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アフリカ、Eコマース市場に活路を見いだせ

アフリカは都市部の人口増加が続いており、高い経済成長が見込まれることから、ビジネス界が注目する市場となっています。世界銀行は2月発表の報告書のなかで2025年までに1億8000万人の人口増加が見込まれると発表。都市化が進めばEコマース市場の拡大も期待できるため、各国のIT企業が続々と進出している状況です。
今回の記事では“アフリカビジネスの今”を追います。

 

 

 

目次

  1. 1 アフリカ市場のポテンシャル
  2. 1-1 GDPの推移
  3. 1-2 携帯電話・ブロードバンドの普及が急速に進む
  4. 2 軽トラックで町おこし? 話題の軽トラ市とは
  5. 2-1 アフリカ版Amazonの誕生なるか
  6. 2-2 インフラ整備が不十分
  7. 3 今後のアフリカ経済に必要なものとは

 

1 アフリカ市場のポテンシャル

世界的に人口増加が進むなかで特にアフリカは著しく、2010年にアフリカ全体で10億人を突破。2030年には15.6億人と予測されており、中国・インドを追い越すだろうと言われています。
地域別ではアフリカ東部地域、西部地域の人口増加が顕著で、2045年までに東部で6億人、西部で6.5億人に達すると見込まれます。

 

 

1-1 GDPの推移

2000年から2010年までに、アフリカの1人当たりGDP(国内総生産)は約717ドル(8.2万円)から1667ドル(19.0万円)と2倍超になりました。2020年までに2252ドル(25.7万円)に達するとされています。

 

・アフリカの1人当たりGDPと名目GDPの推移

GDP

 

アフリカ開発銀行は、アフリカにおける経済成長について今後GDPを伸ばしていくためには、若年層の教育・訓練への投資が不可欠であると指摘します。
一方、資源への依存、農業生産の減少などアフリカ特有の課題に対処する必要性を挙げました。先進諸国に比べてアフリカの出生率は非常に高く、人口構造において10代~20代の若年層が大半を占めます。そのため、若年層が消費市場を牽引するアフリカは“老化しない国”として、ビジネスを始めとする各界から注目されてきました。

 

・ アフリカ諸国の人口構造

人口

(▲若年層が大半を占める 参照:情報通信総合研究所

 

GDPの成長とともに都市化も進んでおり、2010年に40%だった都市化率※は今後も上昇するとされます。人口が都市部に集中することで、中間層も増加し、さらなる消費拡大が期待できます。

 

※ 都市化率は総人口における都市部に住む人口の割合

 

 

1-2 携帯電話・ブロードバンドの普及が急速に進む

アフリカ開発銀行によれば、アフリカにおける2005年の携帯電話普及率は15%ほどでしたが、2010には48%と3倍超になりました。さらに、2020年には111.9%にまで普及が進むとされ、1人1台以上保有することになると試算されました。

 

・ 携帯電話普及率と契約件数

携帯

 

また、ブロードバンド普及率も急速に進んでおり、2010年では5.6%ですが、2020年には20.8%に成長すると予測されます。

 

・ ブロードバンド普及率

ブロードバンド

 

 

2 EC市場規模は80億ドル

トヨタグループ商社の豊田通商によれば、2015年のアフリカにおけるEコマース市場は80億ドルに上り、世界のEコマース市場のおよそ2%を占めると予測されました。2010年以降は年間30%の成長を記録しており、携帯電話やブロードバンドの普及を受け、今後もEコマース市場は拡大する見込みです。豊田通商は2017年までにアフリカ市場が欧州にとって世界第2位の市場になると分析します。

 

2-1 アフリカ版Amazonの誕生なるか

従来アフリカでは海外ウェブサイトでのショッピングが法律により規制されており、Eコマース利用者にとっては大きな障壁となっていました。

 

そこで豊田通商は、出資する仏CFAO社と協力して、アフリカに最適化した安全な支払い方法を提供することで規制を回避。昨年4月にコートジボワールでインターネットショッピングサイト「Africashop」を開設しました。他のECサイトと同じようにウェブサイトでショッピングをし、商品を自宅で受け取ることができます。(参照:豊田通商

 

アフリカショップ

(▲アフリカショップのウェブサイト 参照:http://www.africashop.ci/

 

豊田通商は、今後、効率的な国際物流のほか輸送、通関手続き、宅配といった包括的なサービスを提供し、商品の宅配サービスを望んでいたアフリカの利用者やアフリカ在住の海外利用者に対して独自のサービスを提供する方針です。

 

 

2-2 インフラ整備が不十分

一方、Africashopよりも先にオープンしたECサイト「JUMIA」はアフリカ市場で苦戦を強いられています。
JUMIAはドイツの起業支援会社Roket Internet社が投資するウェブサイトで、2012年にナイジェリアで開設。商品は家電製品や食品、アパレルなど一通り取り揃えます。

 

jamia

(▲JUMIAのウェブサイト 参照:https://www.jumia.com.ng/

 

ところが、JUMIAは2016年の第1四半期で1,880万ドルの損失を出し、株価は39%下落するなど大苦戦。その原因として交通網などインフラ整備が不十分であり、結果、先進諸国と比べて物流コストが非常に高くなってしまうことが大きな障壁となっています。(参照:ECstarter

 

国際協力機構JICAはアフリカの交通インフラについて

 

「アフリカの鉄道・幹線道路の多くは旧植民地時代に建設・整備され、内陸部の人口過密地域と港湾をつなぐネットワークを構成してきたが、独立後の各国の道路・鉄道・港湾の維持管理不足により、多くのインフラの状態が悪化している」と指摘。(参照:JICA「人々に国境を開く道」)

 

実際、アフリカの道路舗装率はわずか9%で、鉄道は車両や軌道の老朽化による機能低下で輸送量も少ないのが現状です

 

 

3 今後のアフリカ経済に必要なものとは

アフリカ

(出典:Modern Ghana)

 

世界銀行のアフリカ地域総局副総裁マクタール・ディオップは、アフリカ経済が成長を続けるためには整備が行き届いた“都市”が必要だと指摘します。

 

「アフリカに必要なのは、物価が手頃で世界と繋がっている活気にあふれた都市だ。整備された都市は、アフリカ経済を一新する可能性を秘めている。そのため都市化がもたらす経済・社会面の恩恵を拡大することは不可欠である」

 

また、設備投資不足の結果、アフリカの都市インフラと産業・商業構造は人口集中に追い付けず、住宅への投資も遅れていると分析。交通インフラ、住宅、商業施設への組織的な投資は大きな潜在力があり、実現すれば集積の経済が強化され、雇用拡大をもたらすとしました。(参照:世界銀行

 

EC市場の成長にはインフラの整備が急務。商品が安心して自宅に届けられる環境が整うことが期待されます。

 

参考文献:野村総合研究所「アフリカビジネスに関する基礎的調査」

 

 


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