは融資を断られる理由、融資判断にマイナスになるポイント、断られたときの対処法について順を追って解説していきます。

 

そもそも個別事例の審査に入る前に融資が出来ないケースです。

 

 

3-1 申込者が融資対象でない場合

事業者・企業です。その規模も日本政策金融公庫法により定められ、その規模を超えた事業者、企業には融資することは出来ません。

 

①事業規模

公庫の融資対象は事業資金においては小規模事業者や中小企業、そしてこれから創業する
製造業、建設業、運輸業などでは資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業では資本金1億円以下または従業員100人以下、小売業では資本金5千万円以下または従業員50人以下、サービス業では資本金5千万円以下または従業員100人以下であることが必須条件です。

 

②非対象業種

金融・保険業(保険媒介代理業および保険サービス業を除く)、ソープランド業、娯楽業のうち競輪・競馬等の競走場・協議団、パチンコホール、ビンゴゲーム場・射的場、芸ぎ場、場外馬券・車券売り場、取立業・集金業(公共料金またはこれに準ずるものにかかるものを除く)、社会保険事業団体、福祉事務所、更生保護事業、政治・経済・文化団体、郵政局・郵便業(その他の郵便局受託業、信書便業を除く)は対象になりません。

 

③非対象事業

奢侈遊興(度を越えた贅沢や遊び)にわたるもので料金が大衆的でないもの、公序良俗に反するなど社会的に批判を受けるおそれのあるもの、一時的または投機的なもの、単に社会福祉または慈善等を目的とするものを含む事業を営む者も非対象です(兼業時は別途規定があります)。

 

④反社会的勢力

公庫は政府出資100%の政府系金融機関であり公共の信頼を維持する必要があることはもちろん、その業務の適切性や健全性の確保のためにも反社会的勢力とは取引しません。つまり融資も行わないということです。

 

 

3-2 資金使途が融資対象となっていない

居住用住宅に関する土地取得資金、建物建設資金等は融資対象ではありません(住宅金融支援機構の融資対象です)。店舗兼居宅の場合、店舗部分は対象となります。法人設立における資本金や増資の際の資本金も融資対象となりません。

 

 

4 融資を断られる理由(形式的要件は満たしている場合)

上記のような形式的な要件を満たして初めて融資判断を受けるための入り口に立つわけですが、ここからが本番です。

 

融資判断はさまざまな要因を多角的に分析して行いますので、基本的にどれか一項目がダメなら即融資不可となるわけではありません。逆に言えばどれかをクリアしていれば必ず融資可となるわけでもありません。さまざまな要素の加点、減点をおこなって“総合的に”判断します。したがって融資を断られる理由も基本的には一つだけではないとなります。

 

そこでここからは、その一つだけでない「融資判断にマイナスになるポイント」を創業融資と通常の事業資金融資の場合に分けて解説していきます。

 

 

5 創業融資の場合のマイナスポイント

融資におけるマイナスポイントは定性面に関するもの、定量面に関するものに大別されます。これは創業時でも事業継続中の場合でも同じです。

 

 

5-1 定性面

定性面とは「数字で表せないもの」をいいます。

 

①申込人の経歴と今回の創業計画における事業内容の関連性が薄い

未経験の分野での起業は困難が多いことは明らかであるからです。

 

②創業計画書が読みにくく理解しにくい、または読みやすく理解しやすいが他人の手によるもので本人は理解していない

字の上手い下手でなく、相手にわかってもらおうとする能力も大切なビジネススキルです。また、いくら良く出来た創業計画書でも他人任せで本人が理解していなければ事業運営に疑念を持ってしまいます。

 

③セールスポイントが抽象的過ぎたり主観的過ぎたりしてよくわからない、ありきたりとなっている

「いいものを安く」とか「充実した生活の手助け」とかに終始している場合です。結局何が「売り」なのか客観視できていないと考えます。

 

④自宅家賃、公共料金やローン支払いが遅れがちである

定期的な支出が遅れるようでは今後の融資返済も覚束ないと推測されるからです。

 

⑤個人信用情報に重要な事実が登録されている

全銀協、CIC、JICCなどの個人信用情報登録機関に登録されている情報のことです。
破産、民事再生など債務整理をした過去は即融資不可というわけではありませんが、かなりネガティブな情報です。
カードローンなどが保証会社によって代位弁済(債務者に代わって債権者に支払うこと。以後債権者は保証会社になります)したこともかなりネガティブな情報です。
携帯電話の分割購入代金支払も立派な割賦代金支払情報です。遅れがあれば登録されますので注意して下さい。

 

 

5-2 定量面

定量面とは「数字で表すことのできるもの」をいいます。

 

