会社設立 会社設立費用全額カード決済可能!!
TEL.03-3586-1520/info@sin-kaisha.jp
会社設立
お問合せ

アメリカにおける職業別給与ランキング〜上位は医師が独占?〜

ITや宇宙科学、金融など世界の最先端が集まるアメリカのビジネス産業。そのなかで最も稼いでいる職業は、スーツの着用を必要とする仕事ではなく、白衣と聴診器が必要な仕事のようです。

 

米ニュースメディアのビジネス・インサイダー(BUSINESS INSIDER)は4月、米国労働省労働統計局のデータを基に、米国内で最も平均給与の高い職業のトップ25を発表しました。

 

ランキングは、昨年5月時点での企業に務める100万人以上の雇用者から得られたデータをもとに作成されました。その結果、上位10職種のうち9つが医療分野であることがわかりました。

 

 

目次

  1. 1 医者が上位を独占!?
  2. 1-1 サラリートップは麻酔科医
  3. 1-2 待遇のいい産科医・産婦人科医
  4. 1-3 年収2500万超えの歯科矯正医と口腔外科医
  5. 2 スーツよりも白衣を着る職業のほうが高収入
  6. 2-1 麻酔専門の看護師?〜CRNA制度とは〜
  7. 2-2 足専門のお医者さん「Podiatrist(ポダイアトリスト)」

 

1 医師が上位を独占!?

記事では米国トップ25の職業別給与ランキングが紹介され、平均すると135000ドル(約1500万円)の年収となりました。1~10位の職業は次のようになります。

 

・ 職業別給与ランキング1位〜10位(年収)

順位 職業 年俸
1 麻酔科医 269,600ドル(2996万円)
2 外科医 252,910ドル(2810万円)
3 産科医、婦人科医 234,310ドル(2604万円)
4 口腔外科医 232,870ドル(2588万円)
5 歯科矯正医 228,780ドル(2542万円)
6 その他の医師、外科医 205,560ドル(2284万円)
7 内科医 201,840ドル(2243万円)
8 開業医 200,810ドル(2231万円)
9 精神科医 200,220ドル(2225万円)
10 CEO(最高経営責任者) 194,350ドル(2159万円)

※ 米国労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)は、アメリカの失業者数や雇用者数などの労働市場に関するデータの調査・分析を行っている政府機関。日本の厚生労働省に当たる。

 

 

1-1 サラリートップは麻酔科医

Anesthesia is ready for patient

 

米国内の職業でもっとも給与が高いのは麻酔科医で、その年俸はアメリカ人平均の5倍となる、269600ドル(2996万円)となります。現在、米国全体で約30190人の麻酔科医がいるとされます。

 

麻酔科医とは麻酔を専門とする医師のことで、麻酔を投与した患者の手術前、手術中、手術後の安全に対して責任を負います。

 

米国麻酔科医協会によれば、麻酔科医になるためには12年の特別な訓練を受ける必要があります。

 

まず、大学で4年間の学部課程を修了したあと、4年間の医学部課程を修了し、さらに4年間の実地研修を経たのち、麻酔科医としての資格を取得することができます。

 

医療系メディアの「Medscape」によれば、麻酔科医の約8割が、週40時間以上を患者とともに過ごすとされます。

 

 

1-2 待遇のいい産科医・産婦人科医

P

 

全米で19800人いる産科医および産婦人科医は年俸234310ドル(約2604万円)で3位に入りました。産科医は、妊娠または出産に関連する医療を提供し、おもに女性の病気、特に生殖器系に影響を及ぼす病気を診断、治療および予防します。

 

一方、日本の産婦人科医の年収は、リクルートドクターズキャリアによれば、「2000万円以上」の割合が40代67%、60代60%となっていますが、20代「600万円未満」が100%と年齢別で大きく開きがあります。また30代では各年収帯に分散しており、経験が豊富な医師ほど相応の年収を得ている状況です。

 

リクルートは、産科医業界で人材不足が続いているなか、「産科医として勤務されている人は相応の給与を得ていることが結果から考えられる」と述べます。

 

・日本の産婦人科医の年代別年収

  20代 30代 40代 50代 60代
600万円未満 100% 14% 0% 0% 0%
600〜1000万円未満 0% 29% 0% 0% 0%
1000〜1400万円未満 0% 14% 17% 17% 0%
1400〜2000万円未満 0% 29% 17% 50% 40%
2000万円以上 0% 14% 67% 33% 60%

 

リクルート

(参照:リクルートドクターズキャリア)

 

 

1-3 年収2500万超えの歯科矯正医と口腔外科医

Pediatric dentist showing little boy his teeth in the mirror at the dental clinic

