会社の事業がうまく回りだすと、事業を拡大するため人手を増やさなければなりません。企業は求人広告を出し、なるべく優秀な人材を採用しようと考えます。
しかし、求人広告は出せば人が集まるというものではありません。2016年以降、有効求人倍率は1倍を超え、転職者有利の“売り手市場”が続いています。企業側としては応募者がなかなか集まらない状況です。
これからの会社は、どうすればいい人材を選ぶことができるかを考えるのではなく、どうしたら優秀な人材に選ばれるかを考えていかなければならないのです。
目次
- 1 求職者が何を求めているかを考える
- 1-1 仕事内容を具体的に書く
- 1-2 残業時間を具体的に書く
- 1-3 求人票にのせるべき最低限の労働条件
- 2 効果的な募集の方法を知る
- 3 面接後に辞退されないようにする
- 3-1 相手の話をしっかり聞く
- 3-2 相手の履歴書、職務経歴書にしっかり目を通す
1 求職者が何を求めているかを考える
商品を売るさい、何を売りたいかよりも何が求められているかを考えます。 それと同じで、人が集まる求人票を作るには、求職者が求めることに応えることが必要です。
求職者が仕事選びで最も重視するポイントとして、次の内容が挙げられます。
・仕事の内容
・給料
・残業時間
求職者が特に吟味するのが「仕事の内容」と「残業時間」です。求人情報でこれらの情報が不足していると、応募をためらう求職者も多いようです。
1-2 仕事内容を具体的に書く
仕事の内容については分かりやすく、詳細に書きましょう。あいまいな書き方は、求職者に「これまでの経験を活かせるだろうか」と不安を与えてしまいます。また、雇用のミスマッチも起きやすく、時間とコストをかけて採用しても早々と辞めてしまうことも少なくありません。
仕事内容では
・どのようなお客を相手にするのか
・何をするのか
・どのようにするのか
・必要な経験や資格はあるか
などを具体的に記載してください。
1-2 残業時間を具体的に書く
総合人材サービス会社が行った「求職者が求人情報・求人広告に求める内容」に関する調査では、残業時間が第2位になりました。
(参照:マンパワーグループ)
残業時間には、月に何時間あるのかなどの目安を書きましょう。また、繁忙期はどのくらい残業時間が増えるかなどを書くのも効果的です。
1-3 求人票にのせるべき最低限の労働条件
求人票の労働条件には、以下の項目を書きましょう。
・仕事内容
・資格・スキル(運転免許の有無、語学力の程度、パソコンスキルなど)
・雇用形態(正社員、アルバイト・パート、契約社員など)
・報酬(基本給、時間外労働の賃金など)
・各種保険(厚生年金、健康保険など)
・年間休日数
・勤務地と異動の有無
・雇用期間
2 効果的な募集の方法を知る
会社にとっては、求人費用はなるべく抑えたいものです。
優秀な人材が集まるような求人広告を作るために、媒体別募集のメリットとデメリットを把握しておきましょう。
求人メディア媒体別のメリットとデメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ホームページ | ・掲載費用はほぼかからない | ・選考の手間がかかる ・応募してくる人材のレベルがさまざま |
新聞・求人誌 | ・人材のレベルは比較的一定 ・広く募集できる |
・掲載費用が高い |
ハローワーク | ・掲載費用がゼロ | ・ハロワ利用者しか届かない |
身内、知人 | ・掲載費用がゼロ | ・馴れ合いになりやすい ・解雇しにくい |
3 面接後に辞退されないようにする
転職経験者に行ったアンケート調査では、面接後に辞退する理由の第4位として、「面接官の行動や態度が悪かった」が挙げられています。
(参照:エンジャパン)
求職者にとって面接官の印象は会社のイメージそのものです。面接官は高圧的な態度などで優秀な人材を逃さないよう、注意が必要です
3-1 相手の話をしっかり聞く
面接は求職者と実際に会って話を聞き、会社の戦力となるのにふさわしい人物かどうかを判断する場所です。求職者にとっては自己アピールをするチャンスでもあります。
面接で大切なのは、相手の話を聞いてあげることです。面接官は自分の会社のアピールに必死になることがあるので、一方的に話さないよう心がけてください。
求職者の話を十分に引き出すことができれば、会社に対する印象も良くなり、求職者は是非入社したいと思うようになります。
3-2 相手の履歴書、職務経歴書にしっかり目を通す
また、面接をする前に、求職者の履歴書や職務経歴書の内容を頭に入れておいたほうがいいでしょう。履歴書を読めばわかることを質問すると、求職者は履歴書に目を通していないのではないかと疑ってしまうからです。
会社に優秀な人が応募してきたとして、その人が優秀であるかどうかを見極められなければ、元も子もありません。会社に必要な人材はどういう人物なのをあらためて検証し、それに基づいた求人票を作ってみましょう。