①自己資金が過少または客観的事実により確認できない

創業計画全体における自己資金が少ないと開業後の固定費(売上に関わらず必ず支払わなければならないもの。店舗家賃や人件費、借入返済など)が大きくなり、事業運営が難しくなるのが一般的だからです。適用する貸付制度の条件を満たしているかどうかの判断とは違いますので注意して下さい。業種にもよりますが実際は2割~3割は欲しいところです。
自己資金と主張するものがあっても、出所が明確に客観的に確認できるものでなければ自己資金とは判断しないのでこれも注意して下さい。現金で貯めていて、わかるように通帳に入れてきたと言われても他社から一時的に借りた「見せ金」と区別できません。これ以上は言えませんが見せ金は必ずバレますし、バレた時の印象は最悪ですので止めた方が無難です。

 

②事業の見通しの根拠があいまいで、全体としても希望的観測に傾いている

例えば飲食店の売上予測において「客単価×席数×回転数×営業日数」という算式を使って算出しているものの、形式的に算式を使っているにすぎず客単価や回転数の根拠などはあいまいなまま算出しているようなケースです。創業の失敗のほとんどは売り上げが予想を下回ったことによるものです。競争の激しい業界なら尚のこと多少悲観的な数字でも維持できる計画が好ましいと言えます。

 

 

6 通常の事業資金融資の場合のマイナスポイント

既に事業を行って数年以上経っている場合について解説します。

 

 

6-1 定性面

①経営者が自社の現状および問題点につきよく把握していない

必ずしも経営者自身が経理に明るい必要はありませんが、現状や問題点を正しく認識していることは経営者としての資質の一つと考えるからです。

 

②事業所などに活気が感じられない

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実地調査を行った時に接する従業員の表情や応対振り、事務所内の予定表や書類などの整理状況などから感じ取ります。不必要に明るい雰囲気である必要はありませんが、雰囲気が暗いと何か問題を抱えているのではと考えるからです。

 

③諸支払が遅れている

単純に収支が悪化している、見かけの収支がよくても実際は収支が悪化していると考えるからです。収支悪化の原因が分かっていて今後の対策も策定していれば多少印象は変わります。
見かけの収支がいい時は見方が変わります。粉飾決算でないのか、たまたま遅れたのかを厳密に調査することになります。

 

 

6-2 定量面

①欠損が多額で、連続している

採算がとれていないわけですから、マイナスポイントであることは当然のことです。しかし同じように欠損が続いていても、無策のままと原因を調査して対策をとろうとしているかでは印象も大きく変わります。

 

②償却すべき減価償却費が計上されていない

見かけの収支悪化を恐れていると考えるからです。

 

③役員報酬の未払が続いている

上記②と同じです。役員に別収入があれば問題としないケースもあります。

 

④借入金が増え続けている

収支悪化を借り入れで賄っていると考えるからです。収支悪化の根本的な原因に手をつけず、借り入れで一時的に賄ってもいつか限界が来るからです。業種や月商にもよりますが借入金は通常月商の5か月分以内が理想で、10か月分を超えると注意といわれています。
代表者の資産の裏打ちのある代表者借入はあまり問題視しませんが、他の役員からも借り入れをしていたり金融機関以外の個人から借り入れをしていたりすると相当厳しいのではと考えます。

 

⑤多額の固定化した売掛がある

回収不能にもかかわらず貸借対照表の見栄えを気にして売掛のままにしているケースです。計上していても実際は資産性がないわけですから公庫は差し引いて考えますし、なぜ処理しないのかとなります。

 

⑥資産の裏打ちのない役員貸付や他社・関連会社への貸付が多い

いわゆる社外流出です。資産として評価できるものであれば問題ありませんが、こういった貸付は概して資産性のないことが多いため、調査の結果によっては⑤と同様資産から差し引くことになります。

 

⑦受取手形・支払手形が売掛金や買掛金に比べて過大な金額となっている

いわゆる融通手形を疑うからです。融通手形は資金の借入・貸付として非常にリスキーな取引です。そこまで追い詰められているのかと考えることになります。

 

⑧支払手形がジャンプしている

支払期日までに資金が用意できなくて手形の差し替えを依頼しているケースです。⑦と同様、資金繰りに窮しているときによくされる手法です。

 

⑨買掛の支払いまでのサイトが長くなっている、買掛金額が多くなっている

上記⑦、⑧と同様です。資金がなくて支払えず待ってもらっている状況は好ましくありません。
資金がない理由が明確で(大口の焦げ付きが発生した等)あって、それが今回の融資の目的である場合は遅れがあるからといって融資判断としてマイナスになるとは言えません。

 

⑩金融機関以外からの借入金がある

いわゆる高金利のところや、得体の知れない第三者などからの借入があると警戒します。

 

⑪大幅な債務超過である

見かけ上自己資本(資産から負債を差し引いたもの)がプラスでも⑤、⑥で説明したように実質の自己資本を算出した時にマイナスとなる場合が問題です。代表者個人の資産で穴埋めできればいいですが、できなければ融資に慎重にならざるを得ません。

