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報道の自由度ランキング、なぜ日本はG7で最下位なのか

world press freedom day

パリに本部を構える国際NGO団体「国境なき記者団」が4月26日、最新の報道の自由度ランキングを発表しました。日本は2016年から順位を11落とし72位で、主要7カ国(G7)のなかで最下位となりました。

 

上位は北欧諸国が占め、下位はシリアや北朝鮮など独裁国家が大半です。日本は2010年には11位と上位に位置していましたが、年々下降。5段階評価では「問題あり」との烙印を押されてしまいました。

 

また、国境なき記者団は、世界的に報道の自由度が下がっていると警告、ナショナリズムの台頭により、報道の自由が奪われていると危惧しました。

 

なぜ日本の順位はなぜこれほどまでに低いのか、またなぜ世界で報道の自由度が下がっているのでしょうか。

 

 

目次

  1. 1 報道の自由度ランキングとは
  2. 1-1 日本、イタリアに抜かれてG7最下位に
  3. 1-2 順位が下がった理由
  4. 1-3 トランプの影響?米国も順位を落とす
  5. 2 ブラックリスト化された国々
  6. 2-1 金正恩率いる北朝鮮が最下位
  7. 2-2 ジャーナリストにとって最も悲惨な国はシリア
  8. 3 報道の自由は新たな転換点を迎えている

 

1 報道の自由度ランキングとは

国境なき記者団(Reporters Without Borders=RWB)は、情報の自由、報道の自由を目的に、1985年にフランス・パリで設立された非政府組織です。戦争地域などで活動するジャーナリストの金銭的・物的支援や、拘束されたジャーナリストの救出、メディア攻撃に対する非難声明、情報の自由に対する攻撃の監視などの活動を行います。

 

国境なき記者団は世界各地の約130名の記者と協力して、欧州、アジア、中東、北アフリカ、およびアメリカの地域で、報道の自由に違反している情報を調査・収集し、「報道の自由度指数」に関する報告書を作成しています。

 

報告書では各国のジャーナリストや法律家、人権活動家のアンケートに基づいて作成された「報道の自由度」をランキング化したものを毎年公表しており、今年は180の国・地域が対象となりました。

 

 

1-1 日本、イタリアに抜かれてG7最下位に

2017年「報道の自由度ランキング」では、1位ノルウェー、2位スウェーデン、3位フィンランド、4位デンマークなど北欧諸国が上位を独占しました。
また、6位にコスタリカ、8位にジャマイカがランクインするなど、中央アメリカの躍進も特徴的でした。

 

東アジア地域では、台湾が最高で45位、韓国63位、日本72位、香港73位、中国176位、そして世界最下位の北朝鮮となりました。

 

・2017年の報道の自由度ランキング(上位10カ国とG7)

順位 国名 2016年の順位 2015年の順位
1 ノルウェー 3位 2位
2 スウェーデン 8位 5位
3 フィンランド 1位 1位
4 デンマーク 4位 3位
5 オランダ 2位 4位
6 コスタリカ 6位 16位
7 スイス 7位 20位
8 ジャマイカ 10位 9位
9 ベルギー 13位 15位
10 アイルランド 9位 11位
16 ドイツ 16位 12位
22 カナダ 18位 8位
39 フランス 45位 38位
40 イギリス 38位 34位
43 アメリカ 41位 49位
52 イタリア 77位 73位
72 日本 61位 61位

 

・ 東アジア抜粋版

順位 国名 2016年の順位 2015年の順位
45 台湾 51位 51位
63 韓国 70位 60位
72 日本 61位 61位
73 香港 69位 70位
124 インドネシア 130位 138位
127 フィリピン 138位 141位
142 タイ 136位 134位
144 マレーシア 146位 147位
151 シンガポール 154位 153位
175 ベトナム 175位 175位
176 中国 176位 176位
180 北朝鮮 179位 179位

(参照:Reporters Without Borders

 

 

1-2 順位が下がった理由

「報道の自由度」ランキングは、意見の多様性、政府機関・宗教からの独立性、報道の内容によって政府や特定団体などからいやがらせや脅迫を受けていないかなど、7つの質問項目を基準に採点されます。

 

最新版では日本はイタリアに抜かれて主要7カ国のなかで最下位、アジアのなかでも韓国に抜かれ3位に後退してしまいました。
日本について国境なき記者団は、「日本のメディアの自由は、安倍晋三が2012年に首相に再就任して以降、衰えてきている」と指摘。一方、日本の記者クラブについては、フリージャーナリストや外国人記者を選り好みしており、自己検閲を増大させていると批判しました。

 

また、日本政府はメディアに対する敵意を隠さず、ジャーナリストに対してハラスメント(いやがらせ)をしていると非難。さらに、SNS上のナショナリスト達は、政府に批判的な記者や、慰安婦問題や南京問題などの論争に取り組むジャーナリストに対して脅迫・いやがらせをしていると問題視しました。

 

特定秘密保護法も批判の対象となっており、違法に取得された情報を公表したとして有罪判決を受けた場合、内部告発者に10年の懲役を科す法律を「国連の抗議を無視して成立させた」と非難しました。

 

※ 特定秘密保護法とは、日本の安全保障に関する「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」「テロリズムの防止」などの情報のうち特に秘匿することが必要であるものの保護に関し、必要な事項を定めるもの。特定秘密の漏えいを防止し、国と国民の安全を確保することを目的とする。日本弁護士連合会によれば、「特定秘密」はとても範囲が広く曖昧で、どんな情報でもどれかに該当してしまうおそれがあると指摘。「特定秘密」を指定するのは、行政機関であるため、行政機関が国民に知られたくない情報を「特定秘密」に指定して、国民の目から隠してしまえる危険性があるとも言われている。(参照:日本弁護士連合会

