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ソニー、9年ぶりに時価総額5兆円台

5月8日、ソニーが東京株式市場で2008年以来となる時価総額5兆円に回復したことが明らかとなりました。10日時点で5兆1447億円で、前記事「ソニーが好調? じわじわ上がる株価」でも紹介していた通り、3月末に年初以来の高値をつけていた株価は、見事に4000円台に回復しました。

 

さらに、ソニーは7年ぶりに有機ELテレビ事業に参入を決めるなど、「家電のソニー」を再び印象付ける戦略を次々に展開しています。落ち目とささやかれる日本の家電業界の起爆剤となることができるのでしょうか。

 

 

 

目次

  1. 1 復活したエレクトロニクス部門
  2. 1-1 ゲームと半導体が好調
  3. 1-2 7年振りに有機ELテレビに参入
  4. 2 時価総額ランキング
  5. 2-1 日本企業の時価総額ランキング
  6. 2-2 アップル、米企業で初めて8000億ドル超え
  7. 3 構造改革の成功と今後

 

1 復活したエレクトロニクス部門

ソニーは、家電メーカーとして時価総額で三菱電機(3兆5493億円)やパナソニック(3兆3717億円)を抑え、首位に立っています(5月10日時点)。株価が高値を付けた理由として、コンシューマー・エレクトロニクス※事業の復活を挙げることができます。

 

※コンシューマー・エレクトロニクスとは家庭用電気器具のことで、いわゆる家電を指す。

 

 

1-1 ゲームと半導体が好調

ソニーを代表するゲーム・プレイステーションやVR、そしてカメラのイメージセンサーなどの半導体部門で増収となった結果、昨年度決算で同社の営業利益は924億円の黒字となっていました。

 

さらにAppサービスであるネットワークを通じたソフト販売による売り上げも好調だったため、ゲーム&ネットワークサービス全体では500億円の営業利益記録しました。

 

また、スマートフォン向けのカメラに搭載されるイメージセンサー※については、ソニーが世界をリードできる唯一の事業部門となっており、前年同期比で16.9%増加となる2339億円を売り上げ、営業利益は272億円となりました。

 

image

(▲ソニーのイメージセンサーはスマートフォンのカメラに使われている / 出典:iDROP NEWS)

 

ソニーは今後、エレクトロニクス、エンタテインメント及び金融の3つの事業部門を柱としつつ、ソニーグループが有するカメラや撮影技術、コンテンツ制作力、エンタテインメントの資産を活かすことができる新たな分野に挑戦する方針を明らかにしています。

 

※イメージセンサーとは、レンズから入った光を電気信号に変換する半導体のこと。人間の眼でいえば網膜に相当する部分で、その性能がデジタルカメラで撮る写真の画質を大きく左右する。 イメージセンサーにはいくつかの種類があり、現在では「CMOS」(Complementary Metal Oxide Semiconductor、相補性金属酸化膜半導体)方式が主流。他方式と比較して製造設備が安あがりなため部品単価が安く、小型化技術も進んでいることから、現在ではほとんどのスマートフォンやコンパクトデジタルカメラがCMOSを採用している。(参照:マイナビニュース「イメージセンサーとは」)

 

 

1-2 7年振りに有機ELテレビに参入

5月8日、ソニーは有機ELテレビ市場から撤退した2010年から7年ぶりとなる新商品の発表を行いました。6月以降に国内向けに投入が予定されているA1シリースは65インチと55インチの2種類を用意。77インチのモデルも秋以降に発売される予定です。

 

有機EL(Electro Luminescence)テレビは、発光する仕組みが従来のバックライト方式の液晶テレビと異なり、+と-の電極にはさまれた有機化合物(発光層)が、電流により励起され、元の状態に戻るときのエネルギー差で光が発光する仕組みのものをいいます。

 

そのため有機ELテレビでは、自発光のためバックライトや放電スペースが全く不要になるため、ディスプレーの厚みを3~4ミリ程度まで、薄くできるメリットがあります。

 

その他にも

 

有機ELテレビのメリット コントラスト比が高く、画像がクリアで発色も良い
応答速度が速いので、動画も滑らかに表示される
消費電力が少ない
プラスチックなどで、ディスプレイ本体を作ることができるため、曲面で使用したり、画面自体を折り曲げることも可能

 

といったメリットがあります。(参照:有機ELテレビ・ナビ

 

ソニーは2007年に世界初となる11インチの有機ELテレビ「XEL-1」を発売しました。しかし、中国や韓国の家電メーカーとの価格競争に敗れたソニーは、2010年に有機ELテレビ事業から撤退していました。

 

日本経済新聞(5月9日付)の記事によれば、基幹部品のパネルは韓国LGエレクトロニクスのディスプレーから調達しており、「自前調達」のプライドを捨てての再参入であることがわかりました。

 

ソニー広報によれば新商品はテレビの画面そのものを振動させることで、画面から音を出すソニー独自の音響技術を採用。また、スピーカーや背面に配したスタンドが正面から見えない構造でこれまでにない没入感を楽しめるとしています。

