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個人事業主に必要な会計知識 〜おすすめ会計ソフト7選紹介〜

個人事業主の皆さんは、それぞれ得意分野をお持ちで、その技術やスキルの習得について、勉強や努力を惜しまずにやって来られたのではないでしょうか。

 

ところが「会計」となると・・・日頃なじみのない分野でもあり、苦手意識の強い方も多いのではないでしょうか。「そんな難しいもの税理士に任せればいい」と思って、調べてみると税理士の顧問料も結構高いものです。そうなると、ある程度の売上規模になるまでは自分でやって見るしかありません。

 

では個人事業主に必要な会計知識とはどのようなものなのでしょうか?

 

 

1 個人事業主に必要な会計知識とは

もし、会計処理を行わなかったら、皆さんの会社にはどのような影響があるでしょうか?

 

  • 税金をいくら支払うことになるのかわからない・・・
  • いま儲かっているような気がするけど、本当かどうかわからない・・・
  • 追加の設備投資をしたいけど大丈夫かな・・・
  • 個人のお金と仕事のお金と区別がつかない・・・
  • 領収書の整理ができず、財布の中も机の中もパンパン・・・
  • 請求書が届いていたのに気付かずに支払が遅れてしまった・・・

 

では反対に正しい会計処理を行っているどうなるでしょうか

 

  • 今期の納税予定額を予想して資金の準備ができる。必要に応じて節税の対応ができる。
  • 全体だけでなく、部門別や店舗別、商品別の収支状況がわかり必要な対策ができる。
  • 現状の収支をベースに精度の高い事業計画が策定できる。
  • 業務に関係する経費を漏れなく計上できる。
  • 領収書の紛失などのリスクが少なくなる、ストレスが減る。
  • 期日通りに支払いを行い信用力が高まる。

 

皆さんの仕事の頑張りを、経営実績として反映し、更に事業を発展させてゆくためには、最低限の会計知識や会計処理ができる体制が必要です。

 

一般的には簿記3級程度の智識があれば十分対応できると言われておりますが、最近ではクラウド型の会計ソフトが基本的な事項はナビしてくれるようになっています。

 

教科書を見て「お勉強」をする時間もないと思いますので、日々の業務や決算・確定申告を経験しながら必要な知識を増やしてゆくのが近道と言えます。

 

 

2 「勘定科目」と「仕訳」は理解しておきましょう!

とは言え、最低限の知識は必要です。基本的な事項としては、「勘定科目」と「仕訳」の基本は理解しておいた方がいいでしょう。

 

 

2-1 勘定科目とは

勘定科目とは、簿記の分類集計の単位です。簿記とは現金や預金などの取引を帳簿に記録して決算書を作成する方法です。簿記では個々の取引を勘定科目に分類して集計します。

 

日々の取引内容が積み重なって一年分を集計したものが「損益計算書」「貸借対照表」といった決算書になります。

 

損益計算書の「収益」「費用」、貸借対照表の「資産」「負債・純資産」に分けて説明します。
よく使う項目だけでも、しっかりチェックしておきましょう。

 

①損益計算書

収益 売上 本業に関する収入
雑収入 本業以外の収入
費用 仕入 材料や商品の仕入の費用
租税公課 印紙代、個人事業税、自動車税など
荷造運賃 宅配便の運賃など
水道光熱費 電気代、ガス代、水道料金など
旅費交通費 通勤交通費、移動交通費、出張費、高速代など
通信費 電話代・郵便代・インターネット契約費用
広告宣伝費 チラシ印刷代、ホームページ作成などを外注した費用
接待交際費 取引先との飲食代、手土産代、贈答品代など
損害保険料 事務所の火災保険料など
修繕費 建物、車、コピー機などの修理費用
消耗品費 10万円未満の備品、家具、文房具などの費用
減価償却費 10万円以上の固定資産について耐用年数に合わせて毎年計上してゆく費用
福利厚生費 従業員の健康診断や社員旅行の費用
給料賃金 従業員へ支払った給料
外注工賃 外部業者に仕事を委託した場合の費用
利子割引料 借入金の利息など
地代家賃 事務所家賃、駐車場代金
貸倒金 売掛金等のうち回収不能となった金額
雑費 上記以外の経費

 

②貸借対照表

資産 現金 レジや金庫にある現金
当座預金・定期預金 取引銀行の預金残高の合計金額
受取手形 販売代金として受け取った手形でまだ決済されていないもの
売掛金 販売はしたが代金が入金されていないもの
有価証券 株式や国債・社債などの債券
棚卸資産 在庫および未使用の消耗品等
前払金 代金は支払済みだがサービスはまだ受けていないもの(家賃など)
貸付金 事業主以外の人に貸し付けたお金
建物 事業で使用する構築物
建物付属設備 事業で使用する構築物に付属する電気設備・空調設備
機械装置 事業で使用する機械装置
車両運搬具 事業で使用する車両
工具・器具・備品 事業で使用する工具・器具・備品
土地 事業で使用する土地
事業主貸 事業主個人に生活費などとして支払ったお金
負債・資本の部 支払手形 仕入代金等として支払った手形でまだ決済していないもの
買掛金 仕入はしたが代金をまだ支払っていないもの
借入金 金融機関や個人等から借入したお金
未払金 給料や家賃、水道光熱費などの経費でまだ支払っていないもの(仕入を除く)
前受金 代金は受け取っているがサービスはまだ提供していないもの(長期契約のサービスなど)
預り金 従業員や税理士等の源泉所得税など
貸倒引当金 販売代金の回収不能に備えて予め一部計上する費用
事業主借 事業主個人から借入や立替をしている現金
元入金 事業を始めた時の元金及び開始後に蓄積された利益

