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超高齢社会の到来で将棋にビジネスチャンスあり?

昨年不正ソフトの使用問題で揺れた将棋界。疑惑の目を向けられた三浦九段は結局お咎めなしで落ち着き、出場停止処分も無事解除されました。
このように将棋ニュースが大きく取り上げられることは普段多くなく、図らずしも今回の騒動で注目されたことですらメリットと捉えたくなる状況です。

 

昨今、将棋を指す人口は減少し、唯一の週刊新聞だった「週刊将棋」も昨年3月で休刊。協賛金が集まらず棋士だけでは食べていけなくなってきているともいわれています。

 

しかし、そんな将来性の見えてこない将棋界にもビジネスチャンスを見出そうとする動きがあります。果たして将棋×ビジネスに明るい未来は到来するのでしょうか。

 

 

 

目次

  1. 1 将棋人口の推移
  2. 1-1 減少する将棋人口
  3. 1-2 上位でないと食べていくことができない
  4. 1-3 ライト層はむしろ増えている?
  5. 2 将棋×高齢者ビジネスの例
  6. 2-1 高齢男性の間でとくに人気
  7. 2-2 イオン、高齢者向けに早朝からオープン
  8. 3 AbemaTV、将棋のネット放送に参入
  9. 3-1 アベマテレビとは?
  10. 3-2 オリジナルコンテンツも制作予定

 

1 将棋人口の推移

公益財団法人日本生産性本部による「レジャー白書2016」によると、2015年の将棋人口は約530万人となり昨年比でおよそ200万人減少しました。

 

・ 将棋人口の推移

(単位:万人)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
将棋 660 690 1270 1200 830 850 670 850 530
麻雀 660 740 1350 1240 960 762 650 870 600
囲碁 240 250 640 610 380 400 280 310 250

(参照:公益財団法人 日本生産性本部「レジャー白書2016」)

 

1-1 減少する将棋人口

2009年で競技人口が急増しているのは、訪問留置方式(従来の用紙を渡して直接書き込む方式)から、インターネット調査方式に変更したことによるものです。
また2010年より競技人口が急激に減少した理由については

 

「人口の減少はレジャーの多様化に将棋も飲み込まれたためで、特に2008年のリーマンショック以降の協賛金の減少が響いている。企業などからの協賛金は『名人戦』などの賞金に充てられ、かつては数千万以上を稼ぐ棋士がざらだった」(参照:JCASTニュース 2015.10.22)

 

と分析されています。

 

 

1-2 上位でないと食べていくことができない

日本将棋連盟が発表した「2016年獲得賞金・対局料ベスト10」によると、160人いるプロ棋士のなかで、1位は羽生善治名人で9150万円、10位は深浦康市九段で1849万円となっています。

 

専門家は
「協賛金の減少によって、相当上位にいかないと棋士では食えなくなっています。苦しい思いをしてプロになることに夢が持てずに諦める人や、対戦における覇気の低下があります。これではスターは生まれないし、ファンも楽しめなくなっているわけです」(参照:JCASTニュース 2015.10.22)

 

と語りました。

 

・ 2016年 年間獲得賞金額ランキング

順位 氏名 獲得賞金
1 羽生善治 三冠 9,150万円
2 渡辺明 竜王 7,390万円
3 佐藤天彦 名人 5,722万円
4 糸谷哲郎 八段 3,543万円
5 山崎隆之 八段 3,206万円
6 郷田真隆 王将 3,185万円
7 豊島将之 七段 2,492万円
8 丸山忠久 九段 2,210万円
9 三浦弘行 九段 1,997万円
10 深浦康市 九段 1,849万円

(参照:将棋連盟)

 

 

1-3 むしろライト層は増えている?