 

スピーカーなし

(▲スピーカーを排したデザイン)

 

sony

(▲画面から音が出るイメージ)

 

ソニーの高木一郎テレビ部門社長は「液晶テレビでは不可能だった新たなたたずまいと視聴体験を提供する」と話しました。

 

有機ELテレビ市場にはソニーのほかパナソニックや東芝も参入を開始しており、2017年は業界内では有機EL元年とも言われています。

 

 

2 時価総額ランキング

9年ぶりに5兆円台に回復したソニーの時価総額。このほか1兆円を超す企業が2015年と並んで過去最多になるなど、国内大手企業の好調ぶりが伺えます。

 

 

2-1 日本企業の時総額ランキング

5月10日時点での日本企業における時価総額の順位は次のようになりました。

 

順位 16会社名 発行済株式数 時価総額
1 トヨタ自動車 3,262,997,492 19兆9728億円
2 NTTドコモ 3,899,563,000 10兆6419億円
3 日本電信電話 2,096,394,470 10兆5595億円
4 三菱UFJフィナンシャル・グループ 14,168,853,820 10兆3262億円
5 ソフトバンクグループ 1,100,660,365 9兆5779億円
6 KDDI 2,620,494,257 7兆9663億円
7 JT 2,000,000,000 7兆5860億円
8 ゆうちょ銀行 4,500,000,000 6兆3450億円
9 日本郵政 4,500,000,000 6兆3090億円
10 三井住友フィナンシャルグループ 1,414,055,625 5兆9461億円
11 ホンダ 1,811,428,430 5兆8690億円
12 キーエンス 121,603,842 5兆8345億円
13 みずほフィナンシャルグループ 25,386,307,945 5兆3133億円
14 キヤノン 1,333,763,464 5兆1469億円
15 ソニー 1,263,763,660 5兆1447億円

(参照:ヤフーファイナンス 5月10日時点)

 

首位はトヨタ自動車で時価総額約20兆円に及びます。8位ゆうちょ銀行と9位日本郵政は、発行済株式数は同じですが取引値が異なるため、時価総額で差がでました。
5兆円台に回復したソニーは日本企業全体では15位でした。

 

 

2-2 アップル、米企業で初めて8000億ドル超え

次に世界の企業を含めた時価総額ランキングを見てみましょう。1位はアップルで約8030億ドル(91兆円)となりました。アップルは米国国株式市場で5月9日、米企業としてはじめて8000億ドルを超える偉業を達成しました。

 

理由としては、iPhone(アイフォーン)の売り上げ回復や新モデルの期待感が投資家の間で広がったと見られ、クックCEOは、今後、iCloud(アイクラウド)やアップル・ウォッチといった新サービス・商品の展開に注力する方針であることを米メディアのブルームバーグに明かしています。

 

・ 世界時価総額ランキング トップ10

順位 会社名 時価総額
1 アップル 8029億ドル(91兆円)
2 アルファベット 6618億ドル(75兆円)
3 マイクロソフト 5330億ドル(61兆円)
4 アマゾン・ドットコム 4554億ドル(52兆円)
5 フェイスブック 4361億ドル(50兆円)
6 バークシャー・ハサウェイ 4051億ドル(46兆円)
7 エクソンモービル 3488億ドル(40兆円)
8 ジョンソン・アンド・ジョンソン 3343億ドル(38兆円)
9 ジェイピーモルガン・チェース 3082億ドル(35兆円)
10 アリババグループ 2982億ドル(34兆円)

(参照:dogsofthedow.com

 

ランキングのトップ10に唯一食い込んだ外国企業は中国のアリババグループです。アリババはアジア最大のECサイト「アリババドットコム」の運営会社で、近年は自動車のAR(拡張現実)技術事業にも進出し、さらなる企業規模の拡大に挑みます。

 

※ 1999年に設立したアリババドットコムは、世界を代表するインターネット上の国際B2Bプラットフォームサービス。グローバルトレード・マーケットである国際サイト、中国国内取引のための中国サイト、小口取引が可能な卸売サイト「アリエクスプレス」の3つのサイトを軸に、世界のバイヤーとサプライヤーのオンラインビジネスをサポート、国際サイトは190カ国約3,670万、中国サイトは約7,770万のユーザーを抱える。アリババドットコムは、中国、インド、日本、韓国、ヨーロッパ、アメリカ等70以上の都市に事業所を構えている。(参照:アリババ

 

 

3 構造改革の成功と今後

米ブルームバーグによれば、東海東京調査センターのアナリスト・石野雅彦氏はソニー株が好調の理由について「テレビ、スマートフォン、デジカメ、ゲーム、全てのエレクトロニクス分野で構造改革に成功したことが大きい」と分析しており、さらに「ソニー株の4000円回復はまだまだ序の口」と指摘します。(参照:ブルームバーグ 5月9日付

 

この度の時価総額5兆円台の回復と株価4000円台の復帰は、「強いソニー」の復活の序章に過ぎないのかもしれません。

 

 


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