 

 

2-2 仕訳とは

勘定科目を分類集計する際にまず行うのは「仕訳」作業です。会社で発生したお金の出入について、伝票の左側(借方)と右側(貸方)に分けて記入してゆきますが、その際に伝票の左側と右側に勘定科目を振り分けてゆくことを「仕訳」と言います。

 

仕訳を行う時には必ず2つ以上の勘定科目を用います。

 

例えば、①商品を掛けで仕入れる時の仕訳は、
仕入 10万円    買掛金 10万円
(経費の発生は、左側に費用を記入します)

 

②商品が掛けで売れた時の仕訳は、
売掛金 15万円    売上 15万円
(売上の発生は、右側に売上を記入します)

 

③商品代金が普通預金に振り込まれてきたときは
普通預金 15万円    売掛金 15万円
(入金など資産が増えたら、左側に資産を記入します)

 

などの仕訳になります。

 

どちらが左側(借方)でどちらが右側(貸方)なのかは、ある程度は慣れの部分ですが、基本的な構造としては

 

左側(借方) 右側(貸方)
費用の発生
資産の増加
負債の減少
資本の減少
収益の発生
資産の減少
負債の増加
資本の増加

 

私も最初はどちらに何が来るのかわからなかったのですが、上のパターンの組み合わせですので、次のように理解してゆきました。

 

  • 経費を支払う → 費用の発生 と 資産の減少
  • 商品が売れる → 資産の増加 と 収益の発生
  • 掛けの支払い → 負債の減少 と 資産の減少
  • 掛けの回収  → 資産の増加 と 資産の減少

 

最初は慣れるのに時間もかかりますが、一ヵ月もあれば、一通りのパターンは経験できますので、翌月以降はそれを参考にしながら仕訳をしてゆくのもいいでしょう。

 

 

3 「日次」「月次」「年次(決算期)」に何をするかを理解しよう!

先ほどの勘定科目や仕訳については、繰り返し行ってゆけば、ほとんどの取引はスムーズに記帳してゆけます。毎日コツコツと処理し、その場で解決してゆけばそれほど苦労することもありません。

 

しかし処理をためてしまうと大変です。締め切りが迫る中で、調べたり聞いたりしながら手続きを進めるのは非常に苦しいものです。みなさんも覚えがあるかもしれませんが、夏休みの宿題を二学期の直前になって取り掛かるようなもので、あれが足りないこれがわからないと言っても始業式は近づいているのです。

 

そうならないためにも、毎日すること、毎月することを整理してみます。

 

①毎日行うこと

現金の出納管理 現金の出納管理や日々の残高突合を行います
立替経費精算 立替払いをした経費の精算業務や、仮払金の払い出しや精算業務を行います。小口現金制度をとっている会社もあります。
伝票の起票整理 売上や費用の発生に合わせて仕訳を行います。伝票の作成と領収書などの証憑書類の保存を行います
棚卸資産の受け払い処理の確認 仕入に伴う商品の検収・入庫や、販売に伴う出庫などの伝票処理を行います

 

*領収書は日ごとでホチキス留めして、1ヶ月分は袋で管理、1年分は段ボール箱で管理するなど、保存方法は工夫をしてみましょう。

 

なお領収書については

  • レシートでも構いません
  • 電車代や冠婚葬祭など領収書がもらえないような場面では出金伝票を作成しましょう
  • 保存期間は7年です

 

②毎月・毎年行うこと

取引先からの入金確認 銀行口座の入金や集金の状況を確認し消し込みをします
帳簿の締め 帳簿を締めて、当月の伝票を確定します
月次決算 月次決算を作成します
予算対比分析 月次決算の予算比実績を分析します
売掛金の長期分督促 長期未回収になっている売掛金の状況を確認します
給与計算支給 給与支払いのための処理を行います
源泉所得税の納付 毎月10日に源泉所得税を納付します
取引先への支払 取引先への代金支払いを行います
取引先への請求書発行 販売先に対して請求書を発行します
社会保険料の納付 毎月末に社会保険料を納付します
決算整理仕訳 決算整理仕訳を入力します
決算書の作成 決算書の作成を行います
従業員の年末調整 年末調整手続きを行います

 

 

4. 「決算」の流れを理解しよう!

決算とは、会計年度末における資産と負債の状況を明らかにし、会計年度内における収入と支出を計算して利益や損失金額を算出することを言います。個人事業主の場合も、法人と同様で1年に一度決算を行います。法人では任意の決算日を定めることができますが、個人の場合、決算日は12月31日で、1月1日から12月31日が会計年度と定められております。

 

 

4-1 個人事業主の決算とは

1年の間の収入や支出を集計し、利益額を確定したうえで支払うべき税金の金額を計算して確定申告を行います。確定申告を行わなかったり、遅れたりした場合にはペナルティがありますので、必ず確定申告期間内に申告書を提出しなければなりません。

 

 

4-2 決算の目的

決算の目的は、個人事業主の場合は、納めるべき税金の金額を計算することです。そのため、会計年度内に発生した収入や支出の金額を確定するとことから決算の作業が始まります。帳簿に記載されている取引に誤りや漏れがないかを確認することや、12月31日現在の商品在庫や消耗品の数量を計算する棚卸を実施します。

 

 

4-3 青色申告と白色申告

個人事業主の確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。

 

「青色申告」の方が、確定申告の際に控除できる金額が大きいなど、節税効果が高いことがメリットです。その分手続きに手間がかかるがデメリットとして挙げられます。

 

青色申告を行うには、その年の3月15日までに納税地の税務署長あてに「青色申告承認申請書」を提出します。一度提出すればその後も有効です。

 