しかし、レジャー白書は15歳以上を対象にした調査でプロの卵たちである小学生が調査対象から外れていることから、将棋人口が激減している実感はないとする声が関係者のなかで聞かれます。

 

新聞の購読者数が減っているように、将棋愛好家も週刊将棋のような紙媒体からネット媒体にシフト。特に10代は、オンライン対戦ができるスマートフォンのアプリで将棋を楽しんでいる模様です。

 

また、動画共有サービス「ニコニコ動画」では公式戦を生放送するサービスが提供しており、タイトル戦は平均して20~30万人が視聴するなど人気コンテンツの一つとなっています。

 

ニコニコ

 

テレビで放映される対局を茶の間で1人寂しく観戦するのではなく、インターネットで生放送される動画にコメントを付けながらみんなで観戦するスタイルが若者にハマったようです。

 

 

2 将棋×高齢者ビジネスの例

デイサービス(通所介護)や高齢者向け住宅では、将棋・囲碁のサービスがついたものが人気となっています。

 

 

2-1 高齢男性の間でとくに人気

うちしるべ

(参照:ウチシルベ

 

たとえば福岡市内のデイサービス事業所のスタッフで構成される「福岡市囲碁将棋通所連盟」では2ヵ月に1回、囲碁将棋交流戦を実施。外出レクリエーションの一環として行われ、自宅にこもりがちな高齢者も積極的に大会に参加。交流を楽しんでいる様子が伺えます。

 

また、ウェブサイト「みんなの介護」ではサービス付き高齢者向け住宅のなかから、「将棋・囲碁あり」のものを絞り込んで探すことができます。将棋は認知症予防の効果も期待され、医療関係者や介護スタッフの間で将棋を推奨することも多いそうです。

 

 

2-2 イオン、高齢者向けに早朝からオープン

さらに、東京・江戸川区のイオンでは昨年末から地元の高齢者用に早朝から利用できるスペースを開放しました。将棋や囲碁などを無料で楽しめる設備を設置。誰でも腰掛けられる椅子だけでなく、フロアを周回するウォーキングコースも作り、レストランやカフェも併設しました。開かれたコミュニケーションの場として機能させつつ、集客力を伸ばす狙いがあるようです。(参照:官庁通信社 JOINT)

 

 

3 AbemaTV、将棋のネット放送に参入

インターネットテレビのAbemaTVが対局の生放送などの配信サービスを始めることが発表され、2月に同サービスがスタートしました。

 

 

3-1 アベマテレビとは?

abema

 

AbemaTVはAmebaTVで有名な株式会社サイバーエージェントが運営する動画配信サービスの一つ。昨年4月の開局以降、ニュースやバラエティ生放送番組をはじめ、麻雀、釣り、格闘技、韓流・華流、ドラマなどジャンルに特化した専門チャンネルを続々と開設。コンテンツを24時間楽しめるチャンネル展開を行っています。また、会員登録する必要がなく、無料ですべての動画が視聴できます。

 

 

3-2 オリジナルコンテンツも制作予定

将棋連盟によればAbemaTVが提供する将棋チャンネルでは、将棋界で最も歴史と格式のある「名人」のタイトル称号を懸けて行われる「名人戦」への挑戦者を決定する「順位戦」や七番勝負「名人戦」を全て無料で生中継する予定です。そのほかさまざまな棋戦の放送も予定しており、今後も随時中継を実施する対局を拡大する方針です。

 

また、史上最年少でプロ棋士入りを果たした藤井聡太四段が7名の先輩有名棋士と対局する『藤井聡太四段 炎の七番 ~New Generation Story~』など独自の番組制作も始まっています。さらにAbemaTVでは今後初心者でも楽しめるような番組作りをしていくとのことです。

 

「藤井聡太四段 炎の七番勝負 ~New Generation Story~」

hujii-tokuban

 

放送日時:第一戦2017年3月予定
放送チャンネル:将棋チャンネル

 

趣味が多様化した現代において、将棋は若者と高齢者をつなげる数少ないツールの1つと言えます。超高齢社会を迎える日本にとって新たなビジネスチャンスになるのではないでしょうか。

 

 


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