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【小中学校にエアコンあった?】文科省、空調設備の設置状況調査結果を発表

地球温暖化の影響で昭和の頃よりも暑くなった日本の夏。毎年熱中症による死者が後を絶たず、公立学校は部活動におけるこまめな水分補給を摂るよう積極的に指示するようになりました。

 

文科省は6月、2017年度における公立学校施設の空調(冷蔵)設備設置状況に関する調査結果を発表しました。報告書によると、公立小中学校における普通教室・特別教室の全保有室数820,532室のうち、空調(冷房)設備を設置している室数は342,267室であり、設置率は、前年比11.8ポイント増となる41.7%でした。

 

年々増えている公立小中学校の冷房設備。地球温暖化が続くことで、設置率も右肩上がりに上昇しています。

 

 

目次

  1. 1 小中学校における冷房設備設置率は4割
  2. 1-1 特別支援学校の設置率が最も高い
  3. 1-2 設置率は全学校施設で右肩上がり
  4. 2 設置率都道府県ランキング
  5. 2-1 普通教室に限れば東京都99.9%でトップ
  6. 2-2 設置する必要がない?北海道は1.9%

 

1 小中学校における冷房設備設置率は4割

文科省は、全国の小中学校施設における空調設備の設置状況に関する調査を3年に一度、実施しています。
調査対象は、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校の公立学校で、教室や体育館に空調(冷房)が設置してあるかどうかをまとめました。

 

その結果、全国の公立学校施設における普通教室・特別教室の全保有室数82万532室のうち、空調(冷房)設備を設置している室数は34万2267室あり、設置率は、41.7%であることがわかりました。前回調査時では29.9%だったため、3年で11.8ポイントの増加となりました。

 

・ 全国の公立小中学校での設置状況

  保有室数 設置率
普通教室 38万8776 49.6%
特別教室 43万1756 34.6%
合計 82万532 41.7%

(参照:文部科学省報道発表資料より作成)

 

 

1-1 特別支援学校の設置率が最も高い

このほか、設置率を学校別にみると、幼稚園58.3%、高等学校49.6%、特別支援学校74.5%となり、小中学校が最も低いことがわかります。
一方、最も高いのは特別支援学校で、普通教室では81.0%に達しました。

 

・ 全国の幼稚園、高等学校、特別支援学校での設置状況

    保有室数 設置率
幼稚園 普通教室 1万5,424 59.9%
特別教室 8,262 55.4%
合計 2万3,686 58.3%
高等学校 普通教室 7万80 74.1%
特別教室 13万7,403 37.1%
合計 20万7,483 49.6%
特別支援学校 普通教室 2万7,844 81.0%
特別教室 2万,833 65.8%
合計 4万8,677 74.5%

(参照:文部科学省報道発表資料より作成)

 

 

1-2 設置率は全学校施設で右肩上がり

公立小中中学校の設置状況を調査開始時の1998年から見ると、設置率が右肩上がりに上昇し、2012年を境に普通教室が特別教室を逆転しています。

 

また、98年では普通教室の設置率はわずか3.7%でしたが、2010年まで緩やかに上昇し、以降は7年で33.6ポイントも上昇しました。背景には、部活動中、熱中症を理由に死亡するケースが社会問題化したことなどが考えられます。

 

・ 設置状況推移

  普通教室 特別教室 合計
1998年 3.7% 11.4% 6.6%
2001年 4.5% 14.0% 8.9%
2004年 6.2% 17.3% 11.5%
2007年 10.2% 21.0% 15.3%
2010年 16.0% 21.6% 18.9%
2014年 32.8% 27.3% 29.9%
2017年 49.6% 34.6% 41.7%

(参照:文部科学省報道発表資料より作成)

 

推移

 

 

2 設置率都道府県ランキング

都道府県別に見た小中学校における空調設備の設置率ランキング(普通教室、特別教室含む)では、香川県が92.3%で1位となりました。ついで、東京都84.5%、滋賀県77.9%、沖縄県74.3%、京都府68.8%、神奈川県62.6%とつづきました。

 

・ エアコン設置率都道府県ランキング

順位 都道府県 設置率
1 香川県 92.3%
2 東京都 84.5%
3 滋賀県 77.9%
4 沖縄県 74.3%
5 京都府 68.8%
6 神奈川県 62.6%
7 大阪府 60.5%
8 群馬県 59.6%
9 埼玉県 58.9%
10 福井県 55.0%

(参照:文部科学省報道発表資料より作成)

 

 

2-1 普通教室に限れば東京都99.9%でトップ

ただし、授業で最も多く使う普通教室に限れば、東京都が99.9%でトップとなります。ついで、香川県97.7%、福井県86.5%、群馬県、85.7%、京都府84.0%、滋賀82.8%とつづきました。東京の高すぎる設置率に一部では地方との格差があるのではとの指摘もされました。

 

2013年に41.0℃の観測史上最高気温を記録した江川崎のある高知県は意外にも低い19.0%、熊谷市のある埼玉県は76.0%、多治見市のある岐阜県は55.2%となりました。

 

2-2 設置する必要がない?北海道は1.9%

一方、設置率が最も低いのは北海道で、わずか1.9%にとどまりました。このほか東北地方も非常に低く、青森県4.5%、岩手県5.1%、宮城県8.9%、秋田県6.4%となります。

 

・ エアコン設置率都道府県ランキング(低い順)

順位 都道府県 設置率
1 北海道 1.9%
2 青森県 4.5%
3 岩手県 5.1%
4 秋田県 6.4%
5 宮城県 8.9%
6 長野県 8.6%
7 静岡県 12.5%
8 愛媛県 13.2%
9 長崎県 14.8%
10 山口県 18.2%

(参照:文部科学省報道発表資料より作成)

 

文科省は、各学校に空調設備の設置を求めたりはしないが、学校施設環境改善交付金のなかで空調(冷暖房整備)も補助対象になっていると説明します。2億円を上限(過去において児童生徒が急増した市町村にあっては3億円)に、児童・生徒及び教職員等が使用する全ての部屋が対象施設になるとしています。

 

 


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