手間がかかると言われている要因は「複式簿記もしくは単式簿記」での帳簿付けですが、最近ではクラウド型の会計ソフトも登場し、簿記の知識がなくてもある程度は簡単な入力で帳簿作成ができるようになってきました。

 

青色申告のメリットをまとめると以下のようになります。

 

・ 青色申告特別控除

複式簿記による帳簿付けをすると、最高65万円の控除を受けられます。白色申告の控除額10万円に比べ大きな差があります。

 

・ 損失の繰越控除

その年の赤字の金額を翌年以降3年間繰り越せます。開業直後は赤字が出やすいですが翌年以降に出た黒字と相殺することができ、節税効果があります。白色申告では赤字は繰越できません。

 

・ 青色専従者給与

15歳以上の家族に対して支払った給料は「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出することで、全額を経費として処理できます。白色申告は最大86万円までです。

 

・ 少額減価償却資産の特例

通常取得価額が10万円以上の固定資産は使用期間に応じ減価償却する必要がありますが、取得価額が30万円未満の固定資産は、特例として全額今期の費用として計上することができます。白色申告では特例はありません。

 

・家事按分

自宅を事務所兼用としている場合、家賃や水道光熱費などを業務で使用している割合に応じて経費処理できます。白色申告では50%以上を業務使用している場合のみ認められます。

 

白色申告を行うには、特に届出は要りません。青色申告の届け出をしなければ、自動的に白色申告になります。

 

白色申告のメリットは、その手軽さです。白色申告でも2014年以降、帳簿の作成は義務化されましたが、簡単な帳簿付け(単式簿記)でも認められています。単式簿記とは家計簿やお小遣い帳のようなものです。比較的シンプルな記録方法ですので、規模がそれほど大きくなければ、手軽な方法を選択するのも考え方です。

 

 

4-4 決算の流れ

具体的な決算の流れをまとめると以下のようになります。

 

取引の確定 会計年度内の取引を確定します。取引記帳の漏れや誤りがないか点検・確認をします。
棚卸の実施 12月31日時点の在庫の数量を計算します。期初棚卸金額+仕入金額-期末棚卸金額=当期の仕入金額 になります。
未収収益・未払経費の処理 決算期末を跨ぐ取引を整理します。長期契約などで代金は受取済みでサービス未提供の収益や、家賃や公共料金などサービスは提供済みで代金は未払の経費について、当期分のサービスのみを計算して計上します。
固定資産の経費処理 固定資産の減価償却などの処理を行います。期間中に取得した固定資産の場合、金額に応じて、通常の減価償却だけでなく、分割や一括での費用計上を選択することができます。
回収不能債権の処理 回収不能の未収金・売掛金を貸倒損失で計上します。法的整理が行われた債権や、長期未収状態の売掛債権について必要に応じ損失で計上又は貸倒引当金を積みます。
家事関連経費の整理 自宅兼事務所の場合の家賃や光熱費の経費処理を整理します。自家用車を業務で使用している場合も同様です。
青色申告決算書の作成 青色申告控除や専従者給与控除などを活用し、「所得税青色申告決算書」を作成します。白色申告の場合は「収支内訳書」を作成し、所得金額を計算します。
確定申告書Bの作成 青色申告決算書や収支内訳書で計算された所得金額の数字に基づいて「確定申告書B」を作成します。
確定申告書の提出 決算日の翌年2月16日から3月15日が確定申告期間です。①税務署に持参②郵便で送付③e-Taxでネット申告が選択できます。
納税 所得税・消費税・住民税・個人事業税を定められた期間内に提出します。

 

個人事業主でも、現在の経営状況を把握するためや、所得や納税額を上手にコントロールするためにも、最低限の会計知識は持っておいた方がよいでしょう。

 

全ての知識を身に着ける必要はありませんが、勘定科目や仕訳といった知識や、日々処理しておく事項、決算の流れは抑えておきましょう。

 

最近ではクラウド型の会計ソフトも、手ごろな値段で販売しており、各種サポートも充実しています。顧問税理士と契約するまでは負担が大きいとお考えの方も、会計ソフトを使いながらであれば必要な会計の事務処理及び実務知識を吸収してゆくことができます。

 

わからない点は、ソフト会社のサポートサービスや、国税庁のタックスアンサー、最寄りの税務署を積極的に活用しましょう。

 

忙しい個人事業主の方でも、正しい会計知識と、確実な事務処理ができれば、確定申告は怖くありません。

 

 

5 会計事務所と税理士事務所の違い

サラリーマンの場合は、会社が代わりに所得を申告して、所得税や住民税を納めてくれますので気にすることはありませんが、個人事業主や資産家などを、事業や資産運用で得た所得を税務署に報告して税金を納める必要があります。企業についても同様です。このときに個人や企業をサポートするのが会計事務所や税理士事務所ですが、普段の生活に馴染みがないため違いがわからないという人も多いと考えられます。本記事では会計事務所と税理士事務所の違いについて説明します。

 

 

5-1 会計事務所は公認会計士がいて、税理士事務所には税理士がいる?

では会計事務所と税理士事務所の違いについて説明していきます。
まず一般的な理解として、会計事務所には公認会計士が所属して、税理士事務所には税理士が所属していると違いが説明されることがあります。つまり、公認会計士の業務を行うのが会計事務所、税理士の業務を行っているのが税理士事務所という理解です。

 

確かに税理士の事務所は税理士事務所、公認会計士の事務所は会計事務所と名乗っていることが多いです。

 

 

5-2 実は自由に名乗っても良い?

