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京大発のスーパーカー「G4」、じわじわと注目を集める

(出展:GLM G4)
(出展:GLM G4)

京都大学によるEV(環境対応自動車)開発プロジェクトチームは、4月、EVスーパーカー「GLMG4」の発表を都内で行いました。開発を手がけたのは京都大学発のベンチャー起業のGLM株式会社です。同社は2010年に設立されたばかりの若い会社で、おもにスポーツカータイプの電気自動車の開発、販売を手掛けます。

 

日本初となるEVスーパーカーの発売価格は4000万円程度とされていますが、発売まで2年あるにもかかわらず、一般的な乗用車オーナーからオートレース界まで熱い注目を浴びています。

 

 

 

目次

  1. 1 EVスーパーカーを大解剖!真の実力を検証
  2. 1-1 電気自動車で驚異の540馬力
  3. 1-2 目標はあくまでフェラーリ
  4. 2 京大発のGLMってどんな会社?
  5. 2-1 日本初のスポーツEVメーカーの誕生
  6. 2-2 EV事業がいま熱い!
  7. 3 新時代を迎えつつある自動車産業

 

1 EVスーパーカーを大解剖!真の実力を検証

4月18日、都内で開かれたジャパンプレミアでお披露目となったGLM4は、静かな歓声と大きなフラッシュによって迎えられました。ブルーカラーを基調とした流線的な外観は、これまでの電気自動車(EV車)※のイメージを覆し、まさしくスーパーカーと呼ぶのに相応しいデザインとなっています。

 

※ ガソリン自動車はガソリンをエンジンで燃焼させ、車を駆動させるのに対して、電気自動車では電動モーターで車を駆動させる。アクセルペダルと連動し、電池から供給される電気エネルギーを調整してモーターの出力をコントロールする装置が備えられている。経産省によれば現在販売されている電気自動車の最高速度は、約100km以上で、航続距離は約90km~200kmとされている。EVは、Electric Vehicleの略。(参照:経済産業省「EVとは」)

 

 

1-1 電気自動車で驚異の540馬力

G4は最高出力400kw(540馬力)、最大トルク1000Nm、ツインモーターの4輪駆動です。3.7秒で時速100kmに到達し、最高速度は時速250kmとなります。馬力ではドイツのスーパーカー・アウディR8と並ぶモンスターマシンに仕上がる予定です。

 

・GLMG4のスペック

車名 GLM G4
仕様 4ドア4人乗り
駆動方式 4輪駆動
加速 3.7秒(0-100km/h)
最高時速 250km/h
航続距離 400km
モーター 最高出力 400kW(540馬力)
最大トルク 1000Nm(101kgm)
価格 約4000万円
販売時期 2019年内

 

「路上を走るヨット」をコンセプトに設計されたG4は、路上では騒がしく音を立てず、ヨットのように華麗に走るようにしたといいます。航続距離は欧州の標準試験モードであるNEDC(New European Driving Cycle)基準で400kmとなります。

 

エクステリアは4ドアのクーペスタイルで、フェラーリでもよく見られる、斜め上に開くバタフライドア※となります。

 

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(出展:GLM G4)

 

一方、インテリアは白を基調とした上品な作りになります。スーパーカーでありながら後列シートは比較的広くスペースが取られており、飾りの座席ではないことが伺えます。

 

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(出展:GLM G4)

 

G4では最先端の電子制御技術が使用されており、専用のパワートレインも含めて開発が進んでいます。
販売ルートは日本、欧州、中東、香港、中国とで合計1000台を目指していますが、現在のところ北米での販売は予定していないとのことです。

 

※ G4では「アビームセイルドア」と呼ばれ、Abeamはヨットが風を受けて、最もスピードが出せる状態を指す。GLMによれば車両コンセプトの「ロードヨット」とスーパーカーの「速度」を象徴する名称として名付けたとされる。

 

 

1-2 目標はあくまでフェラーリ

GLMは同じ電気自動車を開発していることから、シリコンバレーを拠点とする米テスラに例えられることがあります。しかし、GLMの小間裕康社長は「テスラではなく、フェラーリになりたい」と話します。4月18日に都内で開かれた会見で小間氏は

 

「和製テスラと呼ばれることも多いが、われわれが目指しているものとは少し違う。たとえて言うのならEV版のフェラーリ。高付加価値の車両を提供していきたいと考えている」

 

と話しました。

 

 

2 京大発のGLMってどんな会社?

