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GPU製造大手の米NVIDIA、新事業が好調?

(出展:INVEST CORRECTLY)
(出展:INVEST CORRECTLY)

今年5月にトヨタ自動車と自動運転技術で提携することで合意した半導体製造大手の米NVIDIA社が好調です。
同社は3Dグラフィックや美麗な3DCGゲームをするのに欠かせない画像処理装置であるGPUの製造を得意としており、有名なGeforseシリーズをはじめ、数多くのグラフィックチップを開発し業界を牽引してきました。

世の中には社名が変更した会社の中で、ときには長すぎるものがあります。埼玉県上尾市に本部を構えるケータイショップ「もしもしモンキー」を運営する「もしもん株式会社」は2014年、社名を以下のように変更しました。

 

最近は任天堂のNintendo Switch(ニンテンドースウィッチ)向けにTegraプロセッサを提供したことで知られ、同ゲーム機の売れ行きが好調のため、プロセッサ事業は前年同時期比で2倍以上の利益を記録しました。

 

次世代のインテルとも評されるNVIDIA。ゲームに今日がなくても一度はチェックしておきたい成長企業です。

 

 

目次

  1. 1 NVIDIAってどんなメーカー?
  2. 1-1 売上高約50%増となる19億4000万ドル
  3. 1-2 日本企業との連携が後押し
  4. 2 自動運転技術分野への進出
  5. 2-1 トヨタが惚れ込んだ自動運転技術
  6. 2-2 サプライヤー大手の独Boschとも提携

 

1 NVIDIAってどんなメーカー?

カリフォルニア州に本拠地を置くNVIDIAは1993年に創業され、96年には性能が重要視される3Dグラフィックレンダリング※であるDirect3DをはじめてサポートしたMicrosoft DirectXドライバを開発、公表しました。

 

そして99年にはGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を発明。世界初のGPUとして発売された「Geforse256」はNVIDIAの名を世に広めました。

 

2002年には累計1億台のプロセッサの出荷を達成し、フォーチューン誌が選ぶアメリカの急成長企業に選出されます。また05年にSONYのプレイステーション3向けプロセッサの開発を発表し、日本とも関わりの深い企業となりました。

 

08年に開発したTegraプロセッサはスマートフォンやタブレット、そして今年3月に発売されたばかりのニンテンドースウィッチにも使用されています。

 

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(▲カリフォルニア州・サンタクララに構えるNVIDIA本社オフィス / FOCUS)

 

※ レンダリング(rendering)とは、画像や画面の内容を指示するデータの集まり(数値や数式のパラメータ、描画ルールを記述したものなど)をコンピュータプログラムで処理して、具体的な画素の集合を得ること。そのためのハードウェアやソフトウェアのことを「レンダラー」(renderer)あるいは「レンダリングエンジン」(rendering engine)などと呼ぶ。画像だけでなく映像や音声を生成することもレンダリングということがある。(参照:IT用語辞典 e-Words)

 

 

1-1 売上高約50%増となる19億4000万ドル

NVIDIAによると、5月に発表された2017年第1四半期の売上高は前年同期比48%増の19億4000万ドル(2165億円)だったことがわかりました。また、営業利益では前年同期比で126%となる5億5400万ドル、純利益は前年同期比で144%増となる5億700万ドルと、驚異的な伸びを記録しました。

 

・ 2017年第1四半期

(単位:百万ドル)

  Q1 FY18 Q4 FY17 Q1 FY17 Q/Q Y/Y
売上高 1,937 2,173 1,305 11%減 48%増
売上高総利益率 59.4% 60.0% 57.5% 60bps減 190 bps増
営業費用 596 570 506 5%増 18%増
営業利益 554 733 245 24%減 126%増
純利益 507 655 208 23%減 144%増

 

大幅に増益したことについて同社CEO(最高経営責任者)のジェンスン・フアンは、

 

「AI革命はハイペースで進み、加速し続けています。NVIDIAのGPUディープラーニングプラットフォームは、研究者、インターネット大手および新興企業にとって最適なツールです。なぜなら、未来を作り出しているのはそうしたお客様だからです」(参照:NVIDIA プレスリリース)

 

と語り、今後もAI事業に注力していくことを表明しました。

 

 