ただし、税理士しかいないのに会計事務所を名乗ってはいけないという決まりはありませんし、「公認会計士税理士事務所」と名乗っている事務所もあります。

 

つまり、税理士事務所なら税理士業務を行っていて、会計事務所なら会計士業務を行っている可能性が高いと予想できますが、必ずしもすべての事務所がこのルールに従って名前を付けているわけではありません。

 

名前だけでどのような業務を行っているのかを判断するのではなく、きちんとその業務内容と所属している人材の資格をベースに何を行っている事務所なのかを判断するべきです。

 

とはいえ、多くの事務所では税理士事務所が税理士業務、会計事務所が会計士業務を行っているので、ここからは税理士業務を行うのが税理士事務所、会計士業務を行うのが会計事務所という前提で業務内容の違いについて説明します。

 

 

6 税理士事務所の業務内容

まずは税理士事務所の業務内容について説明します。税理士事務所の主要な業務は「税務書類の作成」「税務代理」「税務相談」という3つに分類することができます。

 

 

6-1 税務書類を作成する

事業や投資活動を行っている個人は一年間に一回確定申告で所得を申告して税金を納める必要がありますし、企業は一年に一回決算を行って税務署に利益を申告して税金を納める必要があります。

 

この申告書類を作成するのは素人には大変です。もともとルールが複雑ですし、更に法律などによって、どのように帳簿を付ければ良いのか、税金がどの位かかるのかなどのルールは頻繁に改訂されます。

 

よって、事業や資産運用によってある程度収益を上げている個人や企業は税理士に税務書類の作成を代行してもらうことが一般的です。

 

税理士は帳簿の付け方などを企業や個人に対して指導しながら税務署に提出する税務書類の作成を行います。

 

 

6-2 税務代理を行う

また、税理士が行う業務として「税務代理」という業務もあります。税務代理とは税務署への税金の申告、決定に対する不服申し立て、税務調査の立ち合いなどをクライアントの代理で行うことを指します。端的に説明すれば税務署との交渉を代行するということです。

 

本来的には上で説明した、申告や不服申し立て、調査への立ち合いはその対象となる本人が行うべきですが、これらの業務には専門的な知識や経験が必要になるので、素人はうまく対応することができません。

 

よって税理士がその専門知識を活かして業務を代行することが認められています。

 

 

6-3 税務相談を行う

税理士は税務相談を行う事もあります。先ほども説明した通り税金に関する法律は複雑で頻繁に改訂されるので、税理士業務を行わない個人がその手続きや節税方法について把握することは非常に困難です。

 

相続や贈与、法人税対策などについて税理士に相談することによって、個人では思いつかなかったような節税策を教えてもらえる可能性があります。

 

ちなみにここまでで説明した3つの業務は税理士の独占業務です。つまり、税理士以外の人が対価を貰ってサービスを提供してはいけません。資格の無い人がクライアントの代わりに税務書類を作成したり、税務代理や税務相談を行うと税理士法違反として処罰されるかもしれません。

 

 

6-4 その他の業務

税理士として行える業務は上の3つですが、コンサルティングを行っている税理士事務所も存在します。例えば企業の資金調達を手伝ったり、企業価値を算定するデューデリジェンスという業務を行うこともありますし、企業の戦略立案や事業再生などにも関わる場合もあります。

 

また、保険代理店業務を行っている税理士事務所も存在します。企業経営者や投資家に節税などのアドバイスを行う立場なので保険のような金融商品が売りやすく、節税効果も期待できるからです。

 

もちろん、これらの業務は税理士の独占業務ではないので税理士だけしか行えない業務というわけではありません。 

 

 

7 会計事務所の業務内容

続いて、会計事務所の業務内容について説明します。会計事務所は税理士業務+監査業務を行うことができます。

 

 

7-1 公認会計士は税理士業務もできる

まず、公認会計士は税理士業務も行うことができます。先ほど、税務書類の作成、税務代理、税務相談の3つは税理士の独占業務で、無資格者が勝手にサービスを提供すれば税理士法違反で処罰される可能性があるという説明をしましたが、公認会計士の資格があれば税理士登録を行うことができます。つまり、手続きさえ行えば会計事務所が税理士業務を行うことは可能なのです。

 

ちなみに、税理士資格があっても公認会計士登録を行うことはできません。資格を取得することによって許可される業務内容の幅で考えると、公認会計士は税理士の上位互換だと言えます。

 

もちろん、実務的には税理士の方が税理士業務に詳しいことが多いので、税理士に依頼した方が良いです。ただし、例外的に会計事務所に税理士業務を頼んだ方が良いケースもあります。例えば、上場企業は決算書を作った後に会計事務所の監査を受けることになりますが、監査のルールを知っている会計事務所が決算書類を作成した方がその後の監査を通過しやすくなるので、監査法人やそのグループの税理士法人に決算業務を依頼する方が業務をスムーズに行えます。

 

 

7-2 「監査業務」は公認会計士しかできない

公認会計士が行えて、税理士やその他無資格者が行えない業務が監査業務です。監査とは企業の財務情報が正確なのか、適正な手続きが行われたのかを確認する業務のことを指します。監査には法律上必要な法定監査と任意で行われる任意監査があります。

 

法定監査の代表的な例として挙げられるのが上場企業の監査です。上場企業の株式が市場を通じて自由に売買できるので、不特定多数の投資家を保護するために金融商品取引法によって監査を受けることが義務付けられています。会計事務所は上場企業の財務書類をチェックして粉飾決算が行われていないか、正しい手続きで書類をチェックしているかを確認します。

 

