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【ブランドイメージに影響は?】高級クリスタルのバカラ、中国企業に買収される

(出展:Mejor Casino En Lena)
(出展:Mejor Casino En Lena)

高級グラスやシャンデリアなどクリスタル製品メーカーとして有名な仏企業のバカラ(BACCARAT)が6月、中国企業に約200億円で買収されることがわかりました。

 

買収したのは投資会社のフォーチュン・ファウンテン・キャピタル(Foutune Fountain Capital)で、米投資会社のスターウッド・キャピタルらからバカラ株式の88.8%を取得すると発表しました。

 

250年の歴史を超える有名ブランドのバカラ。買収目的はアジアや中東での商品展開を有利に進めるためとされていますが、ブランドイメージへの影響などを心配する声も上がっています。果たしてバカラの行く末はどうなるのでしょうか。

 

 

目次

  1. 1 高級グラスで君臨したバカラ
  2. 1-1 253年の伝統を誇る
  3. 1-2 近年、売り上げが減少していた
  4. 2 買収したとは
  5. 2-1 アジア戦略の足がかりに?
  6. 2-2 ブランドイメージは維持できるか

 

1 高級グラスで君臨するバカラ

アルクール

(出展:luxuriousmagazine)

 

フランスを代表するクリスタルメーカーであるバカラは、1764年、ルイ15世の命令で北東部ロレーヌ地方のバカラ村に工場が設立されたことが由来となります。
その上品で美しい見た目は、1825年に作られたグラス「アルクール」などが代表的で、歴代のフランス王族に愛用されて以降、インテリア雑貨からシャンデリアなど世界中の人々を魅了してきました。

 

 

1-1 253年の伝統を誇る

設立当初、鏡や窓ガラスなどを主に製造していたバカラは、1817年から本格的にクリスタル製品の製造をはじめます。

 

1823年のパリ国民博覧会では、独自のカット技術が評価され金賞を受賞。1825年には現在までロングヒットを続けている「アルクール」シリーズが誕生しました。

 

その後、高品質な酒器、シャンデリア、香水容器などのクリスタル製品の拡大を図ります。有名な世界最大のシャンデリアはトルコ・イスタンブールのドルマバフチェ宮殿に飾られています。

 

シャンデリア

(▲ドルマバフチェ宮殿にあるイギリスのヴィクトリア女王からの献上品のシャンデリア / 出展:wegoconcerts)

 

世界大戦後、1948年にニューヨーク市に子会社を設立。1964年にはルーブル美術館にて創立200周年を記念する回顧展が開催されました。

 

2015年にはニューヨークの一等地にクリスタルをふんだんに散りばめたバカラホテル&レジデンスをオープンさせました。

 

 

1-2 近年、売り上げが減少していた

2005年、フランスの著名なテタンジェ(Taittinger)ファミリー※から米投資会社スターウッド・キャピタル・グループがバカラの買収を発表しました。

 

現在500人ほどの社員を抱えるバカラは過去4年間で収益が減少しており、2016年には1億4830万ユーロ(約183億円)に落ち込み、赤字を出すことも少なくありませんでした。

 

※ テタンジェとは、その名を社名に掲げるテタンジェ家が、オーナー兼経営者である希少な大手シャンパーニュ・メゾン。現在は、ピエール=テタンジェ氏から数えて4代目に当たるピエール・エマニュエル・テタンジェ氏が社長となり、長きにわたり培われてきたテタンジェ・ファミリーの精神を継承している。(参照:サッポロビール)

 

 

2 買収したフォーチューン・ファウンテンとは

バカラを買収した中国の投資会社FFC(フォーチューン・ファウンテン・キャピタル)は、4世紀頃、政治家・書家として活躍した王羲之※の子孫が経営する企業です。

 

 

2-1 アジア戦略の足がかりに?

FFCは、今年6月、バカラの株式を保有する米スターウッド※とL.カタートンから1株222.70ユーロで購入することに合意し、88.8%の株式を1億6400万ユーロで取得しました。

 

FFCは声明で、「買収により、バカラはアジアや中東などの新興市場への拡大、北米などの既存の先進市場の成長を含む戦略的な国際計画を加速することができる」

 

とコメントしています。

 

CEO

(▲バカラCEOのダニエラ・リカルディ氏 / 出展:The New York Times)

 

このほか、人事については、現CEO(最高経営責任者)ダニエラ・リカルディを含めた経営陣を留任させる方針であることも明らかにしました。

 

この度の買収劇は、フランスの観光産業と世界第2位のワイン産業が持つフランスへの中国投資の増加を示す一例となりました。

 

※ スターウッド・キャピタル・グループ(Starwood Capital Group)は、不動産投資を行う米国企業。98年ウェスティンホテル&リゾート ワールドワイドおよびITTコーポレーション、99年VistanaIncの買収により、事業を拡大。03年末で世界82ヵ国に738軒、約22万9000室に達している。バケーションオーナーシップリゾートを含めると756施設を展開、うちアジア太平洋地域は92施設。(参照:株式会社コトラ)
※ エル・カタートン(L Catterton)は投資会社。2016年1月にモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)と合併した。
※ 王羲之(おうぎし)は、中国古代王朝の東晋の書家。楷書・行書・草書の三体を完成させる。日本には奈良時代に伝わり、和様の書流に大きな影響を与えた。書道を世に広めたことから書聖とも称される。303年生〜361年没。

 

 

2-2 ブランドイメージは維持できるか

高級グラスやシャンデリアなど、フランス伝統のクリスタル製品は、その高度な技術はもとより、他の食器とは一線を画すブランドイメージが世界中に浸透しています。

 

これまでも、バカラの経営権は米企業が握っていましたが、中国企業への買収が話題となったことで、最大の市場である日本の愛用者たちからはブランドイメージに対する影響を心配する声もきかれます。

 

果たしてFFCは赤字続きだったバカラを再生して、事業拡大することができるのか。今後の動向に注目が集まります。

 

 


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