 

一方、見かけは自己資本がマイナスでも、資産の裏打ちのある代表者からの借入は出資と考え負債から除外すると実質の自己資本がプラスになることもあります。この場合は問題ありません。

 

 

7 断られたときの対処法

さまざまな調査がなされ、その結果融資が断られたらどうすればいいでしょうか。順に解説します。

 

 

7-1 断られた理由を聞く

今後に生かすためです。通常正式な通知が来る前に担当者より示唆があります。その際におおよその問題点は聞けると思います。

 

本来さまざまな要因を総合的に判断して出された結果なので、断られた理由は一つではありません。公庫としても理由を全部説明しろといわれても不可能ですが、最大の理由を聞くぐらいはしていいと思います。ポイントはあくまで理由の一つを聞かせてほしいと尋ねることです。

 

ただし個人信用情報については、情報利用者(この場合公庫となります)は対象者(申込人になります)に情報内容を開示してはならないことになっていますので注意が必要です。この場合、公庫は教えてくれませんので、自分で各個人信用登録機関に開示を求めるといいでしょう。

 

 

7-2 状況を改善する

例えば自己資金不足で準備不足が主たる理由であると判明すれば、準備を進めて自己資金蓄積に励みます。あくまで原因の一つを改善するだけで、総合判断が翻るかどうかはその時になってみないとわかりません。「状況を改善」したうえで再チャレンジもいいでしょう。ただ注意すべき点は、よほどでない限り「断られた状況」は半年程度は変わらないでしょう。逆に言えば半年以上たっても「断られた状況」が改善していなければ同じ結果になるということです。巷では半年たてば再申し込みしていい等のアドバイスが散見されますが、状況が改善していなければ同じ結果となろうことに触れられていないのは無責任でしょう。

 

 

7-3 別の資金調達方法を検討する

事業資金の融資を行っているのは公庫だけではありません。

 

①制度融資を利用する

制度融資とは、都道府県または市を通じ保証協会の保証により市中金融機関が行う融資のことをいいます。行政機関が窓口となり金融機関へあっせんする「あっせん方式」と、金融機関が窓口となり必要場合手続きの中で行政機関が関与する「金融機関経由方式」に大別されます。
保証協会への保証料が必要ですが(通常融資実行時に差し引かれます)公庫と並ぶ低金利であることが多く、金融機関にとっても万一の場合は保証協会が全額返済してくれるので融資のハードルは低くなっています。ただしその時も債務がなくなるわけではなく、債権者が保証協会に代わることになります。

 

②民間金融機関を利用する

通常営利を追求する民間金融機関は公庫より借りにくいと思われますが、全く手立てがないわけではありません。事業主個人や代表者個人を借主とした無担保ローン(いわゆるカードローン)であれば利率が高い分借り易くなっています。また不動産を担保に提供すれば借入の確率が高まります。しかし今は昔のように担保さえあればといった融資姿勢はありません。あくまで収支を検討し返済力が見込めないと、担保があっても融資は受けにくくなっていますので注意が必要です。

 

③ファクタリングを利用する

ファクタリングとは他人の売掛債権を買い取り、以後回収を行うサービスのことをいいます。つまり自社が持っている売掛債権をファクタリング業者に売却して売掛回収前に資金化するわけです。売却後売掛先からの回収はファクタリング業者が行うことになります。
このファクタリングを利用する際に注意すべき点があります。一時的に支払いが先行したためこのファクタリングを利用して資金繰りを緩和するのは問題ありません。

 

しかしそういった見通しがないまま利用すれば次の売掛入金まで入金がないことになり、結局またファクタリングに頼らざるを得ない状況になってしまう点です。よくよく注意して利用したほうがいいでしょう。

 

④クラウドファンディングを利用する

一般個人や法人から事業ごとに資金を公募する方法で、最近特に広がりを見せている手法です。出資のお礼に記念品などを贈呈することが多いようです。しかし一般に広く資金を求めるため、一般の人々に共感を得られる事業でないと資金は集まりにくいでしょう。ただ商売を始めるため、運転資金が必要だからなどの理由では難しいと思われます。一般の理解が得やすい事業(特定の人々を助ける等)を開始する時には有効な手段の一つです。

 

 

7-4 ムダな対処法

一旦公庫として結論が出た以上、余程のことがない限りその結論は変わりません。紹介者があっても無くても同じです。団体の力を借りれば更に関係がこじれます。新たな材料が提示され再調査することはあり得ても、そのようなものがないままゴリ押ししても何の得にもなりません。公庫との関係が悪化するだけと心得ておいたほうがいいでしょう。

 

 

6 まとめ

いかがでしたでしょうか。本稿を参考にして、断られやすいポイントを少しでも減らして資金調達が上手くいくことを願っています。

 

 


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