任意監査が行われるケースとしては企業を買収する際などが挙げられます。法律には定められていませんが、大型のM&Aを行う場合は、企業価値算定に前提となる決算書などの財務書類の信憑性を確認するために任意監査を行うことも多いです。

 

 

7-3 コンサルティング業務を行うことも多い

独占業務ではありませんが、会計事務所もコンサルティング業務も行っていることも多いです。大手のコンサルティング会社の歴史を紐解けば会計事務所から派生したコンサルティング会社はたくさん存在します。また、会計事務所がコンサルティング会社をM&Aにより取得する事例を見受けられます。

 

どちらも企業経営に関するサポートということ相性が良いです。

 

 

8 業務内容の相違点

以上のように税理士事務所と会計事務所の仕事について説明しましたが、業務内容の相違点だけピックアップして説明します。

 

 

8-1 税理士業務は両方行えて、会計事務所しか監査業務は行えない

まず、公認会計士は登録すれば税理士業務も行えるので、税理士の独占業務は公認会計士にも行えます。反対に公認会計士の独占業務である監査業務は税理士には行えません。

 

独占業務だけで考えると公認会計士は税理士の上位互換になりますが、財務に業務は領域が広いので、会計事務所に依頼すれば必ず税理士事務所よりも良いサービスが受けられるというわけではありません。

 

 

8-2 会計事務所個人を相手にしない

まず、税理士法人も会計事務所も企業を対象に仕事を行いますが、会計事務所は個人を対象にサービスは行いません。監査業務の対象は企業です。また、制度上は公認会計士ならば税理士として登録することができますが、個人相手の税理士業務は公認会計士の専門性を活かせないのでどちらかと言えば、個人に対して会計事務所がサービスを行うケースは少ないです。(とはいえ、監査の仕事はある程度大きな企業にしかニーズが無いので、独立した公認会計士の個人事務所が収益を確保するために個人向けの税理士業務を行うケースはあります。)

 

 

8-3 両社ともコンサルティングを行っていることが多い

会計事務所の税理士事務所もコンサルティング業務を行っていることが多いです。コンサルティング業務とは企業向けに経営戦略や財務戦略のアドバイスをするサービスのことを指します。大手の会計事務所グループは内部に税理士法人と監査法人(会計事務所)、コンサルティング会社の3つを抱えていることが多いです。

 

ちなみに、コンサルティングは公認会計士や税理士の独占業務ではないのでどのような会社でもサービスを提供することが可能です。

 

 

9 公認会計士と税理士の試験の違い

上で説明した通り、基本的には公認会計士になれば税理士登録も行うことができます。そしてどちらも国家資格ですが試験の内容が異なります。最後に公認会計士と税理士の試験の違いについて説明します。

 

 

9-1 公認会計士の試験

まずは公認会計士の試験について説明します。

 

①試験概要

公認会計士の試験には2つのステップがあります。まず一次審査として年2回開催される短答式試験に合格数する必要があります。そして合格者は二次審査として年1回開催される論文式試験に受験します。この論文試験に合格すると公認会計士試験合格となります。

 

ただし、試験に合格してもすぐに公認会計士として登録できるわけでありません。2年以上の業務補助など、もしくは実務補習・修了考査を行ってから登録できるようになります。

 

②受験資格

受験資格は特になく、学歴、年齢、国籍に関係なく誰でも受験可能です。ちなみに、大学教授や博士号の取得者や一定の実務経験者などは、短答式試験を免除される場合があります。免除されるためには免除申請を行い、審査に合格する必要があります。更に一度、短答式試験に合格すると合格から2年を超えない限り短答式試験は免除されます。

 

③試験科目

試験科目は全9科目で必修が5科目、選択科目が4科目の中から1科目を選ぶことになります。必修科目は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法の5つです。選択科目は経営学、経済学、民法、統計学の4つです。選択科目では経営学を選択する受験者が多いようです。

 

 

9-2 税理士の試験

続いて税理士の試験について説明します。

 

①試験概要

税理士試験は年に1回行われます。税理士試験全11科目のうち5科目で合格点を獲得すれば合格になります。合格した科目は生涯有効で1回の試験で5科目に合格する必要はありません。例えば1年に1科目ずつ合格して5年で5科目に合格するという方法でも税理士になれます。

 

②受験資格

税理士試験には受験資格があります。一定の学識もしくは資格、もしくは職歴に関する条件が満たされないと受験することはできません。ただし、それほど難しい受験資格ではありません。大学で法律や経済を専攻していれば受験することができますし、それ以外の人でも日商簿記検定1級や全経簿記検定上級などに合格すれば受験することが可能です。また、学識も資格もなくても会計事務や税理士や弁護士などの補助業務などの実務経験があっても受験することができます。

 

詳しくは下記の国税庁のURLから確認してください。
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikaku/shikaku.htm

 

③試験科目

税理士試験では全11科目の中から5科目を選択して受験します。科目は会計科目と税法科目にわかれています。会計科目は必須科目で簿記論と財務諸表論の2科目に合格する必要があります。税法科目は所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税の9科目のうちから3科目を選択します。ただし、所得税法と法人税法のどちらか1科目は選択する必要があります。消費税法と酒税法、住民税と事業税は同時に選択することはできません。

 

 

10 個人事業主にこそ会計ソフトがおすすめ

毎年確定申告の時期が近づいてくると「またこの時期が来たか・・・」と、重たい気分になる個人事業主の方も多いのではないでしょうか。こうなることはわかっていながらも「少しずつでも進めておけばよかった」と、夏休みの宿題をギリギリになるまで手を付けなかった小学生の頃を思い出す方もいるでしょう。

 

