起業のアイデアと準備が整ったら次は退職手続きです。会社に退職届を出すだけでは退職手続きは完了しません。手続きに必要な書類や便利な法律知識を今一度確認しておきましょう。
目次
1 退職に必要な書類
会社を退職する際に貰うべき書類を確認します。失業手当を貰うためにも必要な書類になります。
・会社から受け取る書類
雇用保険被保険者証 | 雇用保険に加入していた者が、離職したことを証明する書類。ハローワークで失業手当の申請をする際に必要となる。在職中に「雇用保険被保険者証」の有無を確認しておきたい |
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雇用保険被保険者離職票 | |
厚生年金手帳 | 年金手続きに必要な手帳。入社時に作成されるもので、転職する場合、次の会社で必要となる |
健康保険被保険者資格喪失証明書 | 会社の保険から脱退したことを証明する書類。国民健康保険への加入の際に必要となる |
退職証明書 | 会社から退職したことを証明する書類。離職票の代わりにもなる。さらに公文書でないため、会社からすぐに発行してもらえる。 |
源泉徴収票 | 確定申告の際に必要な書類。給与の源泉徴収票と退職金の源泉徴収票の両方を受け取る。転職する場合にも必要となる |
2 雇用保険法の改正で失業手当が拡充
会社を退職してから起業するまで一時的に無収入状態となります。しかし、その間も生活費はかかるわけですから、失業手当は貴重な収入源になります。
昨年、雇用保険法の改正が行われ、失業手当ての拡充が図られました。4月より雇用情勢が悪い地域に居住する人の給付日数を60日延長する措置を5年間実施されます。また災害により離職した場合、給付日数を原則60日(最大で120日)延長できることになりました。
また倒産・解雇等により離職した30~44歳の人の給付日数が引き上げられ、 30~34歳は90日から120日に、35~44歳は90日から150日に延長されました。
さらに育児休業制度の見直しも行われ、原則1歳までとする育児休業を6か月延長しても保育所に入れない場合に限り、追加で6か月(2歳まで)の再延長を可能にしました。(参照:厚生労働省)
3 自営業を始めるなら社会保険の変更を!
起業して会社の厚生年金に加入するのではなく、自営業を始める場合は、国民年金と国民健康保険等に加入しなければなりません。
個人事業主やフリーランスが加入できる健康保険には、①国民健康保険、②国民健康保険組合、③任意継続の3種類があります。
・ 加入できる健康保険
1 | 国民健康保険 |
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2 | 国民健康保険組合 |
3 | 任意継続 |
国民健康保険組合は、個人事業主でも加入できますが医師や建設、土木、芸能人など職種が限定的です。
また、③任意継続とは、退職するまで勤めていた会社の健康保険を継続する方法です。任意継続するには資格喪失日から20日以内に、「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出する必要があります。
退職は禍根が残らないよう円満退職するのが理想です。次の仕事につなげられるような退職手続きをするよう心がけましょう。