 

4位には口腔外科医、5位には歯科矯正医が入りました。

 

口腔外科医は米国内で5380人いるとされ、年収は232,870ドル(2588万円)となります。公益財団法人の日本口腔外科学会によれば、口腔外科とは、「顔面ならびにその隣接組織に現れる先天性および後天性の疾患を扱う診療科」のことであり、「歯が原因となるものから癌までさまざまな疾患が発生し、交通事故やスポーツなどの外傷、顎変形症ならびに唾液腺疾患などの外科的疾患のほかにも、口腔粘膜疾患、神経性疾患、口臭症などの内科的疾患」などを治療の対象とします。

 

また、5位の歯科矯正医は、5200人いるとされ、年収は228,780ドル(2542万円)となります。

 

アメリカでは歯並びが社会的地位に関わってくるほど、歯科矯正に対する意識が強いため、米国歯科矯正医学会はすべての子どもに7歳までに歯科矯正医の診察を受けることを奨励しています。

 

そのため、歯科矯正専門医の需要は日本より断然強く、矯正技術も進んでおり、医療保険が効くため費用を安く抑えることができます。

 

 

2 スーツよりも白衣を着る職業のほうが高収入

このほか、11〜25位のランキングの結果は次のようになりました。

 

・ 職業別給与ランキング11位〜25位(年収)

順位 職業 年俸
11 小児科医 184,240ドル(2047万円)
12 歯科医(一般) 173,860ドル(1932万円)
13 歯科医(その他) 171,900ドル(1910万円)
14 矯正歯科医 168,140ドル(1868万円)
15 麻酔看護師 164,030ドル(1823万円)
16 航空パイロット 152,770ドル(1698万円)
17 オイルエンジニア 147,030ドル(1634万円)
18 情報システム管理者 145,740ドル(1619万円)
19 マーケティングマネージャー 144,140ドル(1602万円)
20 足治療師 144,110ドル(1601万円)
21 建築マネージャー 143,870ドル(1599万円)
22 弁護士 139,880ドル(1554万円)
23 ファイナンシャルマネージャー 139,720ドル(1552万円)
24 自然科学マネージャー 136,150ドル(1513万円)
25 セールスマネージャー 135,090ドル(1501万円)

 

 

2-1 麻酔専門の看護師?〜CRNA制度とは〜

12位の「歯科医(一般)が虫歯や歯周病などの治療に当たるのに対し、13位の歯科医(その他)は、小児歯科医、歯周病医、歯内治療医などの専門医を指します。14位の矯正歯科医は、欠損した歯を置換や、口腔および顎の修正し、咀嚼や発声などの口腔機能を回復し維持する専門医になります。

 

15位の麻酔看護師は、39860人いるとされ、平均年収は164,030ドル(1823万円)と一般的な看護師とくらべてかなり高待遇です。日本では看護師が麻酔を打つことはできませんが、麻酔を専門とする看護師のことで、CRNA(Certified Registered Nurse Anesthetists)制度が導入されているアメリカをはじめとする国々では、看護師も麻酔を投与することができます。

 

また、CRNAになるには、難易度が非常に高い国家試験を通過する必要があります。

 

 

2-2 足専門のお医者さん「Podiatrist(ポダイアトリスト)」

Doctor dermatologist examines the foot on the presence of athlet

(出展:BoardVitals)

 

20位に入っている足治療師は日本では馴染むが薄いものの、米国では9800人が活躍し、年収にして144,110ドル(1601万円)を稼ぎます。

 

足治療師はPodiatristと呼ばれ、足の病気や状態を診断する足専門のスペシャリストです。

 

日本ポダイアトリック協会によれば、診療内容は足全般におよび、タコや魚の目、外反母趾、変形性膝関節症など多岐にわたります。先進国では、イギリスのほか、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの一部では共通の資格で診療が行われています。ポダイアトリストになる為にはバイオメカ二クスの大学を卒業し足医師の国家試験を取得しなければなりません。

 

アメリカは、アップルやマイクロソフトなど世界的なIT企業輩出国であるにもかかわらず、職業別の給与では医療従事者が最も高給であることがわかりました。また、医師の種類も非常に多く、各分野ごとにスペシャリストが用意され、活躍しているのが印象的なランキングとなりました。

 

会社経営者よりも医師の平均年収のほうが高いと分かったアメリカ社会。なかでも足治療師や麻酔医師などが上位に食い込むなど、日本の年収事情とは大きく異なります。日本では働き方改革に合わせて多様な職業の活躍が望まれています。

 

 


▲トップにもどる
© WOOROM All Rights Reserved 新会社設立