個人事業主の場合、税理士に経理処理を全て任せるには費用的に難しいでしょう。そうした意味では、経営者自身である程度経理処理を行わなければならず、会計ソフト選びはまさに事業のパートナー選びでもあります。それぞれの業種や事業規模、経営者の会計知識、そしてコストなどに応じて適したソフトを選んでゆく必要があります。

 

これから、個人事業主におすすめな会計ソフトとその選び方をご紹介します。

 

 

11 会計ソフトとは

個人事業主の使用する会計ソフトは、日々の取引内容を入力し、決算・確定申告の時期にその取引内容を集計してゆくものです。白色申告の場合は単式簿記と言って、お小遣い帳や現金出納帳に近いものでもよいのですが、青色申告の場合は複式簿記の作成が必要です。ここでは青色申告の場合を想定して話を進めてゆきます。

 

個人事業主の複式簿記ではポイントが2つあります。

 

一つは「仕訳」です。
複式簿記では取引の内容を左側(借方)と右側(貸方)に分けて、伝票に記入します。この作業を「仕訳」といいますが、この際、例えば支払った経費が「交通費」「会議費」などどの勘定科目に該当するのかを振り分けてゆきます。

 

この作業がまずは手間がかかり、会計知識が必要な部分です。

 

もう一つは「決算処理」です。
日々の業務としては、仕訳を行って、取引内容を記帳してゆきますが、個人事業主の会計年度末である12月31日には、その年取引を締め、2月16日~3月15日の間に行う確定申告までに必要な会計処理を行います。これを「決算処理」といいます。
決算処理としては

 

  • 取引内容の確認
  • 未収収益・未払経費の処理
  • 固定資産(減価償却)の処理

などの処理を行って、収支内訳書(決算申告書)や確定申告書を作成します。

 

 

12 会計ソフトが必要な理由

もし会計ソフトを使わなかったら経理処理はどうなるのでしょうか?
会計ソフトがないときは、自分で勘定科目を調べ、貸借を合わせていかなければなりません。科目ごとに集計して、現金出納を合わせて、通帳残高を合わせて・・・複式簿記では貸借対照表・損益計算書をはじめ、数種類の会計資料を作成しなければなりません。

 

また決算処理についても、全ての項目を網羅できずに処理が漏れてしまうことや、控除に必要な要件を見落としてしまうこともあります。

 

税理士に相談するにも手許である程度まとまっていなければ相談できません。結局は丸投げして高い顧問料を支払わなければならなくなります。

 

会計ソフトはそうした手間をできるだけ省いていくためのツールです。例えば入力した取引内容が、自動的に仕訳されて、その内容が複数の資料に科目ごとに自動集計されてゆきます。最近ではレシートをカメラで読み取ると自動的に仕訳まで行ってくれるソフトや、銀行取引明細をインターネットから取り込んで自動的に仕訳をする機能もあります。

 

また決算処理について「仕事とプライベートで兼用しているものはありますか?」「税理士や弁護士などに報酬を支払いましたか?」など、一問一答式で手続きをナビゲートしてくれるソフトもあります。

 

メールやチャット、電話によるサポートもあり、いわば税理士の代わりとして確定申告手続きをサポートしてくれる存在です。

 

 

13 おすすめ会計ソフトを紹介

会計ソフトの種類にはどんなものがあるのでしょうか?

 

大きく分けると、インストール型(ソフト型)とクラウド型の二種類あります。
インストール型は、会計ソフトを購入、またはダウンロードして、PC端末にインストールして使用します。以前はこのタイプが大半で、現在でも多くの企業で広く利用されています。

 

インストール型のメリットは、オフラインで利用できる点です。会計に関する情報は企業の重要情報ですので、インターネット上にアクセスできる環境で利用するには情報漏洩のリスクがあります。また基幹業務についてはクラウドサーバーでは不安定と考える経営者もいるためです。

 

デメリットとしては年一回程度バージョンアップが必要で、その都度費用がかかる場合があります。

 

クラウド型の会計ソフトは、PC端末へのソフトのインストールが不要です。初期設定もほとんどいらないため、インターネット接続の環境があれば、いつでもどこでも会計ソフトを使用することができます。

 

また基本的にwindowsだけでなくMacでも使用することができ、端末を選びません。最近ではスマホを使用しての入力もできるようになっています。経費を支払ったらその場でレシートを撮影すると、自動的に仕訳を行いデータ入力が完了するものもあります。

 

現在の帳簿や、試算表の確認を行うことができるので、経営者にとっては、いつでもどこからでも経費処理だけでなく経営状況の確認が行えるようになりました。

 

定期的に必要なバージョンアップの手続きも、サーバー側で処理を実施してくれるので負担が少なく、常に最新バージョンの会計ソフトを利用できます。

 

デメリットとしては、毎月または毎年利用料がかかりますので、インストール型に比べると結果的に割高になる場合があります。

 

 

14 会計ソフトの選び方

会計ソフトの選び方は、主な使用目的や、経営者の会計知識、そして費用面からバランスよく選ぶ必要があります。

 

確定申告や税金の計算のために導入するのか、日々の記帳入力の効率化のために使うか、事業管理や業績管理のために使用するのかによって、それぞれの選ぶソフトが変わってきます。

 

価格が高すぎないということは最低条件として、「どんなことができるか」「その機能を誰が使うか」をイメージしながらそれぞれの製品の特長を見てゆくとよいでしょう。

 

またインターネットバンキングや給与計算ソフトとの連携も重要です。効率よく業務を行う上で、効率よくデータを取り込むことや、外部にデータを出力できれば、会社全体の業務をスムーズに行うことができるようになります。

 