1-2 日本企業との連携が後押し

NVIDIAの大幅増益の要因には、日本企業との提携による自動運転やスパコン開発におけるCPU、GPUの急激な需要増大きく影響しています。

 

たとえば、東京工業大学は今年2月、同社のコンピューティングプラットフォームで日本最速のAIスパコン「TSUBAME3.0※」を開発すると発表しました。

 

同社プレスリリース(2月27日付)によれば、新型のTSUBAME3.0では旧型であるTSUBAME2.5に対して2倍以上の性能になることが見込まれており、電力効率が過去のGPUの約3倍となるデータセンターアクセラレータ「Tesla P100 GPU」によって、世界のスパコン10位以内に入る高速処理が期待されています。

東工大

(▲TSUBAME3.0の完成予想図 / 参照:東京工業大学ホームページ

 

TSUBAME 2.5とTSUBAME3.0を併せて運用することで、日本最速処理性能を持つAIスパコンが誕生することになります。

 

このほか、富士通は同社のDGX-1™ AIシステムを使用して、理化学研究所向けに新たなAIスーパーコンピューターを製作すると発表しました。

 

※ TSUBAMEは、東工大が開発を進める次世代スーパーコンピューターである。Tokyo-tech Supercomputer and UBiquitously Accessible Mass-storage Environmentの略。理論演算性能は16 bitの半精度以上の47.2ペタフロップスとなる。

 

 

2 自動運転技術分野への進出

トヨタ自動車は今年5月、自動運転技術の性能を高めるため、NVIDIAと共同開発することを発表しました。トヨタが頼った技術は、高速道路での自動運転や高精細地図作成を含むオートクルーズ機能に対応したAI搭載のコンピューティングプラットフォーム「NVIDIA® DRIVE™ PX 2」です。

 

 

2-1 トヨタが惚れ込んだ自動運転技術

NVIDIAによれば、DRIVE PX 2は、車両周囲の状況をリアルタイムで把握して高精細地図で車両の位置を正確に認識することで、安全な経路設計を可能とします。新学習手法のディープラーニングを駆使し、センサフュージョン、サラウンドビジョンと組み合わせることでより高性能な自動運転を実現します。

 

同社との提携について、トヨタ自動車の鯉渕健常務理事は、次のように述べました。

 

「トヨタは、究極目標としての交通事故死傷者ゼロへの貢献、スムースな交通流の実現、すべての人に移動手段を提供することを目的に、これまで 20 年以上にわたり自動運転技術の開発に取り組んできました。今回のコラボレーションを通じて、より安全で性能の高い自動運転システムの開発を加速していきたいと考えています。」(参照:NVIDIA プレスリリース 5月10日付

 

 

2-2 サプライヤー大手の独Boschとも提携

また、NVIDIAは自動運転技術に関して自動車部品メーカー大手のBosch(ボッシュ)とも提携しています。

 

両社は2017年内に緊急時のみ運転手が必要とされるレベル3の自動化レベルの実現をめざし、2018年末には運転手を必要としないレベル4をリリースする方針であることを明らかにしています。

 

・ 自動運転レベル

レベル1 運転支援 システムが前後・左右のいずれかの車両制御にかかる運転タスクのサブタスクを実施する。
レベル2 部分運転自動化 システムが前後・左右の両方の車両制御にかかる運転タスクのサブタスクを実施する。
レベル3 条件付き運転自動化 システムが全ての運転タスクを実施(ただし運転環境条件※あり)。作動継続が困難な場合のドライバーは、システムの介入要求等に対して、適切に応答することが期待される。
レベル4 高度運転自動化 システムが全ての運転タスクを実施(ただし運転環境条件あり)。作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない。
レベル5 完全運転自動化 システムが全ての運転タスクを実施(運転環境条件なし)。作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない。

(参照:内閣府「自動走行システム 研究開発計画」)

 

※ 運転環境条件とは、環境、交通状況、地理的状況、速度、時間的な条件のこと。

 

次々と世界の自動車メーカーと技術提携を結ぶNVIDIA。その勢いは第2のインテルどころか、ギャング・オブ・フォーとされるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンを抜き去り、世界最大の企業になる可能性すら感じさせます。

 

一方、かつては半導体業界で世界をリードした日本企業にも、AI事業での成功が望まれています。

 

 


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