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流通を支配するAmazon〜創業者ジェフ・ベゾスが描いた未来〜

創業わずか20数年で世界最大の小売業者となった米国企業のアマゾン・ドット・コム。送料無料、当日配達など常識では考えられないアイデアで物流業界に革命をもたらしてきました。

 

アマゾン社を立ち上げたのはアメリカ人実業家のジェフ・ベゾス。インターネットで本を販売していただけの青年は、2016年のフォーブス発表の世界長者番付で第5位の資産家となりました。

 

ベゾスはいかにして世界の物流を支配する企業をつくりあげていったのでしょうか。

 

 

 

目次

  1. 1 アマゾン・ドット・コム前身の“カタブラ・ドット・コム”を立ち上げるまで
  2. 1-1 大学を首席で卒業したベゾス
  3. 1-2 26歳で大手金融会社の副社長に
  4. 1-3 当時は誰も考えていなかった“インターネットで本を売る”
  5. 2 大企業にのし上げたアマゾンシステムの特徴
  6. 2-1 顧客中心主義を徹底したサービス
  7. 2-2 物流の常識を変えた配送料無料
  8. 3 進化をつづけるアマゾン〜通販サイトから何でも屋へ
  9. 3-1 本を読む手段に革命!電子書籍の登場
  10. 3-2 小型無人機ドローンによる配達計画
  11. 3-3 空に倉庫を建設?驚きの新配達構想

 

1 アマゾン・ドット・コム前身の“カタブラ・ドット・コム” を立ち上げるまで

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(出典:Who’s Who)

 

ベゾスは1964年、ニューメキシコ州で誕生。その後、両親が離婚。ジェフは母親に引き取られましたが4年後に母親が再婚し、性がベゾスとなりました。

 

 

1-1 大学を首席で卒業したベゾス

1982年、幼い頃から優秀だったベゾスはアメリカ北東部の名門大学のひとつであるプリストン大学に進学します。大学ではコンピューター・サイエンスや電子工学を専攻し、1986年、最優秀学生の成績で同大学を卒業しました。

 

 

1-2 26歳で大手金融会社の副社長に

大手コンサルティング会社の内定をもらいつつも、これに断りを入れたベゾスは、ニューヨーク市のベンチャー企業に就職します。

 

1988年に、大手金融サービスのバンカーズ・トラストに転職し、26歳という若さで副社長に任命。創業85年を迎えていたバンカーズ社で史上最年少の副社長となりました。

 

 

1-3 当時は誰も考えていなかった“インターネットで本を売る”

その後、また転職したベゾスは、インターネットサービスが急速に発展していることに興味を持ち始めます。

 

1990年代はWWW※(ワールド・ワイド・ウェブ)の創世記と言われ、インターネットの整備が進み、利用者が爆発的に増え始めていました。

 

ベゾスはインターネットで本を売れば、本を保管する場所が必要ないと思い、会社を退社。以降はインターネット書店計画に没頭し、1994年、カタブラドットコム(Cadabra.com)を開業しました。

 

※ WWWではハイパーリンクとインターネットの結合が大きな発展をもたらした。文書・画像データが埋め込まれたテキストをクリックすることでインターネットブラウザが起動し、ウェブページにジャンプできようになった。

 

 

2 大企業にのし上げたアマゾンシステムの特徴

オフィス

(出典:Amazon)

アマゾンは、世界で最初にインターネットで小売をはじめた会社と言われています。

 

現在では、ユーザが、自分が購入した商品の感想を書き込むことができるカスタマーレビューや、購入した商品の情報を電子メールで通知するなど当たり前のサービスとなっていますが、すべてアマゾン社が開発したビジネスモデルです。

 

 

2-1 顧客中心主義を徹底したサービス

インターネット書店販売事業をはじめた際、ベゾスは利用者にとって使いやすいサービスとは何かを常に考えていました。

 

90年代当時、インターネット操作に慣れた人は限られていたため、利用者に使いにくいと判断されたらこの商売は失敗するとベゾスは確信。次々と顧客を中心に考え抜いたサービスを展開していきます。

 

・ アマゾンが生んだサービス一覧

ショッピングカート インターネット上の買い物カゴのこと。買いたい商品を一時的にリストアップできる機能である。 購入しようと選択した商品のリストが自動的に作成され、商品選択やショッピングカート確認の都度、合算した金額が示される。
カスタマーレビュー Amazon.co.jpで扱っている商品に関する意見や感想をサイト上に自由に公開できる。
また、他の顧客からの商品に対する率直な評価を閲覧することができる。
カスタマーレビューを見ることで、商品についての理解がより深まり、「購入するべきかどうかの判断の手掛かりになる。
電子メール通知

顧客がアマゾンで買い物をする際、以下の事項に関連した電子メール通知が提供される。

・ 商品の注文通知
・ 予約商品の注文可能お知らせ通知
・保証申請の通知
・出品通知
・レポート通知
・Amazon出品コーチの通知
・ビジネスの最新情報
・ その他技術的にウェブサイトに問題が生じた際の通知
電子メール通知サービスは今やどのインターネット販売業者も採用している。

1-Click

ボタンを1回クリックするだけで、ショッピングカート画面を省略して注文することができる機能。

1-Clickを使って注文すると、自動的に指定の支払い方法に代金を請求し、指定のお届け先住所にご注文商品が発送される。

顧客の個人情報(名前・住所・連絡先・クレジットカード番号)を一括管理することで安全かつスピーディーに注文でき、ユーザの手間が省けた。

(参照:アマゾンジャパン

 