ロゴ

(▲GLM社のロゴマーク)

 

京都市左京区に本拠地を置くグリーンロードモータース(GLM)は、2010年、京都大学と政府による産学連携プロジェクトであるベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)※事業をきっかけに誕生しました。

 

最高責任者(CEO)を務める小間裕康社長は同大学の卒業生で、2010年12月に環境都市である京都のものづくり産業を支える目的で京都電気自動車プロジェクトを発足。京都発のスポーツカー「トミーカイラ」を継承することになりました。

 

※ VBL事業は2012年3月末で終了。1995年の設立以降、ナノテクノロジー等の研究拠点として、数々のプロジェクトの立ち上げに貢献し、京都大学における先端研究・産学連携活動の拠点としての役割を担った。また、ベンチャー精神に富んだ人材育成の面でも、「新産業創成論」や「先端電子材料学」の講義、テクノ愛やグローバルリーダー育成カップといったコンテスト、起業能力検定試験、京大ベンチャーズ等、起業家人材の育成などに取り組んできた。(参照:京都大学)

 

 

2-1 日本発のスポーツEVメーカーの誕生

京都電気自動車プロジェクトが目をつけたのは、公道を走るレーシングカーとして知られるトミーカイラZZです。トミーカイラは京都市のトミー夢工場によって製造・販売された言わずと知れたスポーツカーの名車で、現在でも国内外で高い人気を誇ります。

 

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(▲1968年に発売された初代トミーカイラZZ / 出展:gtplanet)

 

GLMはトミーカイラZZを京都発のEVスポーツカーにするため、生産工程は製造業が集中する舞鶴市で行うなど部品調達の多くを京都内で行く「KYOTO生産方式」を採用しました。2014年に完成した「トミーカイラZZ EV」は800万円という高級車並みの価格で売り出されたものの、予約が殺到し、初回限定だった99台は即時完売となりました。2015年にはイギリスで格式高いモータースポーツイベント「Goodwood Festival of Speed 2015」に招待出展されました。

 

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(▲電気自動車化されて生まれ変わったトミーカイラZZ EV / 出展:AUTOCAR JAPAN)

 

一般財団法人である地域総合整備財団の資料によれば、同車の今後は、海外販路の開拓として、日本と同じ右ハンドルのドバイ、マレーシア、タイの市場やトミーカイラZZとの関係があるイギリスなどでの販売を予定している模様です。

 

GLMは舞鶴市の小阪金属工業株式会社と量産体制を整え、京都舞鶴港を利用した海外輸出が実現することを期待したいと話します。(参照:ふるさと財団「京都舞鶴から世界へ」)

 

 

2-2 EV事業がいま熱い!

自動車メーカー各社が、こぞって開発競争を繰り広げているEV事業。トヨタのプリウスPHVや日産リーフ、三菱自動車i-Mievなど多くの電気自動車が誕生してきました。
一方、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンといった海外メーカーも電気自動車用の新ブランドの立ち上げを予定しているなど本格参入を予定しています。

 

・ 国内の自動車メーカーが出している電気自動車

国内メーカー 車名 生産期間
トヨタ プリウスPHV(新型) 2017年より
eQ 2012年 100台限定発売
i-ROAD 2013年まで
ホンダ フィットEV 2016年末まで
クラリティエレクトリック 2017年、米国で販売予定
日産 リーフ 2010年より
e-NV200 2014年より
三菱自動車 i-MiEV 2009年より
MINICAB-MiEV 2011年より
マツダ デミオEV 2012年より(リース販売)

 

・ 海外の自動車メーカーが出している電気自動車

海外メーカー 車名 生産期間
テスラ MODEL S 2012年より
MODEL X 2015年より
MODEL 3 2017年中旬より
BMW i3 2013年より
i8 2013年より
メルセデス EQ 2019年予定
フォルクスワーゲン I.D. 2020年頃予定
フォード フォーカスエレクトリック 2011年より

 

 

3 新時代を迎えつつある自動車産業

人工知能(AI)を使用した自動運転自動車や二酸化炭素を排出しない燃料電池自動車、電気自動車など自動車産業は新たな段階を迎えつつあります。
自動運転技術に関してトヨタはNTTと、ホンダはソフトバンクと、日産はDeNAとの提携を発表しています。

 

しかし、いくら技術が進んでも自動車は単なる走る道具に成り下がってほしくないとGLMの小間社長は語ります。

 

「約7年間、当社は自動車メーカーとしての実績を作ることに注力してきました。その上で『人々がワクワクするような時間を提供できる車』をつくることを掲げてきました。そして今、G4の開発で、一歩前に、歩を進めようとしています。ZZで目指したのは『童心に帰る、子どものように楽しめる時間を与えてくれる車』でした」

 

また、

 

「一方でG4は『官能的な時間を与えてくれる車』を目指します。日常の喧騒から離れるため、鞄ひとつで旅に出かけ、歴史に触れ、アートに触れ、音楽に触れ、食に触れ、一つまた豊かな時間を送る。そういったきっかけを与えてくれる車、そういった気持ちにさせてくれる車です。つまり、利便性だけではない、何か大事なものを気づかせてくれる車です。便利とは異なる官能的な世界を届けていきたい、そう心から思う次第です」(参照:GLM G4

 

若者の車離れが嘆かれる現代ですが、クルマが環境を汚さず、かつ運転する必要がなくなっても、走る喜びはいつの時代も求められることがわかりました。

 

 


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