カスタマーサポートも重要な要素です。とくに税理士がチェックしない場合、もし税務や会計知識に詳しいものがいなければ、入力や操作方法だけでなく、仕訳の方法や、決算処理の方法までメールやチャット、電話でのサポートがどの程度ついてくるのかも大切な要素です。

 

導入コストは、初期費用無料のものから数万円のパッケージまで幅広くあります。インストール型の場合は初期費用がかかる場合がほとんどで、ランニングコストはバージョンアップ作業程度です。クラウド型の場合は、初期費用はかからず、ランニングコストが中心です。

 

コストは安いに越したことはありませんが、必要な機能があるのか、不足しているスキルをカバーできるのか、価格が高い場合には必要な機能が充実していてコストがあって高いのか、必要ない部分で高いのか見極めてゆく必要があります。

 

 

15 おススメ会計ソフト7選

それではおススメ会計ソフトとして7つをご紹介します。

 

  • ①freee
  • ②やよいの青色申告オンライン
  • ③MFクラウド確定申告
  • ④ソリマチ みんなの青色申告
  • ⑤やるぞ!青色申告
  • ⑥MJS かんたん青色申告
  • ⑦ツカエル確定申告

 

 

15-1 freee

「経理ビギナーや開業直後などの方におすすめはfreee!」

 

freeeは、簿記や経理処理は初めてという個人事業主や、開業直後でまだ手間や時間がかけられないという人も安心して使うことのできるソフトです。

 

freeeの特長の1点目は、仕分けの入力が単式簿記形式なので、誰でも簡単に入力ができる点です。入力を始めるとヘルプとしていくつかの候補が表示され、その中から勘定科目を選んでゆきます。勘定科目が分かっている人は文字列を入力すると自動的に絞り込んで、候補をいくつか提示してくれます。経理処理が初めてという方でも、ソフトから提示された候補から選択してゆくことで勘定科目の入力ができているという点は安心です。

 

freeeの特長の2点目は、外部からのデータ連携を行いやすい点です。「自動で経理」という機能がついており、例えば銀行のネットバンキング口座の情報を入力するだけで、同期された口座情報をもとに自動で勘定科目を推測し、仕訳を作成します。

 

またレシートを撮影したものや、スキャンして取り込んだものも自動で仕訳がされるため、仕訳の作業自体が不要になり、経費を支払ったその場で処理が完了します。

 

freeeの特長の3点目は、確定申告までできる点です。決算処理は通帳残高の入力や、固定資産残高の確認など、表示された項目に沿って入力を行います。また「仕事とプライベートで兼用しているものはありますか?」「税理士や弁護士などに報酬を支払いましたか?」など、一問一答式で申告に必要な項目について、ガイダンスがありますので、はじめて申告をされる方にとっても、大変わかりやすい仕組みとなっています。

 

一方で、freeeでは項目の移動にマウス操作が入るため、tab入力中心のソフトに比べると入力のスピード感はやや不足します。tab入力に慣れている方や入力する仕訳ボリュームの大きな会社にとってはストレスを感じる部分です。

 

・クラウド型・インストール不要
・windows/Macいずれにも対応
・PC/スマホ/タブレット いずれにも対応
・スタータープラン 980円/月 9800円/年
スタンダードプラン 1980円/月 19800円/年
・バージョンアップ費用 無料
・預金取引:自動取得可能
・チャット及びメールサポート (オプション)電話サポート

 

 

15-2 MFクラウド確定申告

「MFクラウドは、経理がわかる人や、仕訳件数の多い会社にはおススメです!」

 

MFクラウドは、家計簿ソフトでも人気のある「マネーフォワード」の運営するクラウド型会計ソフトです。三菱UFJキャピタルなど複数の大手金融系企業からの出資を受けております。

 

MFクラウド確定申告の特長の第1点目は、スピーディな入力が行いやすい点です。Tabキーにより入力を進めることができ、勘定科目をドロップダウンから選択できます。「簡単モード入力」と、簿記経験者向けの「振替伝票入力」など、担当者のレベルに合わせて入力方法を選択できます。経験者であれば、一般的な法人の会計ソフトレベルでの使用感で入力を進めることができます。

 

法人向けのMFクラウド会計にもデータ対応しており、将来的に法人への組織変更を検討する場合は、データ移行可能なMFクラウド確定申告を選択するのも方法です。

 

MFクラウド確定申告の特長の第2点目は、銀行口座やクレジット口座とのデータ連携がスムーズな点です。データ連携の制度も高く、ストレスなく利用できます。また銀行口座だけでなく、au Wallet やWAONなどの電子マネー、amazonや楽天などの物販サイトとの連携数もダントツです。個人の家計管理ソフト「マネーフォワード」の持つ技術力が活かされています。

 

MFクラウド確定申告の特長の第3点目は、フリープランを選択すれば年会費無料でずっと利用できる点です。年間の取引件数が50件以内という制限がありますが、無期限で年会費無料のまま利用できます。50件を超える場合は、ベーシックプランとなり件数無制限で利用できます。こちらは800円/月の利用料がかかりますが、クラウド型のサービスの月額利用料としては十分に安い設定となっています。

 

一方、スマホアプリについてはMFクラウド確定申告の場合はデータ閲覧が主な用途になりますので、レシート撮影や自動仕訳などは弱いポイントです。

 

・クラウド型・インストール不要
・windows/Macいずれにも対応
・PC/スマホ/タブレット いずれにも対応
・フリープラン 無料
ベーシックプラン 800円/月 8000円/年
 安心電話サポート付きベーシックプラン 17200円/年
・バージョンアップ費用 無料
・預金取引:自動取得可能
・メールサポート(フリー)+チャット(ベーシック)+電話(あんしん)

 

 