 

2-2 物流の常識を変えた配送料無料

配達

(出典:Amazon)

 

アマゾン社が採用している顧客中心主義は、ウェブサービスだけにとどまらず、配達サービスにまで及びました。

 

2010年、もとは期間限定だった配送料無料のサービスを通常サービスとしたことで一躍話題となりました。

 

通常、インターネット上で商品を購入したあとは、全国各地の倉庫から商品が出荷され契約した配送業社が顧客の宛先まで荷物を届けることになります。

 

当然、配送コストは発生するため、費用の全てを発売業社が負担するとなれば間違いなく赤字におちいります。

 

それでも配送料無料サービスを開始したことについて、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は次のように語りました。

 

「われわれは短期的な利益は重視していない。長期的な成功が目標だ。アマゾンには、顧客に喜んでもらえるナンバーワンの価値を提供し続ければ、必ず成功できるという企業哲学がある」(参照:日経ビジネスオンライン

 

事実、配送料を無料※にした反響は大きく、消費者の間では「店で買うよりもアマゾンで買ったほうが安い」という考え方が定着するようになりました。
短期的に赤字に落ちることになっても、利用者が増えれば長期的にはプラスになることを証明しました。

 

配送料無料サービスは、ベゾス社長が掲げる顧客中心主義の理念のもとで行われた結果、他の競合相手を突き放し、アマゾン社をさらに成長させました。

 

※ 2016年4月、アマゾンは配送料を改定し、Amazon.co.jpが発送する2000円未満の商品の通常配送料を無料から350円(税込)に引き上げた。現在はギフトラッピング費など、手数料およびAmazonギフト券を除いた商品小計が税込み2,000円以上の場合に通常配送料は無料となっている。

 

 

3 進化をつづけるアマゾン〜今後の展開は?

電子書籍サービスで再び注目されたアマゾン。その後も動画配信サービスやクラウドストレージサービスを始めるなど、とどまることを知りません。ジェフ・ベソン社長が描くアマゾン社の未来とはどのような姿なのでしょうか。

 

 

3-1 本を読む手段に革命!電子書籍の登場

2007年、アマゾン社は電子端末で小説や漫画などを読むことができる「キンドル」をアメリカで発売。

 

発売当初、電子書籍に批判的な声も少なくなく、本をチカチカする電子画面で読むという行為に、著名な作家や一部のビブリオマニアたちは嫌悪感すら示していました。
「本は画面で読むものではない。紙で読むものだ−−」

 

しかし、ベゾスは電子書籍を否定する人たちが間違っていることを証明するかのように、電子書籍事業に力を注いでいきます。

 

電子書籍リーダー「kindle」の改良を重ね、2009年にキンドルDX(デラックス)を発表。これがアメリカで爆発的にヒットし、電子書籍の売り上げは前年比で136%増となりました。

 

・2009年発売されたkindle DX

 

キンドルDX

(出典:Amazon)

 

キンドルが成功した要因は、ベゾスが読書感を重視した設計したことが大きいとされています。

 

電子書籍リーダーは、見た目は無味乾燥な印象を受けますが、読書をする際に外観は関係ありません。つまり製品自体の見た目は重要ではなく、いかに読書を邪魔しないような設計にするかが鍵となりました。

 

結果、キンドルはシンプルな見た目にはなりましたが、電池は約2週間持ち、本だけでなく新聞や雑誌まで1分で手に入れられるなどの利点が消費者に受け入れられたのです。

 

 

3-2 小型無人機ドローンによる配達計画

ドローン

(出典:Amazon)

 

2017年現在、アマゾン社は小型無人機(ドローン)による商品配送計画の実用化に向けて準備を進めています。

 

この計画は、もともと2015年に実施予定でしたが、米連邦航空局(FAA)のルール変更などもあり、実用に漕ぎ着けずにいました。

 

しかし2016年12月、アマゾンはドローンでの商品配送に成功したことを発表。

 

 

アマゾン・プライム・エアーによれば、イギリス・ケンブリッジにて、ドローンで2kgの商品を配達する運用試験を実施。4km離れた顧客の家までわずか13分で配達を完了させたと発表しました。

 

現時点では、専用に建設されたドローン配送センターから3km〜5km圏内がドローン配送エリアになるとしています。

 

 

3-3 空に倉庫を建設?驚きの新配達構想

飛行船

(出典:Amazon)

 

また、アマゾンは飛行船とドローンを組み合わせた配達を構想中で特許の申請中であることが分かりました。飛行船を、商品を保管する空の倉庫として活用し、空中からドローンで数分以内に注文者へ届けるという配達計画です。

 

アマゾンが申請した書類によれば、飛行船は高度13.7キロメートル付近を飛行。ドローンを空中から地上への配達にのみ使うことで、重力を利用した配達をすることができ、エネルギーの節約になるとしています。(参照:日本経済新聞

 

専門家の間ではかなり限定された使い方になるのではないかとされていますが、ベゾスに常識が通用しないのは見てきたとおりです。

 

空に倉庫を作るということ自体が常識外れですが、今後も顧客中心主義を貫くアマゾンにまだまだ目が離せません。

 

※ アマゾン・プライム・エアーとはアマゾン社が開発を進めるドローン宅配便と航空機による輸送計画のこと。

 

 


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