 

 

1-3 トランプの影響? 米国も順位を落とす

米国の「報道の自由度」は昨年より順位を2つ落として、43位となりました。国境なき記者団は、トランプ大統領による相次ぐメディア批判や、マスコミへの報復としてホワイトハウスへのアクセスをブロックしていることなどを非難しました。

 

トランプ

(▲トランプ大統領にフェイクニュースと批判されたメディア/ 出典:Odyssey)

 

また機密情報などの内部告発者に対する逮捕や告訴が続いていることから、今日まで、アメリカのジャーナリストは、情報源の秘匿などの権利を認める「ジャーナリスト・シールド法※」に守られていないと指摘しました。

 

米オンラインメディアのハフィントンポストは記事のなかで、

 

「例えば元CIA職員のジェフリー・スターリング氏は、ニューヨーク・タイムズの記者に機密情報を漏らしたために2015年に有罪判決を受け、いまだ獄中にいる。スターリング氏と家族、それに数万人の支持者は彼の無罪を主張し、赦免するよう求めている」

 

と語ります。

 

※ 取材に際しての情報源である人物を特定しうる情報を他に漏らさないことを保証する法律。ジャーナリストの義務あるいは権利で、ジャーナリストの最高の倫理の1つとされる。情報源との信頼関係を保護すると同時に、情報源を萎縮させずにさまざまな情報を取材し国民に伝達していく上で不可欠とされ、米国では、いわゆるシールド法によって取材源の秘匿を保護している州も多いが、連邦レベルでは認められておらず、2005年7月に、CIA情報員の身元をメディアに漏らした政府高官の氏名の証言を拒否したニューヨーク・タイムズ紙の記者が、法廷侮辱罪で収監された。(参照:コトバンク 出典:朝日新聞「知恵蔵」)

 

 

2 ブラックリスト化された国々

国境なき記者団のホームページでは、180の国・地域を報道の自由度が高い順に色別で表していますが、報道の自由がなく、情報統制が敷かれている国は黒色で表示され、その数は20に及びます。

 

・ 報道の自由度ランキング ワースト10

順位 国名 2016年の順位 2015年の順位
171 赤道ギニア 168位 167位
172 ジブチ 172位 170位
173 キューバ 171位 169位
174 スーダン 174位 174位
175 ベトナム 175位 175位
176 中国 176位 176位
177 シリア 177位 177位
178 トルクメニスタン 178位 178位
179 エリトリア 180位 180位
180 北朝鮮 179位 179位

 

 

2-1 金正恩率いる北朝鮮が最下位

北

(出典:RSF)

 

北朝鮮は2015年、2016年と179位でしたが、今年ついに最下位となりました。

 

国境なき記者団は、2012年以降、金正恩が第一書記を務める北朝鮮の全体主義は、市民を外界の情報から遮断し、国外からラジオ放送を聴けば強制収容所に送るという恐怖で縛っていると非難。ジャーナリストが北朝鮮の情報を得る手段は、北朝鮮運営の朝鮮中央通信(Korean Central News Agency=KCNA)のみとなっている点も低評価に影響しました。

 

フランス通信社は2016年9月、独自に北朝鮮の情報を得るため、朝鮮中央通信と協力して情報局を開設しましたが、利用可能は北朝鮮当局によって厳しく制限されているのが現状です。

 

 

2-2 ジャーナリストにとって最も悲惨な国はシリア

国境なき記者団は、シリアについてジャーナリストにとって世界で最も悲惨な国であると語ります。

 

シリアで2011年から始まった民主化を求める民衆蜂起後、市民ジャーナリストは戦争のさまざまな側面を明らかにするために専門家と協力して新たな報道機関を設立しました。

 

しかし、市民ジャーナリストの多くは戦争当事者であるクルド族やジハードを掲げるIS(イスラミック・ステイト)に拘束されており、国境なき記者団は、頻発する脅迫、逮捕、拉致、殺人は、メディアにとって非常に過酷な環境であると指摘しました。

 

Turkish journalists in Ankara, on Februa

(▲シリアでのジャーナリストの開放を訴える人々 / 出典:Public Radio International)

 

 

3 報道の自由は新たな転換点を迎えている

本部

(出典:RSF)

 

国境なき記者団のクリストフ・デロワール事務総長は、報告書のなかで「報道の自由度」が全世界的に下がっていると警告しています。これは、レイアウト P タグのコンテンツです

 

トランプ米大統領がメディアに対して「無能」「不快」「フェイクニュース」などと口撃するように、公然と批判する風潮が世界的に広まっていることについて、ハフィントンポストは、

 

「あからさまなメディアバッシングであり、世界を『ポスト真実(客観的事実よりも感情的な訴えが世論に影響すること)』やデマ、フェイクニュースの新時代に引きずり込む、極めて有害な反メディアの言葉である」

 

と批判。報道の自由が世界的に蝕まれる傾向にあると危惧しました。

 

また国境なき記者団の人道問題・広報担当のマーゴ・イーウェン氏は、「(世界の「報道の自由」に対する圧力は)悪化の傾向が続いている」と語ります。イーウェン氏はトランプ氏が大統領でいる限り、この傾向が続く可能性があると見ています。(参照:huffingtonpost

 

メディアの自由が確保されていなければ、他の自由は保証されません。果たして「報道の自由」はこのまま権力によって奪われてしまうのか、注視する必要がありそうです。

 

 


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