15-3 やよいの青色申告オンライン(クラウド)

「実績とサポートの手厚さがで選ぶなら、やっぱりやよいの青色申告です!」

 

パッケージ版でも実績がありますが、クラウド会計ソフトも、やよいの青色申告オンラインは2018年のシェアNO1です。15年連続NO1、およそ6割のシェアを占めています。

 

やよいの青色申告オンラインの特長の第1点は、その実績です。弥生シリーズは国内シェアの過半数を占め、ユーザー数も多く、書籍やネット情報もたくさん出ています。やよいは社歴も古く、クラウド型サービスの運営実績も長いため、システムトラブルやセキュリティ対応などへのシステムが整っています。

 

やよいの青色申告オンラインの特長の第2点は、サポートの手厚さです。ベーシックプランでは、電話・メール・チャットによるサポートが受けられます。ソフトの操作方法だけでなく、仕訳や確定申告、その他経理業務の相談まで幅広く対応しています。年間12000円の手数料でそこまでのサポートを受けられるのは、弥生会計シリーズ全体のユーザー数の多さからと言えます。

 

やよいの青色申告オンラインの特長の第3点は、入力の簡単さです。「かんたん取引入力」では、専用フォームからプルダウン中心で入力が可能です。チェックボックスをONにしておけば前回の入力内容が残るため、定期的な支払いの場合などは入力の手間を省くことができます。「スマート取引取込」では、スマホ版の専用アプリや「弥生レシート取込」を使い、領収書やレシートを撮影してクラウドに登録できます。登録後に「スキャンデータ取込」を開くと読み込んだ内容に基づき自動的に仕訳がされます。

 

一方で気になる点は、自動連携機能です。銀行口座やクレジットカードとの連携は他のソフトに比べると円滑さや精度にやや欠ける面があります。

 

・クラウド型・インストール不要
・windows/Macいずれにも対応
・PC/スマホ/タブレット いずれにも対応
・セルフプラン 一年間無料 二年目8000千円/年
ベーシックプラン 12000円/年・バージョンアップ費用 無料
・預金取引:自動取得可能
・メール・チャット・電話(ベーシック)

 

 

15-4 ソリマチ「みんなの青色申告」

「使いやすさが評判のソリマチ「みんなの青色申告」!」

 

ソリマチの「みんなの青色申告」は使いやすさが評判で、利用者満足度も高いソフトです。価格も同クラスのインストール型のソフト(やよいの青色申告)と比べても2-3000円安く、また書籍やネットでの情報も多いことから、困ったときの解決方法も参照しやすいです。

 

最近はマニュアルをPDFで提供する会社も多いですが、ソリマチは紙で確定申告の解説本が付属されており、シンプルでわかりやすいソフトと言えます。MoneyLink機能で外部データの取込もスムーズに行えます。

 

・インストール型
・windowsのみ対応
・PCのみ対応
・定価10584円 アップデート無料 バリューサポート6000円/年
・預金取引:取得可能
・電話・メール(バリューサポート)

 

 

15-5 やるぞ!青色確定申告

「土日祝もサポートのある「やるぞ!青色申告」!」

 

やるぞ!青色確定申告はお得な2ライセンスでの導入となっており、記帳代行業務を行っている税理士事務所や複数の申告者を抱える会社などで活用できます。WindowsはもちろんMacにも対応してします。

 

「節税申告フルサポートパック」では、土日祝のサポート、電話・メールの他にリモート操作にも対応しており(15ヵ月間)、手厚いサポートで10800円というコスパにも優れた商品です。

 

・インストール型
・windows/Macいずれにも対応
・PCのみ対応
・節税申告フルサポートパック定価10800円
・かんたん節税申告パック 定価8800円 アップデート無料 
・預金取引:csv取得可能
・メール(かんたん)+電話・リモート(フルサポート)

 

 

15-6 MJS かんたん青色申告

「TVCMでもおなじみの「MJS かんたん青色申告」!」

 

MJSかんたん青色申告は、TVCMでもお馴染みのミロク情報サービスが販売する個人事業主向け会計ソフトです。入力画面もわかりやすく、初心者にも使いやすいと評判の会計ソフトです。

 

複数の帳簿を開いたままで素早く画面を切り替えることができる機能や、自宅兼用事務所などの家事按分の設定機能など、実用的な機能がしっかりと盛り込まれています。
無料体験版もあるのでまずは体験してみてはいかがでしょうか。

 

・インストール型
・windowsのみ対応
・PCのみ対応
・定価7200円 あんしんサポート(1年)5400円
 5年間無償アップデート付15800円 
・メール+電話・FAX・リモート(あんしん)

 

 

15-7 ツカエル青色申告

ビズソフトの「ツカエル」シリーズの青色申告版です。機能としては十分に青色申告に活用できる機能が含まれています。一番の特長はやはり価格の安さです。ダウンロード版では5000円の初期費用で導入ができます。銀行取引についてcsvデータでのやりとりが可能です。

 

オプション(年4800円)で部門管理機能や集計表機能、予算管理機能を加えることもできます。シンプルな作りですが必要に応じて機能を追加しましょう。

 

・インストール型
・windowsのみ対応
・PCのみ対応
・定価7400円 ダウンロード版5000円
 オプション4800円
・預金取引:csv取得可能
・メール・電話

 

 

16 まとめ

個人事業主にとって、決算や確定申告は逃れることのできない業務です。経理関係は苦手意識を持っている方も多いと思いますが、会計ソフトを上手に活用することで、かなりの負担を軽減することができます。

 

使用目的や、経営者の会計知識、そして費用面からバランスよく会計ソフトを選んでゆきましょう。

 

 


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